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良いことばかりでは




11.なんでもない話




 夢を見た。内容は思い出せないけど。


 幸せな夢だったような、苦しい夢だったような。



「思い出せないなら意味ないじゃん」



 呆れたように笑う君に、そうだね、と笑い返した。


 あのね、私はね、こんな何でもない生産性のない会話だったとしても、君と共有できるのがすごく嬉しいんだよ。



 いつも、ありがとう。‬










12.忘れられない




「好きじゃない、絶対」


「あんなに大事にしてもらえなかった」


「あんな人もう好きじゃない」



 ——なんて。


 何度繰り返し自分に言い聞かせても、思い出す。



 星が好きだと言いながら、満点の星空を見せてくれた君。


 幸せそうな笑顔。


 抱きしめる体温。



 鮮明に蘇って、涙する。


 なんで今私の隣に、君はいないの。‬






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