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第二話 きちゃった

遥が異世界から帰還して一か月が過ぎたころだ。

 世間は遥の起こした事件をすっかり忘れ、新たな事件へとシフトしている。情報の流れは本当にはやい。

 遥は一か月の間自分の部屋で一人暮らしていた。

 両親とは半ば絶縁状態。四畳ほどの自分の部屋を難なく駆使して一人暮らしをしているようなものだ。

 そんな遥の一か月間は驚くほど暇なものだった。

 なにせ外に出られないので、家でゴロゴロするしかない。あとは、パソコンをインターネットにつないで動画を見たり、遥と同じように異世界に召喚や転生させられたネット小説を読んでいた。

 そして食事は深夜のコンビニと決まっている。

 ダメ人間の生活だと思うが、世間から隔離されるとそういう生活しかできなくなるのだ。

 そんな生活をしているある時、遥宛に政府から通知が来た。

 その内容はごく普通のものだった。霧島遥は高校一年生で行方不明になってしまったため高校生活を送れていないので、再度高校に入学して失った時間を取り戻すという何とも単純なもの。

 今更、高校なんてと遥は思っていたが、これは国からの指示なので強制力が強かった。仕方なく遥は国から指示された高校に入学する事となった。


「霧島遥です。よろしくお願いします」

 転校生という形で遥は私立高校に入学する。軽いあいさつをして遥は教室を見渡す。

 七年間のブランクがあるものの教育機関の様子はさほど変わらないというのが、遥の見た感想だ。

「あーし知ってる。全裸男でしょ」

 と、クラスカースト最上位であるギャル風な女子が遥を見て言ってきた。

「えっ、マジであの全裸男」

「オレ、あの時現場いたわー。マジキモかった」

「精神病院行ってたんだよね。ねぇねぇどうだったの」

 一人の女子の発言が発端にクラスでは遥の話でいっぱいになった。遥は言われたい放題だ。まだまだ、世間の風当たりは強いと感じさせる。

(人の心をえぐりやがって、俺だって好きで全裸になったわけじゃねえっての)

「こらこら、静かに」

 先生の一言で教室は一瞬にして静まる。

「遥君、あそこの奥の窓際の席があるだろ。あそこが君の席だ」

(ラッキー、主人公席じゃん。これならあまり目立たないな)

 遥は先生の指示に従い真っすぐ自分の席へと向かう。だが、遥の思惑とは逆の事態が教室の一番後ろでは行われていた。

 徐々に自分の机に向かっていく遥、そして遥は事態を目撃した。

「なっ、なんだよこれ」

 遥は思わず声に出してしまう。こんな事態になった経験がなかったからだ。遥の机を中心に円を描くように他の生徒の机が半径一メートル程度離れていた。

「クスクス」

「バーカ」

 遥が自分の机を呆然と見て立ち尽くしていると、どこからともなく生徒たちの手厚いささやき声が聞こえる。

(まさか、俺、いじめられてるの? 初日早々、こんな事って……現代人優しくねぇ)

 あっちの世界の人たちは良かったなあと遥は心の中で思う。あちらの世界は遥がどこから来たのかとかお構いなしに迎えてくれた。

 それに対して遥の元いる世界は、よそ者を邪険に扱うような態度で遥からみんな離れている。最初から遥を受け入れる気なんかなかったようだ。

(政府の指定した学校だから、まともと思っていた俺が馬鹿だった。ここは、クズ虫どもがはびこる魔窟だ)

 遥の再高校生活初日は散々な形で幕を開けた。遥は誰とも会話することなく学校生活一日目を終えるのだった。


「きゃはは、受ける、マジそれー」

 朝、ホームルームがはじまる前の教室は黄色い声溢れかえる。いくつかのグループ形成がなされ、同じ趣味のあった四、五人の生徒がきゃっきゃウフフと話し合っている。

「おはよう」

 教室の扉を開け、遥はなにげなくみんなに挨拶をする。

 ガサッ。

 すると、そんな楽しそうなムードが一気に凍り付き生徒たちは話をやめると、自分の机へと戻っていく。

(ですよねえ)

 遥がこの学校に来てすでに一週間が過ぎていた。

(今日もダメかあ)

 遥はため息を漏らしながら自分の机に足を運ぶ。みんなと仲良くなるために二日目からアクションを起こしているものの、誰も話かけてくれる気配すらない。

 それどころか、遥を邪魔者のようにみんなして避けている。

(異世界とノリが違いすぎる。あっちだったら、酒場で見ず知らずの他人でも、一声かけるだけで酒を酌み交わして仲良くなれるのに)

