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選択は2つに1つ

 

 細い道を進み、そしてまた広い場所に出た。そこは洞窟内部で遺跡内部なのに、とっても明るく緑も生い茂り、辺りには水辺も有る、とても綺麗な場所だった


「此処は扉が有った場所と似てるね」

「テンキちゃん⁉︎」


 辺りをボンヤリ眺めていると、頭上に影が差した。続いてヴィヴィちゃんの声が響く


「何をやっている」


 首根っこを掴まれ、引っ張られた。元居た場所を見ると、かなりの大きさの生き物が、大きな斧を振り下ろして地面が抉れているのが見えた


「ヒェ……」

「ボケっとするな。死にたいのか」


 首根っこを掴んでくれたのは、ベルンハルトだったらしく、ボケっと突っ立っていたのを叱られた


『あぁ、惜しかったな……残念だ』

「喋ったし……」


 その生き物は鎧を着て、手には2本巨大な斧を持っている。なんだか、とても強そうだ


「さて、どうするベル?」

「俺がやっても良いが……温存しておきたい。あの魔女の子供が居たら、苦戦を強いられるだろうからな。オレーシャ、ファリゴリ頼めるか」

「ガッテンだヨ」

「うむ」


 此処はオレーシャとピッチーが残り戦うらしい。やっぱり1人、また1人と居なくなってしまうのだな……


「テンキ、ヴィヴィ王女、帰ったらワタシのギター見てヨ。中々、上手くなったヨ」

「うん。楽しみにしてる」

「私も」


 若干フラグの様な気がするが、それを言い出したらキリが無い為、スルーする事に


「行って来い。気をつけてな」

「ピッチー……いや、ファリゴリも気を付けて。オレーシャも」

「名前を呼ぶなんて珍しいネ」


 2人は笑って敵の前に立ってくれた。敵は相変わらず、私達が話し終わるのを待ってくれる。親切かっ!


 そして、先に進むメンバーはシルヴォック兄弟と私だけになってしまった


「此処に来たメンバーだね」

「だね。皆んな無事だと良いけど……」


 ヴィヴィちゃんと私は別れた皆んなを心配していると、広い場所に出た。そこには男の人が1人佇んでいる


「ヴィヴィアンヌ、ヴィアンリ、ニキートビィチ、トシュテンヴェリン。お前達は自慢の兄弟だ」

「ベル? 突然、何。気持ち悪いよ」

「ヴィー……言い方。でも確かに気持ち悪いかも」

「ニキまで……」

「ははっ」


 兄弟達に向かって、ベルンハルトが突然言い出した言葉に、私も若干引いた


「……此処は任せる」

「成る程ね。了解しました」

「……ベルは僕らが、死ぬかもって思ったんだね」

「だから、柄にも無い事言ったの? 鳥肌立ったじゃない」

「同じく」


 上から、ニキートビィチ、ヴィアンリ、ヴィヴィちゃん、トシュテンヴェリンが言う。皆んな中々酷い事を言うな……


「んじゃ、行ってらっしゃい王よ」


 兄弟はベルンハルトに礼をして見送る。その姿を男人は、黙って見ていた。だから、親切か!




 広い場所を過ぎると、階段が有った。それは恐ろしく長い螺旋階段だ。見るだけで、気が滅入る

 それを、無言で登り始めるベルンハルト。いつしか、一緒に来た仲間達と別れ、此処には私とベルンハルトしか居ない


「不安か?」

「まぁね。ベルンハルトは心配じゃないの?」

「……さっきの男は叔父だ」

「えっ⁉︎」


 それって、かなりヤバイのでは? だって強かった王様を叔父さんが倒したんじゃ……


「戻った方が……」

「奴らは覚悟の上だ」


 そう言うと、スタスタと先に進む。置いて行かれる私


「ちょ、私体力無いんだから!」


 慌てて追いかける。


 半分くらい登った所で下を見ると


「うわぁ……たかっ」


 落ちたら、潰れたトマトになってしまう高さだった。一溜まりもないな……


「そういえば、何で力を温存するの? ベルンハルトならパパっとやれたと思うけど」

「想定外に、魔女の子供が強かった。出来るだけ、万全の状態で挑みたい」


 あのベルンハルトが此処まで言うとは……相当なのだろう。私も用心しようと思う


 ゼェゼェ言いながら階段を登りきる。そこは外の様で赤い空が見えた。というか、戦う前から体力減りすぎなんだけど……私、戦えないよ?


「遅かったね」

「誰かさんが、帝国で待つと言いながら待ってないからだろう」

「こっちにも事情が有ったんだよ。所でテンキ、大丈夫?」

「大丈夫じゃない」


 私はクタクタだ。何でこんなに長い階段が有るんだ。エレベーター作れよ。なんて無茶な事を考える


「お前はサルヴァトーレをやれ。俺はアッチだ」


 そうベルンハルトが言う。ベルンハルトが指差す方を見ると、何時ぞやの様に小さい奇妙な生き物が火の周りを踊っているのが見えた


「アレは儀式だ。止めてくる」


 そう言いベルンハルトは向こうに行ってしまった。私は、その場に座り込み休憩


「ちょっとタンマ」

「それ、敵に言う言葉ではないよ。君らしいといえば君らしいけどね」


 微笑むサルヴァトーレは何時もの笑顔の様にも見えるが、悲しげにも見える


「ねぇ、本気なの?」

「本気だよ。今更、止まれないし、止まろうとも思わない」


 そう言うと、サルヴァトーレは剣を構えた。私も立ち上がり、魔女に貰った剣を構える


「テンキ……知って居ると思うけど、魔女の器の役割は僕が死ぬと解放される。『対』でないと意味がないからね。だから、この場で僕を殺せば、君は解放され、自由だ」

「サルヴァトーレ……」


 この話は、創造の魔女から聞いていた。黄昏の魔女は、自身の器と旦那の器を作り上げるが、片方の……旦那の器が死んでしまえば、自身の器を捨てるそうだ。対でないと意味がないから。だから、私が此処でサルヴァトーレを殺せば、私は自由。私がサルヴァトーレに殺されれば、ジ・エンド。






 選択は2つに1つ


愛を選んで(愛しい人に殺されて)死ぬ】か【愛を捨てて(愛しい人を殺して)生きる】かだーー

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