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変化2
「……で、特に何も変わらねぇが」
「そうか? 確かにわしは変えたのじゃがなぁ」
突拍子もねぇ話だ。一瞬でも信じた俺が馬鹿だった。
「おちょくるのもいい加減にしろよ」
「おちょくってなどおらんわ! まことじゃ、まーこーとー」
「じゃあなんだ? 何でその過去を変えてくれる神様が俺なんかに憑りついてるんだ」
「面白いからじゃ」
「はぁ? もっと他になんかあるだろ」
「はて、それ以上の理由が必要かね」
「理由にすらなってねぇだろ……」
「理屈っぽいやつよのぅ。次は何を変えるのじゃ?」
どうせ目的地まで距離はまだまだ。暇つぶしくらいにはなるだろ。
「じゃー金持ちにしてくれよ」
「ほう、ならお主を億万長者にしてやろう」