「またきたよ。マジうざくね」

「まだ、辞めないのかねえ、全裸男」

「キモイ」

「ちょっとそれ、言い過ぎだって」

 この始末である。

 入学式の自己紹介でスベったのならまだしも、来る前から歓迎されてないとなると、どうしようもない。

(つらい)

 散々あっちの世界で鍛えられた遥のメンタルも壊れかけている。こんなことなら登校しない方がましだと思える。

(なんで俺、登校してんだろう)

 そんなこんなで、遥の学校生活は何事もなく昼休みをいつもの様に迎えた。

「よいしょっと。行くか」

 パンと紅茶を片手に遥はいつもの昼食スポットへといく。教室で昼飯を食べるのは目立ってしまうからだ。

 特別棟の一階。購買の突き当り、普段は使われていない科学実験室3の横が遥の定位置になっていた。ここなら、遥を見て気まずそうにする生徒たちも来なく、ゆっくりと昼食をとることができる。

 昼食を食べ終えると気持ちの良い風が流れ遥の眠気を誘っていた。ここに来るとい嫌な事を少しは忘れられる。

「ふぁあー」

 安らぎに満ちて遥があくびをしながらひと眠りつこうと身体を壁に寄せた時だ。

「さっさよこせよ。オラァ」

 遥の眠気を吹き飛ばすように大きな声と壁を叩く音が裏の方から響いてきた。

「おわっ! な、なんだあ、人がせっかく気持ちよく寝ようとしている時に」

 遥は音のした方に駆け寄ると、壁に寄り添いながら少しだけ顔をのぞかせた。


「だから、金をよこしなって言ってんだよ、聞こえねぇのかぁ、あぁん」

 ドシッ、と壁を足でけりながら、赤い髪にピアスといった目つきの悪い生徒が、ひ弱そうな背の小さい男子生徒を脅していた。

「ひっ、嫌です。このお金が無くなると今月のお小遣いが……」

 ひ弱な生徒は怯えながらも抵抗する。

「そんなの、こっちが知った事かよ。金がねえなら、バイトでもすればいいだろうがぁ。それとも出来ない理由でもあるのかなぁ」

 一歩でも動いたら殴るとでも言うようにひ弱な生徒に顔を近づけ目つきの悪い生徒は逃げ場を塞ぐ。

(なんだ、カツアゲかぁ。俺の時代もあったが、変わんねえのな)

 そんなカツアゲの様子を遥は他人事のように見つめていた。

「さっさとだせ! オラァ」

(ああなっちまうと、金を出すまで終わらないんだよなあ。ったく、やるならよそでやってほしいぜ。せっかくのお昼寝日和が台無しだ)

 と遥が元の昼寝スポットに戻ろうとした時だ。

(待てよ、ここで俺があのひ弱な生徒を助ければ俺は一躍学校の有名人となって、ちやほやされるんじゃないか)

「もういい、御託はなしだ」

 目つきの悪い生徒はひ弱な生徒から強引に財布を奪ってお札を取り出した。

「ああっ」

「へっへ、ありがとな。この金は大事に使わせてもらうぜ」

 財布を地面に落とし目つきの悪い生徒はその場から立ち去ろうとする。

(そうと決まれば、やるしかない)

 遥は一連のやり取りを見終わった後、隠れていた場所から身を乗り出した。

「待てよ!」

 ひ弱な生徒も目つきの悪い生徒も、声のした方へと振り向いた。

「なんだぁ、お前」

「ぜっ、全裸男?」

 ひ弱な生徒が遥を見てそう言った。

「全裸男、ああ最近転校してきたって言うあれか、でその全裸男が俺に何の用だ」

「全裸は余計だ。好きで全裸になったわけじゃない」

 猛烈に遥は否定した。

(ったく、みんな俺が好きで全裸になったと思っていやがる。勘違いもいいところだ)

「おっ、おう。それは悪かったな」

 遥の勢いに調子を狂わされたのか目つきの悪い生徒は謝った。

「分かればいんだよ。そうすれば、俺もこんなに騒ぎ立てはしない。警察も国も学校も何もかも妬ましいぜ。あっ、一番妬ましいのはあのアホ女神だけど」

「何を言ってるかわからねえが、その全裸男が俺に何の用だ」

 何事もなかったように目つきの悪い生徒は話を元に戻した。

(切り替え、はやっ。えっ、現代人こんな冷めてるの、ドライすぎるだろ)

 そんな目つきの悪い生徒に驚いているが遥も気を取り直して、

「人がせっかく、気持ちよくお昼寝しようと思っていたのに、カツアゲとは愉快じゃないな」

「はぁ、昼寝だぁ。そんなの知るかよ。そっちこそ、消えやがれ」

「さっきから、聞いてりゃあ、知らねえよ、ばっかだな。お前、バカだろ。もっと日本語を話したらどうだ」

 頭をかきながら遥は冷静に目つきの悪い生徒を見下した。

「はぁ、やんのかオラァ」

 当然のように、目つきの悪い生徒は遥の挑発に乗せられる。

(不良も魔王軍の連中も大して変わらないな。少し挑発したらこれだ、カルシウム足りてる)

