1人、1人居なくなって行くやつ
遺跡には、彼処に居た全員が一緒に行く事になったので、道中にマルビナとオレーシャ、ヘタレに声を掛けられた。
「アントニエッタとノエリアの事は聞いたよ」
「アイツは、使命を全うしたんだ。誇りに思ってやれ」
「そうだヨ。中々出来ない選択だったヨ」
その近くにヴィヴィちゃんがやって来て、少し話す。2人居なくなってしまったが、やはり、このメンバーが落ち着く。
「悲しい知らせは、まだ有るんだ」
「そうだった。ディムオブヂィクトゥが群がって居る場所から生徒を避難させる為、先生方が戦ったんだが……フラビア先生が殉職なされた」
「……そんな」
生徒を逃す為、ウォープロを張り続けた先生だったが、ウォープロが割れて……還らぬ人となった
「他の先生方も犠牲になって……」
「でもメーやんは無事ヨ」
「そうそう。メーやん、めちゃくちゃ強かったんだ。一瞬、イケ爺に見えたよ」
「そうねー。イケ爺だったわね」
「うむ」
メルキアデス先生は実は強かったらしい。群がる敵をバッサバッサと斬り倒していったと皆んなは語る
「此処だ。此処が遺跡だ」
ベルンハルトの言葉に話すのを止め、そちらに視線を移すと
「何コレ⁉︎」
「スゲェ……」
誰もが絶句。それもそのはず、其処はコルマンドの一角、住宅街の真下。其処の水だけが抜けたのか、地下に巨大な遺跡が出現していた。遺跡の周りは滝の様になっており、此処からどうやって降りて良いか分からない
「此処は普段は水が張られ遺跡の姿は見えないが、水が抜けて水没していた遺跡が姿を現した」
「これ、どうやって行くの?」
「アレだ」
ベルンハルトの指差す方を見ると階段が有った。其処は親切設計なんだね
「行くぞ」
ベルンハルトに続きゾロゾロと階段降りて行く。下に着き、上を眺めると絶景だった。それを口を開けて見ていると後ろから、誰かに頭を叩かれ動く様に促された
中は予想より広い。そんな中をひたすら歩いていると、後方でガヤガヤと聞こえてきたので振り向くと、ディムオブヂィクトゥの軍団が武器を構えてコチラを狙っていた。
「どうする?」
「此処は別れよう。この数なら、私とアンセルモ、イニャキでどうにかなる」
「任せて大丈夫かい?」
「ニキ……心配か? お前らしくないな。大丈夫だ。後は任せた。ヴィヴィ、どうか無事に戻って来てくれ」
「ロド……」
話に付いて行けてなかった私だが、漸く理解した。フセフォーロド王子とヘタレ、オカマが此処に残り、奴らを食い止めるらしいと……
「これ、アレじゃん。1人1人居なくなって行くやつだ! 前に【模擬戦争】で有った奴だ!」
今回は遊びじゃないだけに、洒落にならない。
「お前は変わらないな……そんな所が良いけど」
ヘタレが私を見ながら言う。
「なぁ、お前が無事に帰って来たら言いたい事が有るんだ」
「ねぇ、知ってる? それフラグって言うだよ?」
ヘタレが何かフラグぽい事を言っている。私、無事に帰って来れるだろうか?
「お前は……」
呆れた顔をしたヘタレだが、急に顔をキリッとさせて敵に向き合う。私達が話している間、敵はご丁寧に待ってくれていた。案外親切だね
「では、またな」
「またね」
「あぁ」
この場に3人を置き、私達は先に進んだ。
暫く進むと広い空間に出た。其処は奥深くまで、続く空洞。そこには
「何アレ……虫?」
辺りを巨大な虫がブーンと言う音を立てて徘徊しているが、まだコチラには気づいて居ない様だ。
「彼処に道が有るけど、流石に数が多いね」
ニキートビィチの言う通り、数が尋常じゃないうえに、羽根まで持っている為、空も自由自在。どう乗り切るか……
「燃やす?」
私なら問題無く燃やし尽くせそうだが
「此処は崩れてやすい。それに、その騒音で敵が集まってくる。あまり派手な事はしたくない」
言われて辺りを見ると、所々にヒビが入り今にも崩れて来そうだった。確かにコレなら私の魔法は使わない方がいいな
「私に任せろ」
「マルビナ?」
そう言うとマルビナは服を脱ぎ出した
「何事⁉︎」
「まぁ、見てろって」
次の瞬間、マルビナの背中に羽が生えた。マルビナは鳥族だ。出そうと思えば羽を出せる。私は思わず羽を触る
「フカフカだ!」
「あまり触るなよ。形が崩れるだろ……」
私とヴィヴィちゃん、オレーシャで羽根をフカフカと触って居たら、マルビナがベルンハルトに向き合あい、言った。
「あまり派手にしたくないんだろ?」
「あぁ」
「なら、私の出番だな」
マルビナは羽根を3枚抜いて、私達に渡す。そして、 私達の頭を撫でてハニカミ、
「短い間だったけど、楽しいかったぜ!」
飛び立ってしまった
「マルビナ⁉︎」
全員 (ベルンハルト以外)で驚くなか、敵はマルビナ目掛けて奥の方まで飛んで行ってしまい、辺りは静寂に包まれた
「マルビナ……」
「無事に戻って来れると良いけど」
「縁起でもないヨ」
私達は貰った羽根をポケットに仕舞い、マルビナのお陰で出来た道を進む
「マルビナは戦士の家系ヨ。だから命の重みを知ってル。命を捨てる覚悟も有ル。戻って来ないかもしれないネ」
オレーシャがポソっと溢した言葉に私は不安を覚えた




