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輝いている。
7.負け戦
「負け戦じゃない」
性懲りもなく愛の言葉を吐き続ける彼に、そう告げた。
「私、まだあの人のこと忘れられないのよ」
畳み掛けると、彼は寂しさを漂わせつつも笑い、私を抱きしめる。
「それでも傍に居たいんだ」
その体温が心地良くて、私はまた繰り返す。
最低な自分から目を背け、その背中に腕を回した。
8.小さな花
「ママー!」
両手を挙げて、だっこを強請る我が子を抱き抱える。
満足げな表情に、こちらまでほっこりと心が温まった。
「おなかすいた!」
「今日のご飯はカレーだよー」
「かれー!」
ぷっくりとした頬がピンクに染まる。まるで小さな花みたい。
にこにこ笑う娘の顔を見て、また心が満たされるのを感じた。