「そっちの生徒に金を返しな、じゃあねえと、俺の拳がお前を八つ裂きにするぜ」

 遥はあっちの世界の感覚を取り戻していた。そのため、少し度が過ぎた発言になってしまっていた。

「いいぜ、やってみろよ、ああん」

 まんまと挑発に乗せられた目つきの悪い生徒は拳を握りしめ、遥に向かっていった。

(遅いな、蚊でも止まっているかのようだぜ)

 目つきの悪い生徒の右の拳が遥の顔面に向かって振るわれた。それを遥はするりとよけて背後に回る。

「なっ!」

 一瞬にして冷や汗をかき出しながら、目つきの悪い生徒は驚いた顔をする。

「悪いな、お前らみたいな連中、俺の相手じゃないんだわ。さっさとおねんねして金を返しやがれ」

 遥は手を目つきの悪い生徒に突き出し魔法の言葉を叫ぶ。

「【風の正拳(ゲイルフロッツ)】」

 空気を圧縮した塊が、目つきも悪い生徒に向かって、飛び、

「出ない!」

 遥は大声を出しながら目の前の事態に驚く。

(どういう事だよ。風の力は、あのアホ女神が唯一まともに俺にくれた力だぞ。どうしてそれが使えないんだ)

 遥は慌てた様子で混乱し始めた。

(これも、禁則事項ってやつなのか。俺は魔法すらも使えない、ただの人間になっちまったってのかぁあ)

「おい、アホ女神、金でも何でも払うから出やがれ。俺に与えた力はどうなったんだ。貰ったんなら一生もんのはずだろうが」

 空を見上げ、遥は女神を呼び出す。すると遥だけに、

「本日の業務は終了しました。残念ですが、またのコールを~」

 人を馬鹿にするような声が天から流れ漏れだした。

「何だよ、業務ってお前ら、女神は年中無休だろうが」

「女神だってお休みあります」

 録音であるはずの声が突如肉声へと変わったように感情が入ってきた。

「ああ、聞こえてんだな。それならさっさとこの状況説明しやがれ。お前ら女神は普段上から勇者を眺めてるだけの、お気楽職業じゃねえか、休みと変わらねえだろが」

「私だって、信者と温泉旅行とか行って日々の疲れを癒したいの。あんたら、勇者を毎日眺めてるなんてごめんよ」

 私情を持ち出す、女神。

「ああ言ったな。このクソ女神。お前を信じてる勇者一同に謝れ」

「もう、うるさい! 今日は休みだから、コールしないで、それにあんたは勇者じゃなくなったんだからあたしの前に現れないで、いい。じゃあ、バイバイ、グッバイ、さようなら、ブチッ」

 へんてこな挨拶をして強引に遥からのコールを女神は切った。

(あのアホ女神何も解決してねえじゃん、クソっ)

「ああ、この際魔法が使えないのはどうでもいい、次会ったら絶対とっちめてやる」

 遥は数分にも及ぶ独り言でカツアゲの事を忘れていた。

「おい」

「何だよ、俺はいまそれどころじゃあないんだよ、って」

(あっ、まずい)

