29話 鑑定
牛と鳥の死体を解体し終わった私は、素材を鑑定するために錬金術ギルドへと戻ってきた。
いつも通り部屋を取ると、水晶で素材を鑑定していく。
「まずは牛の革からっと」
鳥はメインにとっておき、牛の素材から鑑定していく。
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ブラフカウの革
ブラフカウから採れた革。
防御力が高そうだが見た目だけである。
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「・・・おしゃれ用だね。次!」
ブラフという名前を見た時点で嫌な予感がしていたが、見た目だけで性能は良くないようだった。
まあ、冒険者らしい見た目の装備を作るのには使えるだろう。
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ブラフカウの角
ブラフカウから採れた角。
攻撃力が高そうだが見た目だけである。
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「うん、知ってた。次!」
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ブラフカウのシャトーブリアン
ブラフカウから採れたとても希少な肉。
とても美味しそうだが見た目だけである。
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「まさか肉まで見た目だけとはね・・・」
肉には少し期待していたのだが、残念ながら美味しくないそうなので売ることにした。
美味しくないなら売れないかもしれないが、その時は草原に置いておけばそのうち鳥が食べるだろう。
「あれ、もしかして鳥ってゲテモノ好き?」
そんな考えが頭をよぎるが、現実の鳥は虫を食べているためそれに比べたら美味しくないとはいっても牛の方が美味しいだろうという結論に達する。
他の部位の肉も取ってきているが結果は同じになると悟り、鳥の素材の鑑定に移る。
今更だがこの鳥はガボさんのところで解体した時には見ていないモンスターだった。
やはりレアモンスターだったのだろう。
そんな訳で素材への期待が高まっていく。
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スティールホークの羽
スティールホークから採れた羽。
素早さを得るために無駄なものはそぎ落とされてい
る。
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「うーん・・・これは上手く使えば素早さを上げられるかな?こう、どこかの部族の人がつけてそうなものとか?」
後半のフレーバーテキストを見ると素早さに関連した装備が作れるような気もするが、民族衣装が頭から離れない。
睡蓮を腰に挿しているのとどっちが目立つかはわからないが、そんなものを付けていたら奇異の目で見られることは間違いないので、何かそれ以外の使い道を考える必要があるだろう。
「とりあえず次いきますか」
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スティールホークの脚
スティールホークから採れた脚。
獲物を掴む事だけに特化している。
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「これも何かに使えそうな気はするけど・・・次!」
少し考えるが、使い道が思いつかなかったので次の鑑定に移る。
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スティールホークの胸肉
スティールホークから採れた胸肉。
程よく引き締まっている。
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「これなら少しは高く売れそうだね」
鳥の肉は牛の肉よりも美味しそうだったが、なんにせよ売ることに変わりはない。
「それじゃあ、最後いきますか!」
そういって最後の素材を取り出し、水晶に当てる。
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スティールホークの目
スティールホークから採れた目。
大半のものを見通す力がある。
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「やったね!」
鑑定結果を見た私はそう叫んでいた。
これは鑑定アイテムに使えると確信したのだ。
「これでようやく鑑定ができるようになりそうだね。けど...この目どうやって使おうかな?」
ここで新たな問題が発生する。
目のどの部分が鑑定能力を持っているかわからないので、下手に分解すると鑑定能力が失われてしまう可能性があるのだ。
つまり、目を分解せずにアイテムを作らなければいけない訳だが...
「目をそのまま使ったアイテム...アクセサリーぐらいしか想い浮かばないけど...」
ネックレスと指輪が想い浮かんできた。
チェーンに繋がれ首元にぶら下がる生々しい目。
指元で宝石のように輝く目。
どちらでもなかなかのホラー映像な気がする。
「それじゃあ、フレッドさんみたいな感じで虫眼鏡風にするとか...」
レンズ部分が目に起き変わった虫眼鏡を想像する。
ぐるりと目の部分が動き視線が合った。
「...これも無しかな。それなら水晶っぽくするとか?」
そう言ってみるも、思い浮かぶのは水晶と同じ程に巨大化した目。
台座の上で自由に動き、何処にいてもこちらをじっと見つめてくる...
「完全にホラーでしかないんだけど...他にいい案は...あ、そうだ!」
私はそう言うとある場所へと向かい始めた。




