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異論は認めない

 

 自力でどうにかしようと思ったが、どうにもならなかった。


 敵はニタニタと気持ち悪い笑みを浮かべては頭を振り回し攻撃して来る。それを防ぎ、火を吹いては頭で防がれ、水を出しては防がれを続けたが一向に勝てる感じがしない。


 敵の攻撃を【ウォープロ】で防ぐが、相手の攻撃の威力が強すぎて【ウォープロ】ごと後方に吹き飛ぶ。


「……っ」


 壁に打つかり止まった。慌てて態勢を整える為、立ち上がろうとすると頭上に影が差した。見上げると、敵の頭が真上から叩き落とされる寸前だった。


 ーーコレは死ぬなーー


 死ぬのはマズイ筈だが、これはどうにもなりそうにも無い。覚悟を決める


 そうだ。一層事、形も残らず木っ端微塵になってしまえば、体が取られる事は無いのではないか?


 そんな疑問が頭を過る中、死を覚悟し目を閉じたが……


 痛みと衝撃は来なかった。そっと目を開けて確認すると……


「……ベルンハルト」


 ベルンハルトが敵の頭を片手で抑え、悠然と立っていた。


「無様だな」

「仕方ないじゃん! コイツに攻撃が通用しないんだよ!」


 ベルンハルトの登場により、私は心から安堵の表情をした。だって、コイツが来れば安心だから……


 ベルンハルトが、敵の頭に力を込めると、頭が苦しげに呻き出す。そして


「うげぇ……」


 頭がブクブクと膨らんでいき、終いには肉片を撒き散らして破裂、辺りは血の池になってしまった


「やっぱりコイツがラスボスだわ……」


 異論は認めない。


「ヴェンとアントニエッタはどうした?」

「あ! トシュテンヴェリンがエレベーターで下に落ちた! アントニエッタは巨人に攫われて、ノエリアは後を……ヴィヴィちゃんは⁉︎」


 私は捲したてる様に言い、ベルンハルトの右肩辺りを掴むと、ヌルッとした感触がしたので確認すると


「……え?」


 血が付いていた。手を呆然と眺めた後、ベルンハルトの肩辺りを見る。その肩部分の服は破けて血が付いていたが、傷は無かった


「傷は治した。問題ない」

「え……? ベルンハルトって血が出るんだ」

「俺を何だと思っている」


 心底心外だという顔をされた。だってコイツが怪我をするとは夢にも思わないので、仕方ないと思う。しかし、コイツが怪我をするなんて相手は誰なのだろうか?


「あの小さい生き物にやられた」


 よく見かける、小さい生き物が相手だったらしい。あの生き物、そんなに強かったのか……


「ヴィヴィも心臓を抉られた」

「……ヴィヴィちゃん……そんなっ……」


 そんなヴィヴィちゃんが……あまりの衝撃に立ち尽くす


「あ、居た居た。テンキ無事?」

「テンキちゃん。良かった……」

「え? ヴィヴィちゃん?」


 向こうから、ヴィアンリとヴィヴィちゃんがやって来た。その後ろに3つ子ズの2人と、ニキートビィチも居る。


「え? ヴィヴィちゃん……心臓が」

「あ! そうだった! テンキちゃんのお陰で助かったの。コレ貰ってたから」


 そう言うとヴィヴィちゃんは懐から何かを取り出し、私に見せてくれた。それは、前に私があげたピアスの残骸だった


「抉られて死んじゃった、直後に心臓が再生したんだよ。この魔力を全部使ってね」

「コレが無かったら、私そのまま死んでたよ。ありがとう。でもゴメンね。これ割れちゃった……」

「良いよ全然! でも良かった。結晶が割れた時、焦ったもん」


 私は目を潤ませながらヴィヴィちゃんに抱きつく。手がベルンハルトの血で汚れていたので、背中に手を回りした時にヴィヴィちゃんの服に血が付いて、汚れてしまったが構ってられない。ヴィヴィちゃんの服で手を拭いた訳では無いよ。偶々だ。本当だ。

 その証拠に、ヴィヴィちゃんの胸辺りに付いていた血が私の服にベッタリ付いた


「何か有ったのか? 感動の再会?」

「あ、ヴェン。何処に行ってたの? 処で何でそんなに血だらけなの? 怪我した?」


 ヴィアンリの質問攻めに、血だらけのトシュテンヴェリンは


「してない。ここから下まで落ちたから、慌てて階段を駆け上ってくる途中で、上から大量の血が降ってきてな……被った」


 多分、それはベルンハルトの所為だろう。ベルンハルトが敵の頭をパッンとしたから、血が辺りに飛び散り、下の階に居たトシュテンヴェリンに降りかかったっと思われる


「で、何で抱き合ってるんだ? 禁断の恋?」

「違う違う。さっきヴィヴィが死んだから、生きてる喜びを分かち合ってるんだよ」

「ヴィー。もうちょい、分かりやすく説明してくれ」


 今更だが、トシュテンヴェリンは無事だったらしい。アレは絶対に死んだ! っと思っていたが、案外しぶとかったらしい。良かった!


「あ、そうだ。アントニエッタが攫われた!」

「知ってるよ。外に居る、大きい奴だろ?」


 ニキートビィチが指差す方を見たが、壁が有るだけで何も見えない


「そんなに大きいのが居るの?」

「うん。それはもう、この城より大きいのがね」

「わーお……」


 それは、早くアントニエッタを助けに行かねば。


「所でサルヴァトーレは?」


 トシュテンヴェリンの問いにニキートビィチが答える


「彼は此処には居ないよ。恐らく、ヴィエールだろうね」





 なん……だと……

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