 ゴン。

 遥が振り向くと同時に鈍い音が昼休みの学校に鳴り響いた。


「うぅ、あんまりだぁ。こっちに帰ってからなんもいいことない」

 カーテンが閉められた真っ暗な部屋で遥はブルーライトが照らすパソコンを眺め泣きじゃくっていた。

「なんでだよ。なんで、みんな優しくしてくれない」

 異世界帰還からの理不尽を嘆く遥。

「帰りたい」

 遥は心の底から思う。こっちの世界には居場所がない。最初から自分の居場所はあそこだった。

 あっちの世界なら、リリアもいて仲間たちも、自分に優しくしてくれるたくさんの人たちがいる。

「学校なんてもう行くか。あんな、俺をのけ者にする場所なんてこっちから願い下げだ。よし、ニートになろう」

 ダメ人間になると志を遥は立てながら、パソコンで自分と似たような経験をしている小説を読み漁る。

「きっといつか、俺だってこいつらみたいに転生してチートハーレムを築くことができるはずだ。なんたって俺は異世界召喚者だったんだからな」

 過去の栄光に縋りつき、未来に自分の人生を託す。そんな遥はもう惨めとしか言えない。

「リリアたちどうしてるかな」

 ふと遥はそんな事を思う。

「俺がいなくなって、みんなは楽しくやっているんだろうか、リリアは変な男に捕まっていないよなあ……うああぁん」

 あっちの世界の仲間たちの事を思うと、涙があふれてくる。勇者としては用済みとなったけど、あっちの世界にはまだ自分を必要としてくれる人はいると思う。

 だから遥は渾身の願いを込めて言う。


「どうか俺をあっちの世界に再召喚させてくれぇ!」


 ……。

 しかし、そんな遥の叫びは静寂と共にむなしく散った。

「だめかぁ、はぁ」

 がっかりするほど大きなため息を遥はついた。

 その時だ。

 黄金の光が遥の部屋の頭上を照らし出した。

「えっ、これゲートか」

 それは紛れもなくあのアホ女神が作りだしたゲートだった。

(よっしゃあ。アホ女神が俺の願いを叶えてくれた。アホだけど。とっちめるとか言ってごめんね)

 どうしてゲートが開いたとか考えないまま遥はゲートに手を伸ばす。

 するとゲートの先から人の足先がゆっくりと降りてきた。

 誰かがゲートから降ってくる。

 その身体は徐々に遥の世界へと顕現する。そして、遥の目の前に一人の少女が現れた。

 ゲートの光でキラキラに輝く金髪のツーサイドアップの髪。ばっちりと大きく開いた眼は、常夏の海を連想させるような透きとおるような青。ちょっとおバカで子供っぽい印象のある顔立ち。やわらかそうな肌。そして何よりも、顔から溢れる微笑み。

「会いにきたよ、ハルカ」

 まぎれもなく、リィリアーヌ=ミストフィリーズことリリアだった。


「……」

 言葉が出ない。

 声を聞いただけで遥は顔が赤くなり、鼓動が高鳴った。

 胸元の膨らみとウエストに向かってキュッと引き締まったプロポーション。間違いなくどこの誰が見ても美少女と呼ぶにふさわしい体系だ。

 そんな、目の前にいる美少女を遥は知っている。知らないわけがない、なんたって彼女は遥の嫁なのだ。

「ハルカ、ちょっと聞いてる?」

 予想外の来訪者に遥の思考は完全にストップしていた。

「ああ、もしかしてハルカ。私の美貌に見惚れているの、やだぁ」

 顔を赤くしながらリリアは顔に手を当てフリフリと身体を揺らす。それに伴いツーサイドアップにまとめている髪がピョコピョコと揺れてなんとも可愛らしい。

 この感じといったらまさしくリリアそのものだった。

「あわわわわわわっ、リリア何だよな? どうしてココニ」

 緊張のせいか遥は言葉がままならなく、カタコトになってしまう。

「ああっ、やっとハルカ、口を聞いてくれた。ハルカの世界の言葉が通じてないかと不安になっちゃったじゃない。どうして、黙っていたの」

「ごめん、つい驚いて」

 ああ、リリアがいる。この声、仕草、全部が可愛い。

「ハルカったら面白いわね。ハルカが元の世界に戻ってから三日しか経ってないのに、まるで幽霊でも見たかのような顔しちゃって」

 こちらの世界とあちらの世界は時間軸の流れが違う。だからリリアはハルカが帰還して三日しか経っていないと思っている。

「……」

「……」

 妙な沈黙が二人の距離と緊張をほぐしてくれた。

「それよりもハルカ、あいたかったよー」

 リリアはハルカの胸に飛んで抱き付いてきた。

「おおわっ」

 ドシンと音を立てながらもハルカはリリアを受け止めた。

 フルーツの香りのするリリアの髪の匂いが遥の鼻孔をくすぐる。

(この匂いこの肌の感触まぎれもないリリアだ)

 遥はギュッと強くリリアを抱きしめた。

「イタッ。ハルカそんなに強くしたら私も……ハルカ泣いてるの」

 遥の耳元に透き通るような声が響く。

「うぅ、俺も、あいだかったよ」

 心から遥はリリアに気持ちを伝えた。

「つらいことがたくさんあったんだね。よしよし」

 リリアはハルカの頭をゆっくりと撫でる。

 そのまま遥とリリアは数分の間抱き合っていた。


「ところでリリアはどうして俺の世界に」

 気持ちが落ち着くと、遥はリリアが来た目的を聞いた。ゲートはいつの間にか消えている。どうやら遥の世界に来たのはリリアだけみたいだ。

(ウェインやエルシィ達は来なかったのか)

