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公爵令嬢は占いがお好き  作者: 四宮 あか


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誤解だった

 ミランダのことを誤解していた。

 確かにゴシップ大好きな子とは思っていたけれど……

 彼女は馬鹿ではない。

 ノアにそういったということは、ミランダにそう思われる何かが私のあずかり知らないところで起こっているのかもしれない。

 

 

 マクミラン公爵邸の広大な庭に作られた領民が生きていくための足しにしている家庭菜園というにはいささか規模の大きな菜園への水やりを繰り返す毎日に平和ボケをしていたけれど。

 険しい山々に囲まれたマクミラン領は、隣国と接しており。

 何かあれば、ここは戦地となる。

 マクミラン領が落ちれば、ここは隣国がさらに国の内部に攻め込む重要な拠点に早変わりとなる。



 にもかかわらず。

 長い年月が流れたことで国の緊張は薄れ。

 僻地で貧しいマクミランには、まともな婿や嫁は来ないどころか、どんどん出ていく。

 いざとなればここは最前線となるのに、優秀な魔法の使い手はおろか、まともな兵士として動ける人がどれだけ残っているだろうか……



 私はノアと知り合って日が浅いけれど、彼の魔法の使い手としての才はこの短期間で十分に理解していた。

 魔法を使えるといっても、水を無計画にぶっ放すだけの私とは違い。

 細やかな調整や理解が必要な変身魔法、変化魔法、転移魔法。

 一瞬にして服や髪を乾かす、炎と風の融合魔法。

 あまりにも彼がさらりと使うから流してしまいそうになるが。

 その全ては圧巻だった。 




 となると……

「マクミランのスクロールの利用者を閲覧したいというのも。占い師を探すためは建前で、変な人物がスクロールを使いマクミランを出入りしていないかの確認も兼ねていた違いますか?」

 その結果いろいろあって、なぜか私が彼に好意を向けられる予想外のことが起こってしまった。

「いや、違うよ?」

 私の問に対して、ノアは実にあっさり違うと顔の前で手を振った。

 恐ろしいことに、ノアの言葉の周りには嘘だと思いたいけれど、ホント、ホントと文字が浮かぶ。



「え?」

「あんな風にやりこめられたのは初めてだったからね」

 そんなアホみたいな理由で? 噓でしょ? と思うのに。

 恐ろしいことに、やはりノアの言葉の周りにはホント、ホントと浮かびあがる。



 なんで!?

 思わず心の中でツッコミを入れてしまった。

「建物がもぬけの殻どころか、建物自体解体されてるだなんて前代未聞だったよ。建物の持ち主を当然たどったがたどり着けなかった」

「たどりつけなかった? マクミランに来たじゃない」

 そりゃそうだ、占いで小銭を稼いでいたけれど、厄介ごとに巻き込まれたら面倒だからと何かあればすぐ逃げられるようにしていた。

 にもかかわらず、ノアはマクミランにたどり着いたわけで、ならどうやって? ということになる。



「君、うちの商会が販売しているスクロールを使っただろう?」

「まって、あれ、シリアルナンバーとかが付いていて。誰がどこかで使ったのか管理されていたり?」

 さすがにそんな裏事情知らなかったし。となると今後はスクロールを使うのはもっと慎重にしなきゃというか。


 スクロールを使うにしても、あそこからでて仮面舞踏会に戻って、会場でスクロールを使えばもしかして私は逃げられたんじゃ……

 今更になって、あの時私がやった致命的なミスが何かわかって、もうしても無駄だとわかっているのに脳内反省会が始まりかけた。



「スクロールは必ず発動させるためにかなり多めに魔力を注いでいるんだ。だから転移後魔力の残滓がそこにしばらくとどまる。それを無理やり再構築したらマクミランだとわかったんだ」



 違う。ノアが魔法の使い手としてやばいやつだからできたパターンのほうですね。



「私は君に好意がある。君は私と大々的に結婚式を挙げれば、それだけで抑止力になると思うから悪い提案ではないと思うけれど」

 提案……そう、これはノアが私が気に入ったから結婚をしようとしている話だったのに。

 途端に避けて通れぬ政略結婚的な香りがプンプンとしてしまう。



 ノアは転移魔法が使える。

 もし何かあった時に首都に危険をしらせれば、応援は早く来るだろうし。

 ノア自身が前線に立つとなれば、どれだけ被害がなく終わるだろうか……



 あぁ、もう後がない。



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