6/19
良いことばかりでは
11.なんでもない話
夢を見た。内容は思い出せないけど。
幸せな夢だったような、苦しい夢だったような。
「思い出せないなら意味ないじゃん」
呆れたように笑う君に、そうだね、と笑い返した。
あのね、私はね、こんな何でもない生産性のない会話だったとしても、君と共有できるのがすごく嬉しいんだよ。
いつも、ありがとう。
12.忘れられない
「好きじゃない、絶対」
「あんなに大事にしてもらえなかった」
「あんな人もう好きじゃない」
——なんて。
何度繰り返し自分に言い聞かせても、思い出す。
星が好きだと言いながら、満点の星空を見せてくれた君。
幸せそうな笑顔。
抱きしめる体温。
鮮明に蘇って、涙する。
なんで今私の隣に、君はいないの。