 少し遥は残念そうな顔をした。

「んー、ハルカに会いたかったからかな、きちゃった」

 あどけなさの残る顔でリリアはニコッと笑う。

「きちゃったって……そうじゃないだろ、お前が通ってきたのはアホ、じゃないセリア様のものだ。リリアがこっちに来た目的は俺に会う為だけじゃないはずだ」

 アホ女神、もといいセリアはあちらの世界では大変位の高い女神なのでアホとか言ってしまうとリリアが機嫌をそこねてしまう。

 それに、いくらリリアが遥に会いたいと言ってもあの女神がリリアこっちの世界に簡単に送り出すなんて、信じられない。

「ふーん、知らない」

 リリアは首をそっぽ向いて遥に返した。

「あのな、リリア、いくらなんでもセリア様がそう簡単にお前を俺の世界に召喚させるはずないだろ」

「知らない」

 リリアはそっけない態度を示す。

「あのー怒ってます」

「大体ハルカはリリア様リリア様って、そんなに私よりあの女神がいいの。あっちの世界にいた時もリリア様と仲良かったもんね、ふん、だ」

 どうやらリリアの機嫌をそこねてしまったらしい。

「そりゃあそうよね、私なんかの貧相な胸より、おっぱいが大きいセリア様の方がいいもんね。男ってみんなそう、ウェインもグライリックも」

 話がややこしい方向に、こうなってしまうとリリアのおしゃべりは止まらない。

「そんなに私が会いにきたって理由だけじゃダメなの」

 青い瞳をうるっとさせながらリリアはちょっぴり涙をこぼし、遥を見つめる。そんなリリアの目に遥はめっぽう弱い。

「悪い。そんな事はない。俺が悪かった」

「ほんと?」

「本当だよ。俺はリリアだけを愛してる」

「ありがとう、うれしっ」

 二人の顔の距離が近づく。唇と唇が重なり、

 ガチャ。


「うるさい!」

 

「……母さん」

 遥の部屋の扉の先には母親が怒りの顔をして仁王立ちで立っていた。

「えっ、ハルカのお母さん。初めまして私ハルカの嫁のリリアって言います」

 リリアは呑気に遥の母親に手を振りながら自己紹介をする。

「どうしようハルカ、ちゃんと挨拶しようと思ったのにこんな形になっちゃった」

(どうしようはこっちだよ)

 普段遥が何をしようとも両親は部屋に入ってこないのにどうしてこんな時だけ、入って来るんだ。

 タイミングが悪すぎる。

 母親は遥とリリアをまじまじと見つめると、鬼の形相が、こけしのような細目に変わる。

「遥、ちょっとそこ動かないでね。お母さん、台所から包丁とって来るから」

「ちょっ」

 バタン。

 ちょっと待ってと遥が言おうとした矢先に母親は扉を閉めドタドタと階段をならしながら包丁をとりに台所へと行ってしまった。

(ああ、終わった)

 遥はがくりとうなだれた。

「ハルカのお母さんどうしちゃったのかな? ああ、きっと私がいきなりハルカ部屋にいたから驚いたのね。やっぱり、玄関から来るべきだったみたい」

 見当違いなリリアの声だけが遥の部屋に響いていた。


「リィリアーヌ=ミストフィリーズと申します。ふつつかものですがよろしくお願いします。どうぞ気軽にリリアとお呼びください」

 斜め九十度にお辞儀をして、リリアは遥の両親に向かって綺麗に挨拶をしていた。

 その様子を遥は冷や汗を出しながらリリアの隣に座って見ている。

「……」

「……」

 両親は目をぱちくりさせながらリリアを見て、遥を見てを繰り返す。

「本当に君は遥の、よ、嫁なのか」

 声を上ずらせながらも遥の父親がやっと口を開いた。

「はい、そうです」

 疑いの目で見ている両親にリリアは笑顔で答える。

「本当にいせかい? 出身なのかい、あんた」

「んーそうですね。こことは別の世界」

 首を傾げ唇に手を当てながらリリアは曖昧な返事をする。

「で、あっちの世界で息子と結婚して会いにきたと、そいうことかい」

 リリアは頷いた。

「……」

「……」

 両親は言葉を失い固まってしまった。

(まぁ、そうだよなあ、いきなり異世界からきましたって言ってしかも嫁で、言葉を失うのも無理はないよなあ)

 白い目で見られる、と遥は心の底で思っていた。

「やったぞ、母さん、我が家に春が来た」

(そうそう、って、ええっ!)

