第二十一話 ミスった!
アグニによって模擬戦をさせられた次の日、朱音さんに連れられて戦闘訓練を受けに来たのだが、
「服を脱げ」
研究室に入ると同時にアグニにいきなりとんでもないことを要求をされました圭一です。
いきなりのことに僕は思考が停止してしまった。
What? 服を脱げですと?
少しの間お待ちください。
「いきなりなに言ってるんだあんたは!」
「そうだよアグニ! 女の子にいきなり脱げだなんて!」
朱音さんも文句を言う。まったく、うら若き乙女になんちゅう……ダメだ、たった一週間で僕の思考は女の子になり始めとる……
別のことでショックを受け僕はうなだれる。
「なにを考えてるのか知らんが調整をさっさとしたいんだが?」
はっ? 調整?
「この一週間と昨日の戦闘でわかった未調整部分が判明したからな」
な、なんだ……そうだよね。うん、
ちょっぴし安心した。
服を脱いで下着だけになって調整を受けるためにメンテナンス用のベッドに寝る。ちょっと自分の身体を見る。ピンク色の下着に包まれた若い女の身体なんだけど、興奮のこの字も出てこない。自分の身体ってこともあるんだけど、これって良いことなのか悪いことなのか……
「大丈夫。変なことされそうになったらちゃんと止めるから」
アグニが持つドリルを睨みながら朱音さんがそう言うと、残念そうにアグニはドリルをしまった。
……本気で付けるつもりだったのかな?
心配になりながらもアグニがパソコンに何かを入力すると、僕はスイッチが切られたかのように意識を失った。
「で、調子はどうかな?」
調整が終わってアグニが聞いてくる。
ぐっぐっと手を開いたり閉じたりしてみる。それから軽く準備運動。
「ん〜〜、何というか……よくわかんないかな?」
正直、この体の調子が悪かったのは最初の一日くらい。それ以降は前の体よりいいくらいで、良し悪しは言いづらい。
そうか。とアグニはつまらなそうに言う。
「と、返しとくよ」
そう言って、アグニが渡してきたのは……青く丸い結晶のペンダント? こんなの持ってた覚えは、
『おはようございますマスター』
ペンダントがしゃべった。しかもこの声は……
「蒼窮?」
『はい。このペンダントは私の携帯端末です。これを持っていていただければいつでもマスターと会話できますし、非常時に私を呼ぶこともできます』
へー、便利だなあ。
「どうすれば呼べるの?」
『はい、笛を三回鳴らしていただければ』
「……君はマ○マ大使か?」
そのネタを知っているってことにびっくりだ。アグニが教えたのかな?
『冗談です。必要な時に呼びかけていただければいつでも』
ふーん、なら……
「蒼窮、さっそくよろしく」
『イエスマム』
かっと蒼窮が光り、目が眩んだ一瞬で蒼窮を握っていた。
おお、しかも服まで戦闘用に……
タイトな服とスカートにジャケット。右腕にベルトが巻きつき両腕に手甲と頭にウサミミが装着される。昨日の要望通り白を基調にジャケットやスカートの縁などがアクセントとして黒くなっていた。
思った通りこっちがいいな。
「じゃあ、さっそく訓練に行ってみようか」
そう言って朱音さんが立ちあがる。僕はそれに着いていこうとならって、
「ああ、少し待ってくれ。その前にあれを調べて欲しいんだ」
そう言ってアグニが示すのは隅に置いてあるカプセル。中はぼんやりとしか見えない。一体なんなんだ?
「君と一緒に発見されたものでな、厄介なプロテクトのせいで何なのかわからない。だけど君なら何とかなるんじゃないか?」
同じ文明が作ったものなら少しは情報は引き出せるかもしれない。
「まあ、いいですよ」
そう答えてカプセルに近づき、
伸びるケーブルに躓いた。
げっ、やばひ。
朱音さんが慌てて椅子から立ち上がるが、もう間に合わない。ごん! と音を立てて顔からコンソールにぶち当たる。
っつううう!!
「ば、ばかー!!」
後ろから朱音さんに怒鳴られた。ど、どうしよ……も、もし危険なものだったら……
考えているうちにカプセルが開き、中から赤い液体が流れ出す。額を抑えながら顔をあげていた僕は頭から被ってしまった。少し生暖かい。
「わっぷ」
そして、液体を拭って目を開けるとカプセルの中に一人の女の子が入っていた。歳は多分五歳くらいの耳の長い小さな子。
綺麗な金髪で、肌にぴったり張り付いた白い服を着ている。
僕は立ち上がってその子に近づく。すると、その子はうっすらと目を開けて……
「マ……マ」
そのまま意識を失って倒れた。
僕は慌ててその子を抱き止めるのであった。
鈴:「新キャラ登場!」
刹:「といっても本格参戦は二話後だけど」
鈴:「圭一にとって重要な存在になる予定です」
刹:「それでは、また」