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エンジェルダスト  作者: 鈴雪
第二章 新しい生活
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第十三話 たくさん買いました。

 アニメイトに着いて僕はすぐに漫画コーナーに立ち寄った。

「あ、新刊出てる」

 そう言って僕は『戦女神セリア』という題の漫画を取る。内容は本に封じられた神ががパートナーとともに封印された邪神たちと戦う話だ。わりと好きな漫画で、現在三巻まで出ている。

「面白いの?」

 朱音さんが嬉しそうに聞いてくる。

「はい。すごく好きです」

 すると、朱音さんは小さく何かを呟くとひょいひょいと『セリア』全巻を入れた。はいっ?

「じゃあ、次ね、つぎ〜」

 ほけっとしている僕をしり目に、楽しそうに朱音さんはいくつもの漫画や小説を買い物籠に放り込むのであった。


 そして帰り道、車の中で僕は買った漫画と小説の入った袋を改めて覗き込む。

 半分は僕の選んだもの、残りの半分は朱音さんが『オンナノコらしさを学ぶため』といって買ったものだった。

 実際これらがどこまで参考になるかはわからないけど、朱音さんの気持ちはありがたかったが、

「あ、あの朱音さん、本当にこんなによかったんですか?」

 実を言うと、かなりの量である。四十冊以上はあるはずだ。なにせ、僕が好きだといったものは全巻買ってくれたのだから。なぜかある漫画と小説を取った時すごく嬉しそうだったのは覚えている。

「いいのいいの。どうせお金なんて腐るほどあるんだもの」

 ……いったいどのくらいあるんだろう? 今日だけでもそれなりの額は使ったと思うし、使用限度額無制限のブラックカードを持ってたりと、少し気になる。

 それから朱音さんが運転しながら聞いてくる。

「にしても、面白い? 『天使の約束』?」

 朱音さんが言った漫画の題は去年デビューした小説家兼漫画家である『黒瀬トワ』の小説。

 一人の悪魔の反抗勢力に狙われる青年のために一人の天使が護衛のため彼のそばに現れるというストーリーで、よくある内容であるが、綿密な世界観、魅力的で個性的なキャラクター、主人公が成長して行く様がわくわくさせる話となっている。

「はい、大好きですよ。特にアリス。彼女が好きなんですよね〜」

「そ、そうなんだ」

 そう言って朱音さんは恥ずかしそうにはにかんだ。どうして?


 家に戻ってすぐにいろいろ飾ってみる。まあ、飾ってみるって言っても、漫画やラノベを本棚に入れて、枕もとに目ざましと、壁にカレンダーを立てかけた程度だが、それでもなにかが違うように感じられた。

 無機質で空っぽな感じはなくなり、少しだけ、人が住んでいることを感じさせる部屋になった。そんな気がした。うん。私物があるって思ったより偉大だねえ。

 うんうん、と僕は頷きながらそのことを噛み締めるのであった。

 その後、僕は朱音さんの用意してくれた晩御飯を食べ、また風呂でがんばってから眠りに就くのであった。



朱「さて、なんでこんなに遅れたのか言い訳あるかな?」

鈴:「すいません。すいません。いろいろ忙しかったんです」

朱:「すいませんですめば警察はいらないんだよ?」

鈴:「すいませんでしたー! だからその物騒な釘バットしまってぇぇぇぇぇ!!」


感想お待ちしておりま〜す。

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