表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
止まる所を知らぬ悲運  作者: ささみ
解説、全貌
9/27

出現1

 トラックを高速道路で飛ばしながら自分の半生を思い返すが、碌なもんじゃない。何故俺ばっかりこうなってしまうんだ。


「そんなに自分の人生が嫌か?」


「嫌に決まってんだろ……はぁ!?」


驚きのあまり二度見してしまった。振り返ると、後部座席に女が出現していた。


「誰だおめぇ!? どっから入りやがった!?」


「前を見んと、そろそろカーブだぞ?」


慌てて前を向きなおし、ハンドルを右に切る。バックミラーには朱・金・黒を主とした着物に、キツネ耳をつけた女が映っている。つり目にまろ眉、赤い口紅。歳は20くらいか。


「誰だおめえ。コスプレかなんかか?」


「わしの正装じゃよ。それより鉄平、お主は自分の人生に嫌気がさしているのだろう?」


「な、なんで分かるんだよ」


「わしはちょっとした神のようなものじゃからな。それくらいは分かるのじゃよ」


「……頭いかれてんじゃねぇのか?」


「そーれーでー、じゃ。自分の人生を変えたいとは思わぬか?」


「んなこと出来るわけねぇだろ」


「変えたいと、そうは思わぬのかと聞いてるのじゃが」


変えたい過去なら、いくらでもある。


「……変えられるもんならな」


「わしが5回までお主の過去を書き変えてやろう。どう変えたい?」


「どうって……えぇ……」


「いかようにも変えられるのだぞ?」


一番に変えたい過去は何だ……いやいや、冗談にしても無理があるし面白くねぇ。適当に思いついた事を答える。


「じゃあ俺がいじめられてたんじゃなくて、俺がいじめていたことに変えたい」


「分かった、望みを叶えてやろう」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