20話 予想外
「それじゃあ、まずは素材全部出しますか」
改めて素材のフレーバーテキストを見返すと、バッグに溜まっていた素材を全て取り出していく。
かなり試行回数が必要そうなので、売り忘れて良かったと思いながら素材を取り出していると、骨の間から光が見えた。
「あれ?光るアイテムなんて持ってた?」
気になって骨の山に手を入れ、骨に紛れていたツルリとした手触りのアイテムを抜き出す。
すると、私の手には見覚えのある光を放つ玉が収まっていたのだった。
「えっと...もしかしなくても魔法玉?」
そう、その玉は解体スキルを覚えた時に食べたあの玉と同じような見た目をしていたのだ。
私は何故こんなものを持っているか疑問に思いつつ、その玉を鑑定してみることにした。
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回復の魔法玉 ★
食べると 回復 スキルを覚える。
ありとあらゆる物を回復させる力が込められた宝玉。
神の祝福によって効果が上昇している。
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これってかなりのレアアイテムなんじゃない?
星がついてるし、神の祝福とか書いてあるし...
もしかして、あの教会で何かが起こったのかな?
他に神と関わるようなことは聖水買わなかったことぐらいだし。
「それじゃあ、これはティアちゃん行きとして新しい宝玉作っていきますか!」
神様にはティアちゃんの病気を治すことを祈ったので、自分で使うのは罰当たりだろう。
そう思って回復の宝玉をしまい、考察を始める。
「魔力が込められていると汚染されているは魔力の込めやすさが違うと仮定して、込められているの方が魔力が込めやすそうだよね。それで汚染されている理由としては、込められている方から魔力が流れてきたと見るのが妥当かな?魔力が込めにくい方に流れてきたのは魔力が余っていたからだとすると、魔石に入っている魔力を取り出せば魔力を逆流させられるかも?」
そんな考察をして、私は魔石を手に取る。
汚染されているアイテムの方が魔力が込めやすい場合もあるだろうが、そうなったら汚染されている水晶から魔力を流す先がないので、しばらくは魔力が込められているアイテムの方が魔力が流れやすいと言う前提で進めていく。
「とりあえず、魔石と一緒に水晶を入れてみますか」
そう言って魔石と水晶を鍋に入れるが、液体の色は変化しなかったので魔石と水晶を回収しながら理由を考える。
「私の考察が正しいなら、魔石に魔力が残ってるってことだよね。...魔石の魔力ってどうやったら使えるのかな?」
ガボさんから色々な道具を動かす電池のようなものだと言う話は聞いていたが、肝心の使い方は全くわからない。
「うーん...汚染されていないアイテムを一緒に入れるとか?」
そう考えて、蜘蛛の殻と一緒に魔石を入れてみる。
すると、液体の色魔石と同じ深い紫に染まった。
「おお〜。それじゃあ、今回は中火でいきますか」
何となく中火にして、鍋を混ぜていく。
しばらくすると、鍋から蜘蛛の殻が浮き上がってきた。
「あ、殻だけ...とりあえず鑑定してみますか」
残念ながら魔石が消えてしまったが、アイテムは出来たので鑑定する。
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強化されたフォレストスパイダーの殻
魔力で強化されたフォレストスパイダーの殻。
かなりの強度もち、防具に向いている。
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おお〜!
魔石と一緒に素材を入れると強化されるんだね!
やりたかったこととは違うけど、いい情報が手に入ったね。
さて、次はどうしようかな...
あ、もしかすると?
私はあることに気が付き、受付へと向かってミルさんに言う。
「すいません、使い切った魔石って残っていませんか?」
錬金術師ギルドには沢山のアイテムがあるので、それに使われていた魔石があるのではないかと思ったのだ。
「ありますよ、少し待っていてください」
ミルさんはそう言って奥に向かい、しばらくして袋を持って戻ってきた。
「これが使い終わった魔石ですね。捨てる予定だったものなので、好きなだけ持っていってください」
「ありがとうございます」
私はそう言うと袋の中から幾つか魔石を貰い、お礼を言って部屋へと戻った。
「それじゃあこの魔石と水晶を鍋に入れて...ダメですかそうですか...」
早速魔石と水晶を入れてみるが、残念ながら液体の色は変わらなかった。
「となると、水晶と骨で魔力の受け取り安さの違いがあることを祈るしかないかな?」
しばらくしてそう考えた私は砕いた骨と水晶を鍋に入れる。
骨を砕いた理由はその方が魔力を吸い取りそうだと思ったからだ。
すると、液体がうっすらと光始めた。
「...やったぁ!後は中火で煮込んで...」
中火で鍋の中身を混ぜていくと、鍋の中からうっすらと光を放つ水晶が浮かび上がってきた。




