止まる所を知らぬ悲運
解説のようなものです。
複雑故説明に至らぬ点が多いかもしれません。ご容赦ください。
主人公・鉄平の一番の悲運は、キツネ耳の女・アルラに目をつけられたこと。
この物語のコンセプトは、"体験する小説"と、"どこからでも、いつからでも楽しめる"でした。修正する以前の話も投稿いたしますので、そちらもぜひお楽しみください。
この物語のギミックは、アルラの過去の書き換えにあります。アルラが鉄平の願いを叶えた瞬間に行われる過去改変、それを最新話以前の話を修正することで再現していました。
この物語の大筋は、どんなに境遇にあっても変わらない鉄平の性格や行動と、それを見て何と愚かなのかと楽しむアルラ、という感じです。
アルラは、車内での鉄平との会話も楽しんでいるので、会話が捻じ曲がるようには改変しません。よって叶えられる残りの数や、鉄平が願った内容も変化しません。
鉄平は、何かを願ったことを思い出せても、何を願ったかまでは思い出せません。会話も楽しめるように、アルラがそうしているからです。改変された時点以前からの記憶の連続性があるので、内容を思い出せないことを疑うこともありません。だから、確かに願いを言って叶えてやろうと言われたのに、現状の自分の状態に変化が現れないため、願いが叶っていないじゃないかとアルラに怒りや落胆を見せます。
アルラが適当に目を付けた男が鉄平です。鉄平がいくら家庭環境を変えたり、自分の人生の一部を変えたいと望んでも、結果的に鉄平にとっては悲惨な運命になってしまうのが、アルラにはおかしくて仕方ありません。鉄平がどうあがいてもそうなってしまうのは、本人の根の性格にあります。彼は、何か悪いことが起こるのは外的要因にあると信じて疑いません。家庭環境が変わってもそれが変わることはなく、結果的にループに至ります。もし彼が、自分の非を認めることが出来る人間になれば、あるいは願った内容が思い出せないことに気付き異変を感じることが出来るならば、ループから抜け出すことが出来るかもしれません。