第二話 状況説明です
二人に状況を説明してもらうために椅子に座っている。
何とかさっきまで寝ていた部屋からこの部屋まで移動してきた。内装はシンプルでテーブルと椅子だけしかない。僕は新しくなった体のバランスに戸惑いながらなんとかここまで来た。
それを見て朱音さんは、まずこの体になれるのが最初の課題だねと言っていた。
「まずは、君の体について説明しなくてはね。アグニ、頼む」
「オーケー」
アグニが応える。
「単刀直入に言うが、君は爆発事件に巻き込まれてかなりの重体だった」
重体だった? でも、今の体に怪我らしい怪我はない。相当時間がたっているのだろうか?
朱音さんは申し訳なさそうな顔になる。
「私が追っていた相手のせいでね……奴を捕まえる前にこんなことになってしまって申し訳ない」
僕と朱音さんの様子を気にせずアグニが続ける。
「ここに運び込まれた時、君は肋が砕けて、その破片のせいで内臓はズタズタのぐちゃぐちゃ。両腕と左足は粉砕骨折で、右足は千切れてた。脳は運良く無事だったけど、首の骨が折れていた。これでは彼の天才外科医ブラックジャックも体を取り替える以外の選択肢をとれなかっただろう」
目眩を覚える。
いいところ殆どないじゃないか……
「そこで、この大天才である俺が修復していた人造人間、『機械天使』の躯体に君の脳を移植したのだ」
うわ、この人自分で大天才って言っちゃってるよ。
……っておい! ちょっと待った!
「人造人間!? どこのSF作品だよ?」
ずいぶんと荒唐無稽な話だ。
まあ、目覚めると女の子になっていたなんて事態もずいぶん荒唐無稽ではあるが、そこは否定しておきたい。
そこはかとない期待としては、実はドッキリでこの顔とか全部整形とか……ごめんなさい。ちょっと無理がありますよね。
すると朱音さんがとんとんと肩を叩いてきた。
「そこ」
そう言って朱音さんが指すのは……僕の手だ。
なんだ?
言われたとおり、手を見ていると、変なとこに気づいた。
手首より、ちょっと手前の一部だけ丸く、浮き上がってる?
朱音さんがそこに手を伸ばすと、ぺりっと剥がした。
……はい?
それは、たまに見る円形のコンセントに似ていた。直径は十円玉ぐらいで、どう見ても、これは深さが一センチ以上ある。
さらに、朱音さんが鏡を手渡してきて、
「こっちも」
もう一つの鏡も使って、首の後ろを見せてくれた。首の後ろにも同じような蓋が。
朱音さんが剥がすと、そこにもコネクターがあった。どう考えても、こんなのある以上、生身じゃない。
「理解しました」
否定したいけど否定できない。もうなにがなんだか。
すると、満足そうにアグニは頷く。
「今の状態でも、生身の成人男性の十倍の能力はある。しかも、今は専用の装備も開発途中だからな……完成したら一個大隊とも渡り合えるぞ」
くっくっくとアグニは邪悪に笑う。
アグニの様子に引きながらも、なんとなーく、その装備をつけている自分を見てみたい気がした。
「まあ、馬鹿は置いといて」
朱音さんが話題を変えるように手を叩く。
「そろそろいこうか」
行く? なんだろ?
朱音さんは僕の疑問に気づいたのか、こっちを見て微笑む。
どこか寂しく、悲しそうな笑顔で、
「君のお葬式だよ」
言った。
鈴:「どうも、鈴雪です」
刹:「刹那です」
鈴:「エンジェルダスト、第二話を投稿しました」
刹:「報告しわすれましたが、こっちは不定期的に投稿する予定です」
鈴:「まあ、たまに覗いてもらって楽しんでいただければいいかと」
刹:「それでは、」
鈴&刹「みなさま、よい一日を」