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楽しい日々

※注意

 

 ベルンハルトが斬りかかり、私が魔法を出して応戦するが、流石は魔女。傷1つ付かない


「これ、勝てる?」

「扉さえ、どうにかなれば勝てる」


 扉を閉めさえすればっと簡単に言うが、扉を閉めるのには生贄がいる。そんな簡単な事ではない


『ウフフフフッ! アハハハハッ!』


 高笑いをしながら、尋常じゃない攻撃を仕掛けて来るが、それをベルンハルトが全て防ぐ。流石だ


「これ、私要らないんじゃないの⁉︎」


 ほぼ、ベルンハルトと黄昏の魔女の一騎打ちと言っても良い


「ギャーー!」


 言った側から、魔法が飛んで来た。どうやら魔女の攻撃だったらしい


「奴はお前を狙ってるんだ。あまり離れるな」

「すんません……」


 ベルンハルトに引っ付いて、攻撃出来る隙を伺っていると、急に城全体が揺れ、城の1部が崩れ始める


「何事⁉︎」

「皇帝の攻撃に城が耐えられないんだ」

『向こうは随分と派手にやっているのね……』


 向こうに視線をやると、大砲なんかも取り出して、ド派手に戦っているのが見えた。しかし、皇帝にダメージは行って居ない様にも見える。


「アレって、倒せるの?」

「魔女よ。アレも、扉からか?」

『然り。アレは、あのお方が力をお貸しになられているの』


 あの方とは、かつてのシルヴォック王の事だ。


「やはり、扉か……」


 ベルンハルトがボソッと呟いた……





 何度も斬り掛かり、何度も魔法を撃つが、全て防がれる。これではキリがない。向こうも同じな様で、進展しないまま、犠牲者だけが増えていく。


「ベルンハルト様。(わたくし)に任せて下さいますか?」


 何故か近くに来て居たアントニエッタがベルンハルトに言う


「アントニー?」

「良いだろう」

「ありがとうございます」


 嬉しそうに微笑むアントニエッタに嫌な予感を覚える


「アントニー待ってッヅ! イタ……」


 余所見をしていたら、魔女の攻撃に当たってしまった。


「余所見をするな。死ぬぞ」

「分かってるよ……」


 私は魔女に向き合いながら、アントニエッタの様子をチラチラ伺う


「では、ベルンハルト様、御機嫌よう。後は頼みました」

「あぁ」

「そして、テンキ。短い間……ほんの1年の間でしたが、楽しい日々でした。心からお礼を申し上げますわ」

「アントニー?」


 ベルンハルトが私の前に立ち、攻撃を全て防いでくれている間に私はアントニエッタと話す


「貴女は、これからもっと大変だと思いますが、持ち前の明るさで乗り越えて下さいな」

「待ってアントニエッタ。なんだか、お別れの挨拶みたいに聞こえるんだけど……」

「……私は皇女。王族として、責任を取らねばなりません。ですから、此処でお別れですわ。お元気で」


 アントニエッタはそう言うと、私に愛銃を渡した


「ちょっ!」

「これあげますわ。まぁ、そのうち扱える様になるでしょう。ノエリア! マルベリー大佐! 行きますわよ!」


 そう言うと、アントニエッタは何処かに走り去って行く。ノエリアが私の方を向き、一瞬微笑むとアントニエッタの後を追って行ってしまった


「アントニエッタ? ノエリア!」

「よせ。コレは奴が決めた事だ。それに、これ以上は抑えられない。攻めるぞ」


 ベルンハルトの方を向くと、額から汗が流れていた。コイツでも、汗ってかくんだ……っと謎の関心を覚えた




 私達の戦いは苛烈を極めた。

 城のあちこちは崩れ、辺りは魔女の高笑いと皇帝の唸り声、人々の奇声や怒声、悲鳴が響く。


 突然、手元の腕輪から音が聞こえて来た。攻撃の隙を見て、腕輪の方を見ると……


「アントニエッタ……ノエリア……」


 アントニエッタとノエリアの魔力結晶が割れていた……何処かで分かっていたのだ。さっきが最後だと。今から居なくなるのだと。でも認めたくなくて、気付かないフリをしていた。


『……っ。よくも……扉を。彼処は厳重に守っていた筈よ? 連中は何をしていたの!』

「魔女の攻撃が緩まったーー。扉が閉まったか……押し切るぞ」

「……」

「……何をしている?」

「ううん。ゴメン。早く終わらせよう」


 魔女はランシーヌの魔力でしか戦う事が出来ず、皇帝の攻撃は威力が格段に落ちた。コレならば何とかなりそうだ。


『チッ。この体は魔力が少な過ぎるわ。何が良い器よ。有ったのは、憎しみだけ。あの男め……』

「ランシーヌをそんな風に言わないで!」


 私は【創造の魔女】に貰った剣を出し、構える


『……⁉︎ それは姉様の。そう、姉様……』


 悲しげな表情を浮かべる魔女は一瞬隙が出来た。その隙にベルンハルトが魔女の前方から、胸に剣を突き刺した


『がっ! よくも……でもね、コレで私は倒れないわ!』

「ゴメンね、ランシーヌ。貴女の想いに気づいてあげれなくて……本当にゴメンね……」


 私は背後から、その剣を魔女(ランシーヌ)に突き刺したーー









「さよなら、ランシーヌ」


 私の呟きが聞こえたのか、ランシーヌは少し微笑んだーー

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