エレベーターの妖精?
アントニエッタがパーティーに加わり、4人になった私達は急いでみんなと合流する事に
ノエリアのお父さん達は多分、最上階に居ると思われるので、最上階に行けるエレベーターに乗り最上階を目指す
「これに乗れば良いの?」
「そうだが……可笑しい。このエレベーター変な動きをしている」
言われて階を示す表示板に目を移すと
「何これ」
「こりゃ、エレベーターは止めた方が良いな。他を探そう」
「なら階段しか有りませんわ」
表示板は5階を示した後、4階、3階、そして3階に戻り、4階から、また2階へ。次は5階まで登り不規則に動いている。まるで誰かがエレベーターの線を引っ張って遊んでいるかの様だ。確実に何かエレベーターに住んでいるな……因みに今は6階だ。最上階は12階
「階段か……」
ゲンナリした……
階段を登りながら、アントニエッタに質問する
「アントニーは何で捕まってたの?」
「それは……お父様に歯向かったらのですわ。もう止めてくださいっと」
「そうすると、皇帝陛下はお怒りになり、皇女様を事が終わるまで閉じ込めると言い出して……」
なるほど……納得した
階段を一生懸命に登り、やっと最上階に着いた。途端にエレベーターは凄い速さで最上階までやって来て、ドアが勢いよく開いた。
「え……」
「うわぁ……」
中からエレベーター内と同サイズの顔がコンニチハしていた。デカっ
「コレは……何? エレベーターの妖精?」
「俺に聞くなよ」
「私の城に、妖精なんていません! それにコレは妖精ではないでしょう!」
その顔はケタケタ笑いながら、這いずって出て来た。なんだか気持ちが悪い。顔の割に身体は、かなり小さく顔を引きずりながら進んで来る。
「ヤッベー……どんでもないのに会っちゃた」
「コレ、何処が弱点だ? 頭でいいのか?」
あまりの衝撃に呆然と見て居ると、顔を引きずりながら来て居た生き物が動きを止めて
「うわぁ⁉︎」
「ちょっ⁉︎」
首が伸びて、鞭の様に顔で攻撃して来た。そういう使い方するのね
「首を切り落とした方が早いか?」
「そうですわね」
全員、武器を取り出して戦闘態勢に入る。トシュテンヴェリンとノエリアが前で私とアントニエッタは後ろから援護なのだが、前に人が居ると魔法が、まともに撃てない私はどうしたら良いのだろうか?
「ちょ、ブンブン振り回して来て危なすぎ!」
「気合いで避けろ」
「気合いで避けれるか!」
頭は思ったより硬く、剣も銃も魔法も通じなかった。
「どうやって倒すの⁉︎」
「兎に角、首を狙え!」
トシュテンヴェリンは大声で私達に指示をする
「リーダー! 頭が動きまくりで首が狙えません!」
「気合いで狙え」
「また気合い⁉︎」
アントニエッタは銃で細い首を狙うが、全て頭が防いでしまう。他の2人は頭に邪魔をされて首まで行けて居ない。
私は、火を吹いて応戦してみるが結局、顔に阻まれて、どうする事も出来ない
「コレでは、どうしようも……」
「テンキ! 奴の動きを止めれるか?」
「やってみる!」
口から【氷系魔法】を吹き出して、敵の足元を凍らせ、体の動きは封じたが、まだ首が残っている
「テンキ、顔に出来るだけ攻撃を続けろ! その隙に俺が首を落とす!」
「イエッサー!」
口から最大出力で《火炎放射》をぶっ放す。大きな顔と押し合いになる。その隙にトシュテンヴェリンが首を落とす為に接近する。
不意にパリンという小さな音が聞こえた。その小さな音が聞こえた方をチラリと見ると……ヴィヴィちゃんの魔力結晶が砕けていた……
「……っ⁉︎」
あまりの衝撃に動揺してしまい、私が吹いていた火の威力が弱まった。その隙に、敵の顔の向きが変わりトシュテンヴェリンを吹き飛ばす。私の吹いていた火は相手を無くし、辺りに四散、相手の動きを封じていた氷を溶かし敵を自由にしてしまった
「トシュテンヴェリン!」
転がっていったトシュテンヴェリンはエレベーターの中に入って行ってしまった。それを見た、顔の大きな敵はエレベーターに頭をぶつけてエレベーターを壊す。壊れたエレベーターは重力に従い下に落ちる。トシュテンヴェリンを乗せたまま……
「なっ⁉︎ どうしよう!」
遠くで轟音が聞こえてくる。エレベーターが下に落ちた音だろう。動揺して攻撃の手を止めていると
「トシュテンヴェリン様なら大丈夫ですわ! 今は信じなさい! それよりーー! キャーーー!」
「アントニー⁉︎」
「皇女様!」
急に外から大きな手が伸びて来て、アントニエッタを掴み何処かに行ってしまう。それを追ってノエリアも此処を離れた為……
「そして誰も居なくなってしまった……これどうするよ……」
ヴィヴィちゃんの所に一刻も早く行きたいが、落ちたトシュテンヴェリンも気になるし、連れ去られたアントニエッタも心配だ。しかし、目の前の敵は待ってはくれない。首を長くしてニヤニヤしながら、迫ってくる。此処は1人で切り抜けるしかない
私は覚悟を決めて、相手に向き合った……




