御伽噺 下
周りの娘達は、美しい魔女の事を良く思いませんでした
「貴女、何時も同じドレスで恥ずかしくないの?」
「舞踏会っていうのは、毎回違うドレスを着てくるものなのよ!」
娘達は嫉妬から魔女を責め立てます
困った魔女は途方にくれます。その前に小人が現れて、
『次は僕に何をくれる?』
魔女はもう交換出来るモノを何も持って居ません。魔女は困り果てます。そこで小人は
『じゃあ、王子と結婚して子供が出来たら、その子供を僕に頂戴?』
他に道が無かった魔女は、
「分かったわ」
こうして魔女はドレスを作り、舞踏会に出ては王子と踊り、やがて2人は結ばれて結婚します
魔女は王子との間に子供が出来ます。その子供には力が有りました。それは幸運な事に異形の望む、子供だったのです。異形はとても歓喜しました。そして、魔女の元を訪れて
『約束を果たしてもらいに来たよ』
子供を貰いに来ました。約束をスッカリ忘れていた魔女は、小人の出現により約束を思い出します。しかし、魔女は子供をとても愛しており、易々と子供を渡す気にはなれません
「今、私は妃です。貴女の望むモノをあげられる。この子以外で……」
『いや、僕は生きた子供が欲しい。どんなモノより……』
異形は魔女に襲い掛かり子供を奪おうとしましたが、流石は魔女、易々と奪われたりはしません。しかし、この異形は数多の魔女を喰らって力を得ています。魔女1人くらいなら、何とかなります。
『さぁ、大人しく渡せば貴女の命は取りません』
だって、まだ子供を産んでもらわねばならないから
突然、異形の前に王となった、かつての王子が立ちはだかります。その王だけでも強いのですが、魔女と共に挑んで来られた為、異形はなす術もなくやられてしまいます。深手を負った異形は山に逃げ延び、傷が癒えてから数年間、ジッと耐えて機会を待ちました。
そして、遂に機会がやって来たのです。王様と、その子供が一緒に出かけている時に、王は子供から少し離れてしまいました。
その隙を突いて、異形は子供を襲い、食べてしまいます。それに気づいた王様は激怒し、怒りのままに異形を殺そうとしましたが、この異形はほかの異形達と違って頭の回転が早い為、機転を利かし王様を扉の向こうに追いやってしまったのです。
しかし、異形は後悔しました。あの子供は、自分が今までで1番力を得られた食べ物だ。アレをもう一度食べたいが、当の王様は扉の向こうに追いやってしまった。どうしたものか……異形は悩みます。そして、閃いたのです
ーー魔女も向こうに連れて行こう。そういえば、向こうで子供を産んでくれるかもしれないーー
実行に移す為、2人が帰って来ず、途方にくれる魔女の元を訪れます。そして……
『お母様、戻りましたよ』
「あぁ、愛しい子よ……」
異形は魔女の子供に化けて魔女に接近します。普段の魔女なら気付いていたかもしれませんが、今の彼女は傷つき、藁にも縋る思いだったのでしょう。そして、異形は言葉巧みに魔女を騙して扉を潜らせて、向こうに行かせます。
そして、異形と成り果てた王様を見つけるのですが、王様にはもう、魔女を認識する知性は無かったのです。有るのは、自身の子供を殺された恨みのみ。
しかし、王様は恨みの対象である異形も認識出来なくなっていました。
魔女を認識出来ない王様では、此処で子供を作る何て出来ません。なので、次の手を考えます。それは……
『お母様。僕もこんな体になってしまいました。新しい体が欲しいです』
異形は変装を解き、魔女に言います。そして、言葉巧みに魔女を騙して、外の世界で体を作り、子供を産ませる様に仕向けます。
しかし、それは4度失敗しました。
1度目は、愛が無い為、他の男に魔女がなびいた為
2度目は、試行錯誤し、【永遠の愛】を与えて互いに愛し合わせたが、男側が他の男に殺されて
3度目は、お互い別々の道を歩んだ為
4度目は、他の駒も動かしたので、もう少しだったのですが、残念な事に想定外の邪魔が入りました。それは
『あの男の方に呪いを掛ければ良かった……』
ベルンハルトという、とんでもなく強い王子でした。使いやすさを考えて、敢えて王様の子供ではなく、その兄の子供に呪いを掛けたのが失敗でした
でも、良いのです。今回失敗しても、あの王子は魔女との間に子供が欲しいと言っていました。別に、力有るモノと魔女との子供なら、誰の子供でも良いのです。だから、待つ事にします。
あれだけ強い男と魔女の子供なら……
『とっても美味しいだろうね』
本当は100話、丁度で終わらせる気だったのですが……何処で計算ミスったんでしょう。
※この話は、とある童話がモチーフです