「そうねあなた、リリアさんと言ったかしら長旅で疲れたでしょう。お風呂の用意しますから少し待っててね」

「お構いなく。身体もそんな汚れていないので」

(何このテノヒラクルー俺の時と違うんですけど)

「バカ息子にこんな綺麗なお嫁さんが、母さん今夜は祝いだ。酒を」

「はいはい」

「素敵な両親ね、ハルカ」

 リリアはあっさりと両親と打ち解けてしまっていた。

(これは、ドッキリなのか)

 遥は目の前の光景に疑心を抱きながらも、その場の流れに飲まれてしまう。

 久しぶりの家族の団欒だ。うれしくないはずがない。遥はちょっぴり涙を流しながらもその場を楽しんだ。


「それじゃあ、お風呂に行ってくるね」

 一通り家族と食事をしながらリリアの事を話したあと遥とリリアは部屋に戻っていた。

 バタンと扉が閉まると、遥は糸がほどけたみたいにだらんとなる。

 一人だけの空間になり、一息つく。

「おい、見ているんだろアホ女神」

 遥は天井を見上げながら、女神を呼んだ。

 シーン。

 だが、女神は姿を現すどころか声さえ聞こえない。

 どうやら女神は遥の声を完全に断ち切っているみたいだ。

「あのアホ事情くらい説明しろよ。あっちの世界ではここまで放置的になってなかったぞ、と言っても無駄か」

 布団に寝転がり少しだけ目を閉じる。再び目を開けると、変わらない部屋の天井がある。目を開けたらあっちの世界だったという方がまだ現実味があったが、そうはなっていない。

リリアが風呂から帰ってきたら問いただそう、今度は慎重に。

 両親のテノヒラクルーはさておきどうしてリリアは来たのか遥は気になっていた。そんな事を考えて布団を見つめていると、

「あれ、リリアってどこで寝るんだっけ……」

 突如襲ってきた疑問、遥の家に空はない。なので遥の部屋で寝るのが当然と言えるだろう。

 だが、布団が一枚しかない。

「リリアと一緒に……寝る」

 ふと、ハルカの頭に過ったのは、風呂上がりのリリアの姿だった。

「いっしょに寝よ、ハルカ」

 甘い声で先にベッドにもぐりこむリリアの姿。

「そんなの、耐えられるかぁ。俺だって健全な男の子だよ。いくら結婚したからといってそれはまだはやい」

 首を振りながら頭に浮かんだ妄想を遥はかき消した。

「きゃあああっ」

 風呂場の方からリリアの悲鳴が聞こえた。

「リリアっ」

 悲鳴を聞くと遥はすぐに布団を飛び去りリリアの声のした場所へと向かう。

 ガラッと慌てながら遥は風呂場の扉を開けた。

「リリア大丈夫かって……あっ」

「冷たーい。これ、水じゃない。ハルカの世界って水で身体を清めるの」

 妖精じみた白い肌。

 綺麗な金色の髪からはぽたぽたと水滴が濡れ落ち、狭い空間に響く。

 遥はそんなリリアの姿に目を奪われる。

(そういえば、シャワーの使い方教えてなかったなあ)

 遥は冷静になりリリアから視線を外した。

「ハルカ?」

 そこでようやくリリアはハルカに見られていることに気づく。

「……はっ!」

 慌てた様子でリリアは胸の部分を隠し、

「ハルカのエッチ。バカ、まだはやいよー」

 ザバーンと勢いよく湯船に浸かると、リリアは咄嗟にシャンプーを遥に向かって投げつけた。

 シャンプーはカキンと遥の顔に命中、遥は後ろへ倒れ伏した。


「ごめん、ハルカ」

「いや俺が悪かった。あっちの世界にシャワーなんてなかったもんな」

 赤く腫れあがった額を抑えて遥は自分のミスを詫びる。

「それよりもリリア、本当の事を聞かせてくれ、リリアがきた本当の目的を」

 真剣な顔つきで遥はリリアに聞いてくる。

 リリアは遥を見てむすっとしながら頬を膨らましていたが、口を開いてくれた。

「なんでも、ハルカの世界の危機なんだって」

 新たな戦いの予感に遥は焦りを覚えながらもリリアに迫る。

「世界の危機、どういう事だ、リリア」

「知らない。詳しくはセリア様に聞いて」

「そのセリア様と連絡がとれないんだが」

「はい、これ」

 そう遥が言うとリリアは長方形型のデバイスを取り出して遥に渡した。

「これは……」

「何でも、セリア様と直接話せる便利アイテムみたい。私がハルカの世界に行くときセリア様が渡してくれたの」

(あれー、なんでかな、俺が異世界帰還した時と違うぞう。それに、禁則事項はどうした、もしリリアがゲートをくぐったのならばリリアは全裸で来るはずじゃ)

 リリアが来たという事実だけで、遥は完全に禁則事項の事など忘れていた。

(でもリリアが全裸できたらまずかったか。もしそうなっていたら母さんの包丁さばきによって俺のあれが料理されていた)

 恐ろしい想像を働かせながらも遥は長方形のデバイスを握りボタンを押した。

『ハロハロ、チィーッス、チャオチャオッス。あっ、リリアちゃんだいじょうび、あのクソ男の世界、変な事されてない。もし、変な事されてたら私が成敗しちゃうから何時でも呼んでねえ』

