表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/62

23話 乱闘

「いや、お前バカだな。何こんなもん人に渡してんだよ」


フレッドさんはそう言い直す。


「...それが妹の風邪を治そうと頑張った人に言う言葉なんですか?」


少しイラついきトゲがある言葉が出てくる。

まあ、いつものことだ。


「手伝ってくれたから言ってんだろが。普通ならありがたく貰って、心の中で笑っとくわ」


その言葉にも少し傷つくが、どうやら善意で言っているようなので話を聞いてみる。


「と言いますと?」


「...お前もしかしてこれ鑑定してないのか?神に祝福されたアイテムだぞ?」


知ってるけど、これはティアちゃんを治すためのアイテムだから。

確かに自分で使いたいとも思ったけどね?


「知ってますけどそれが何か?」


「知ってて手放すとかお前どこの貴族なんだよ...」


フレッドさんが落胆した顔で言う。


「常に金欠な錬金術師ですがなにか?」


私がそう言うと、フレッドさんはいきなり声を荒らげる。


「なら自分が持ってるアイテムの価値ぐらい把握しとけや!」


「は、はい...」


「説明してやるからよく聞けよ?黒い星が着いているアイテムは神の祝福を受けたアイテム...人間じゃあどう足掻いても作ることが出来ないアイテムだ。だから、馬鹿な貴族共が自分は神に選ばれたんだーとかいってよく見せびらかしてるが、そんなやつは大抵見せかけだけだな」


フレッドさんは貴族に恨みでもあるのかな?

確かに貴族って悪いイメージの方が大きいけど。

とりあえず貴族が集めてるから高いって認識でいいのかな?


「つまり、貴族を探して売りつければいいんですね?」


私がそういうと、フレッドさんは首を横に振った。


「いや、普通に使った方がいいぞ。今のはただ価値が高いって言いたかっただけだ」


...なるほど。


「それじゃあ、フレッドさんが使ってください。元からフレッドさんの物でしたし」


フレッドさんから借りていた水晶が変化したものなので、これはフレッドさんが使うのがいいだろう。


「これあの水晶なのか?あのクソ商人、今度見つけたらぶちのめしてやるからな...」


今更詐欺にあった怒りが湧いてきたのか、フレッドさんは声は魔法玉を持っていない拳を壁に打ち付ける。


「それじゃあ私帰りますね」


「おい待てや!」


とりあえず受け取っては貰えているので帰ろうとすると、後ろから声をかけられる。


「妹の病気を治したやつからこんなもん貰えるか!さっさと自分で使えっ!」


その声に反応して振り向くと、フレッドさんが魔法玉を私の口にねじ込んできた。


「むむむ!?むー!」


私は驚いてフレッドさんとその場に倒れる。

それでも、何としても飲み込むまいと抵抗を続けていると、予想外のところから追い討ちがかかった。


「お兄ちゃん...やっぱりロリコンなの?」


声がした方向を見ると、ドアの前にティアちゃんが立っていた。

おそらく、外で騒いでいたので何かあったのかと見にきたのだろう。

さて、ティアちゃんから見るとこの状況はフレッドさんが私に覆いかぶさって何かをしているように見える訳で...


「違うぞ!?」


「...違いますよ!?」


フレッドさんを振り払って飛び起き、ほぼ同時にそう言う。

だがその瞬間、否定をすることに意識が奪われ私は口の中にある魔法玉を飲み込んでしまった。


________________________

スキル 回復 を獲得しました。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「...あ」


「よっしゃ!ナイスティア!」


「えっと...今何があったんですか?」


それぞれの言葉が路地に響いた。


◆◆◆◆◆


「お兄ちゃんがいいことをするなんて...」


しばらくして、状況を説明し終わるとティアちゃんがそう言った。


「...そんなに悪いイメージなのか?」


ティアちゃんの言葉に打ちひしがれるフレッドさんにティアちゃんがさらなる追い討ちを仕掛ける。


「悪いイメージじゃなくていいことをしているイメージがないだけです!」


ティアちゃんが真面目な顔でそう言うと、フレッドさんがその場に崩れ落ちた。


「確かにそうだ...な」


「...悪い人ではないと思われてるんですし良しとしましょうよ」


あまりフォローになっていないフォローを入れておく。


「まあ、ティアもさっきのことについてはいい事って言ってくれたからな!」


まあ、他の人から見ればそうなのかもしれないが。


「何回も言うけど、あれはティアちゃんを治すための物で...」


同じことしか言っていないが、一応反論はしておく。


「自分で使って私を治すこともできるはずです!元はお兄ちゃんのものだったことも治療代だと思えば問題無しです!そもそも、もう食べたんですから何を言っても関係ないです!」


即座にティアちゃんによって切り捨てられてしまったが。


「むむむ...それじゃあ、こっちなら受け取ってもらえる?」


私はしばらく考えてウエストポーチから再生の魔法玉を取り出す。

それを見てティアちゃんが言う。


「お兄ちゃん、ゴー!」


「おうよ!」


フレッドさんは私に襲いかかると、先程と同じように魔法玉を口に入れようとしてくる。

私は必死に抵抗するが、後ろに回ったティアちゃんからくすぐられて口を開けた瞬間に魔法玉を食べさせられ、口を塞がれる。

これ以上抵抗しても無駄だと悟った私は大人しく口の中の魔法玉を飲み込んだ。


________________________

スキル 再生 を獲得しました。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


フレッドさんは私がしっかり魔法玉を食べたことを確認して手を離す。


「...やっぱり変態さんって呼ぶね?」


所作が気持ち悪かったので、私は蔑むような目でそう言う。


「だから俺は変態じゃねえ!」


「やっぱりお兄ちゃん変態さん?」


変態さんが否定するが、ティアちゃんは変態さんをジト目で見ている。

やはり変態さんの信頼度は低いようだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