別行動
「うげ……」
「子供だろうな」
暫く歩くと道の端々に子供の物と思われる骨が多数有った。その骨の中を進んで行くと扉が見えた。この通路に降りて来る時と同じ扉なので……
「此処が出口?」
「そうだ。此方は鍵がかかってないな……」
どうやら、さっきの生き物は本当に此処から子供を攫っていた様だ。
因みに、さっきの生き物はベルンハルトが瞬殺をかました。もう、本当に一瞬だった。チリ1つ残す事なく消し炭にした。流石だ。
憶測だが、さっきの顔が沢山有る生き物を彼処の通路から出さない為に、チェーンソーを持った巨大な生き物や髪の長い女の人が居たと思われるとニキートビィチが言っていた
扉を開けて上に登って行く途中、異臭が鼻を突いた
「何の匂い?」
「人の死臭だ」
近くにいたベルンハルトに尋ねると、とんでもない回答が返ってきた。
「これだけ酷いと生存者は絶望的だね」
「……うん」
双子は何やら、重い表情で話している
「ノエリー、そんなにマズイ?」
「私が此処を出た時は、人っ子1人居なかった。ただ、残骸が転がっているだけだ」
聞いて後悔した。外に出るのが、とても恐ろしい
「大丈夫。私が付いてるからね」
そんな私の心情を悟ってくれたのか、ヴィヴィちゃんが手を握ってくれた。とっても嬉しい。幸せだ
「ノエリアは良く此処を無事に出られたね」
「父上と叔父上、お爺様が手を貸して下さった。多分、今は城に居ると思う。合流しよう」
城に向かい、ノエリアのご家族に挨拶をしに行く事になった。因みにノエリアの御家庭は先祖代々から王族に使える家系らしく、そこの娘であるノエリアは同い年のアントニエッタに幼少の頃から付き従って居るらしい
「お話は終わり。外に出るよ……匂いがキツイな。鼻が捥げそう」
シルヴォック勢は顔を顰めて、眉を思いっきり歪めているが、私とノエリア、3つ子ズの2人は、そこまでキツくはない……と思ったが、外に出た途端に吐きそな匂いが鼻を刺激した
「これ……」
「腐敗も凄い」
鼻を抑えながら、辺りを見回すと恐ろしい光景が広がっていた。
そこは地獄だった。空は赤く染まり、地面も赤い。建物は瓦礫と化し、屍が散乱し生きて居る者は誰1人として居ない。居るのは……3本指の生き物だけだった
『此処にも居た……殺せ!』
見つかった途端に『殺せ、死ね』コールが辺りに響き、ディムオブヂィクトゥが多数襲ってくる
「邪魔だ!」
それを、少々機嫌の悪いベルンハルトが瞬殺し、辺りは静寂が訪れた
「……流石」
「行くぞ」
機嫌が悪いのは、この臭いの所為だろうか?
城に着くまでに出て来た敵は、ほぼベルンハルトが薙ぎ払ったので、問題なく城まで着いた。
まず、最初に軟禁状態のアントニエッタの解放、その次はノエリアのご家族にご挨拶で、その次が、いよいよラスボス戦に突入という流れの予定だったが、
「じゃあ、アントニー探しに行こう!」
「じゃあ、僕達は叔父上かな?」
「え、これ別行動な感じ?」
予定が変更された。
この敵陣ど真ん中で別行動? 確かに効率を考えれば、別々の方がいいが……考えている内にベルンハルトとニキートビィチは何処かに行ってしまった。薄情だ。
「じゃあ、僕とヴィヴィと3つ子ちゃん? 今は双子の方が良い? まぁ、良いや。取り敢えず、2人と一緒に魔女探しだね」
「テンキちゃん気をつけてね。ヴェン、テンキちゃんをよろしく」
「任せとけ!」
そう言うと、トシュテンヴェリンとノエリア、私を残し皆んな去って行った。此処でお別れかよ……何の為に皆んなで力を合わせて、ここまで来たのか分からないな……横に居るノエリアも呆然として居る
「そんなに不安がらなくてもベルが大丈夫と判断したんだから大丈夫だ。まぁ、ベルが居なくて不安かもしれないが、お兄さんが付いてるからな!」
「第4王子の方が誕生日後だからね」
ツッコミも、そこそこに取り敢えず、アントニエッタを探す事に……
「何処に居るか分かる?」
「大体はな……しかし、彼処はロックが掛かって居て、入れない。やはり、先に父上達を探した方が良いな」
「大丈夫だって! 何とかなる。取り敢えず、アントニーの所に行ってみよう」
向かう途中で敵と遭遇したが問題無く突破し、目的のアントニエッタ部屋に到着した。
「此処だが……やはり、厳重な扉だ。壊せない」
「ロックを外すには、カードが必要なんだろ? 何処に行ったら有る?」
「王か、その周りの使用人か……だな。だが、言った所で渡してくれる訳が……テンキ? 何をしているんだ?」
私は2人の会話を聞きながら、ロックしている機械を工具で外し、中の線を引っ張り出した。
「何してるんだ⁉︎ これじゃ、カードを持って来ても開かないだろう!」
「大丈夫だって、此処をこうして……あ、」
ガチャっと言う音と共にロックが外れ、扉が開いた
「お前は何処でそんな技術を習ったんだ!」
「夏休みに怪しげな感じの人に教えてもらった」
「そんな人に教えてもらうなよ……」
呆れ顔のトシュテンヴェリンは放置して、中を覗きアントニエッタの無事を確認する
「ヤッホー! 囚われのお姫様を助けに配管を潜ってやって来たよ!」
「騒がしいと思えば貴女でしたの?」
若干眠たそうなアントニエッタを発見。ベットの上に座っているので、さっきまで寝ていたのかもしれない。呑気だな!
しかし、これで私達の任務は終了。これから、ノエリアのご家族に挨拶をしに行く
「レッゴー!」