 へんてこな挨拶と共に陽気なアホの声が遥の耳元に響いた。

「よう、久しぶりだなあ」

 そんな女神のご機嫌をかき消すように遥は低い声で話し出した。

『チッ、プッツ』

 舌打ちしながら女神はデバイスを切る。

 遥は心無い目をしながら再度デバイスのボタンを押した。

「よう」

『プチッ』

 切られた。

 ポンっとデバイスのボタンを押す。

「まだ何も言っていないのだが」

『プチッ』

 三回目のボタンを押す。

『もういい加減にして、私はリリアちゃんに渡したのに、なんであんたが使ってるのよ』

 キレた。

「そっちこそ、ふざけんな。俺と扱いが違うじゃあねえか」

『そんなの知らないわよ。あんたなんてリリアちゃんの可愛さに比べればどうでもいいんだから』

「理由になってねえよ。大体、禁則事項はどうした。リリアは全裸じゃなかったぞ」

『はぁ、そんなにリリアちゃんの裸を見たかったの、この変態』

「それとこれとは話が別だろ」

『あんた、さっきセリア様とかいっていたわよね、セリア様がそう簡単に、とか、なら私に敬意を払うべきじゃないかしら』

 アホは強引に話をそらし始めた。

「お前、聞いてたのかよ。なら、リリアを召喚した理由を説明しに現れろよ」

『嫌よ。あんたの顔見たくないし、頬をつねられるし』

 遥にほっぺをつねられたことをそうとう根に持っていたらしい。

 話が進まない。仕方なく遥はリリアにデバイスを渡し、リリアから女神に聞いてもらう事にした。


「んーなんとなく分かりました。じゃあ、私の口から言えばいいんですね」

 リリアは耳にデバイスを当て女神の声を復唱する。

「私がリリアちゃんを送った理由は、あなたの世界が崩壊する可能性が出てきたの。だから私はあなたを送ったようにリリアちゃんを救世主と召喚したの、これでいいですか」

『うん、それであってるよリリアちゃん』

「世界の危機って、何から、それにリリアは戦闘要員じゃないぞ、どうやって救世主に」

「それは言えない、だけど近いうちにあなたの世界で異変が起こるわ。その時の為にリリアちゃんは必要なの」

 いまいち実感のわかない説明だ。だが、女神が言うのだから世界の危機に遥の世界が陥ることは事実なのだろう。その時の為に、リリアを召喚した。

『これで私の話はおしまい、リリアちゃん切ってもいいわよ』

「分かった、セリア様またお話ししましょう」

 デバイスを耳から外してリリアはボタンを押そうとする。

「リリア、待った俺に変わってくれ」

 リリアは再度耳にデバイスをあてた。

「代わらなくていい。って言ってるけど」

「俺はどうしてもセリア様と話すことがある」

「じゃあはい」

 リリアは遥にデバイスを渡した。

『ああっ、ちょっと待ってリリアちゃん』

「どうもーリリアじゃなくてごめんね」

 遥は笑顔をつくり女神と話はじめる。

『切るわよ、クソ人間』

「切るならとっくに切っているだろ。そうしないってことはまだ重要な事を話していないって事だ」

『今日は勘がいいわね。リリアちゃんが来たかしら』

「そんな事はない。だけど、勇者としての血が騒いだってだけさ」

『そういうことにしておくわ。で、聞きたいことって何』

「ああ、それは……俺が力を使えない理由って何。学校で凄い恥をかいたんだけど、どうせお前のせいだろ、さっさと言いやがれ」

シリアスな雰囲気を壊すように遥は、思いの丈をぶつけた。

『あっそれ、そんなのあんたが調子乗るからに決まってるじゃない』

 女神セリアは軽い口調で答える。

「調子乗るからってそれだけ。俺はお前から力をもらったよなあ。あれは、一生もので俺のものになったからお前がどうこうできるものじゃないはず……」

『そんなこと言ったかしら~』

 とぼけたアホの声がデバイス越しに遥の耳に流れてくる。

(殺す)

 無性に殺意が沸いてきた。デバイスを握りつぶすように力が入る。

「じゃあ、禁則事項ってのは」

『それも嘘よ。あんな衣類だけであんたの世界が変わるわけないないじゃん、そんなの信じてたの、ヤダうけるんですけど、クスクス』

「全ては俺が調子乗るからで、俺は全裸になって警察に捕まり、周りから白い目で見られたと」

『そうよ』

 その女神の一言で遥の怒りゲージはマックスに上昇した。

「お前のせいで俺の心がどれだけ傷ついたと思ってんだ。俺の帰ってきた時間を返せ!」

『だから、リリアちゃんを連れてきたし、あんたの両親だって少し性格をいじってやったんじゃない。それとも、別の女が良かったの、エルシィとか、かわいそうなリリアちゃん、こんな浮気野郎が旦那だなんて』

「そんな気遣いいらねー。さっさと能力を使えるようにしろ、世界の危機なら俺も戦う必要があるだろ」

『嫌、世界を滅ぼした黒幕に私をしたてあげたいわけ。そんなことしたら私は女神界から追放よ』

「追放されろ。お前なんか女神でも何でもねえ」

『ああ、言っちゃった。そんなこと言うクソには能力返してあげない』

 駄々をこね始めるアホ女神。

(ガキか)

「そう言わないで、ハルカに能力を返してくれませんか」

 遥とアホがデバイスで話していると横からリリアは話の内容を悟ったのか口を出してきた。

『リリアちゃんがそういうなら仕方ないわね。感謝しなさい、クソ人間』

「切り替え、はやっ」

『なんたって私はかわいい子の味方だもの。例え、それがどんな悪い願いだとしてもかわいい子なら叶えちゃう。それが、セリアクシス教の教え』

(なんで、そんなアホな教えしかない宗教が滅びなかったんだ)

「それはともかくとして、返してくれるんだな」

『ええ、というかもう返してるけどね』

「返してるんかい!」

『返してると言う前にはじめから私は能力奪ってないし』

「じゃあ、なんで能力が使えないんだよ」

『能力を使うにはやることがあるのよ』

「そのやる事って……」

『それはねえ……』

 もったいぶるように言葉を溜める女神。女神らしい事をしようとすると直ぐこれだ、敵は待ってくれないというのに言葉を溜めては遥を追い詰める。

 女神を呼び出すときは時間に余裕があるときに。

 しかし、ここは敵もいない遥の部屋、どんなに時間がたっても何も起こる事はない。

「それは……」

『それはねえ……ピピピッ、助けて女神セリア様』

 と、デバイス越しから第三者の声がした。

『ごめん、別の勇者からの呼び出しだから私いかなきゃ切るね』

「おい、待て、まだ能力の解放」

『バイバイ、グッバイ、さようなら』

 遥の話を最後まで聞かずに女神は通信を切った。

「ああ、あのクソ女神がぁぁぁっ」

 バンっとデバイスを地面に叩き落とし遥は憤慨した。

「ちょっとハルカ落ち着いて。セリア様だってきっと忙しいのよ」

 リリアは手を遥の腰回りに絡みつかせ遥を落ち着かせる。

「はぁ、はぁ、はぁ」

 息を切らし、遥は落ち着いた。

「悪いリリア、取り乱しちまって」

「いいのよ、そんな事」

 リリアは何事もなかったかのように遥を受け入れる。その優しさが遥の心をいつも癒してくれる事に遥は感謝しながら腰を落とす。

「それよりも、ハルカ、私どこで寝ればいいのかしら、私もう眠くて」

 リリアは目をしぱしぱさせながら船をこいでいた。

(そうだったー。忘れてた)

「リリア、少し待ってろ」

 遥は急いで母親の元へと向かった。

「母さん、布団が一枚しかないんだが、リリアの分の布団ある……」

「あらあら、そんなのあるわけないじゃなあーい」

 母親は顔をニコニコさせながら言ってきた。

「ですよね~ってどうすんだよ」

 母親の雰囲気にのまれてしまったが直ぐに遥は正気を取り戻す。

「あら、あなたたち結婚したのよねえ」

 不思議そうに母親が首を傾げたので、遥は頷いた。

「なら、一緒の布団で寝るのは当然よねえ、母さんも若いときはあなたのお父さんとよく寝たわよ」

「親父意外と寝てたら、大問題だよ。それに母さん、海外映画の見過ぎだよ」

「あらあらもう、どうしましょう」

(話が通じない)

「ゴムは持ってるか、何なら父さんの貸してやるぞ」

「いらねえよ」

 遥と母親の話に父親まで入って来てカオスになる。

 遥の両親は性格が変わり、アホになりつつあった。

(あのアホ女神が性格を変えたからこんな風になってしまったのか)

 遥は強引にもそうだと自分の心を納得させた。


「悪い、リリア布団がないから俺の寝床を使って、って寝てるのか」

 遥が部屋の扉を開けるとリリアが力尽きて床でスヤァと寝息を立てて寝ていた。

「知らない世界で疲れたのかな」

 遥はリリアを抱きかかえ、自分のベッドへとリリアを下ろす。

 そっとリリアの髪を遥はかきあげる。

 まるで眠り姫のようにリリアは動かない。

「あるがとな、リリア。お前が来てくれて俺は最高にうれしいよ」

 いつか別れる時が来るだろう。だけど、今この瞬間だけはリリアと一緒にいたい。そう思い、遥は床で眠りについた。


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