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きっと来るよー

 

 転がり落ちる中、私は混乱する頭で、どの魔法を使えば助かるか考える。しかし、混乱した頭では良い案は浮かばない


 コレはマズイな……しかし、私は死ぬ訳にはいかない


 急に襟首を掴まれて、前の席に引き摺り込まれ、そのまま抱き込まれた





「イター……」


 車が下まで落ちたのか、動きが止まる。


 私の目の前は真っ暗で、どうなっているか分からないので、この真っ暗から脱出しようと藻搔いていると、急に視界が明るくなり、目の前にベルンハルトが居た。どうやら、助けてくれた様だ。

 辺りを見回すと車内はグチャグチャになっており、皆んながどうなっているか分からないが、この運転席だけは、ほぼ無傷だ。目の前の男も無傷だし、服に汚れすら無い。どうなってるの? サイボーグ?

 自分を見ると、髪はボサボサになっていたが、傷は無かった。目の前の男のお陰だ


「ありがとう」

「お前に死なれる訳にはいかないからな」


 そう言うと、ベルンハルトはドアを蹴り飛ばし、私を抱えて外に出ると……その辺に私をポイっと捨た


「イタっ!」


 打ち傷がプラスされたので無傷ではなくなった。最近、私の扱い雑過ぎないだろうか? いや、最近じゃないな。元から雑だった……


「大丈夫?」


 後ろから声が掛かり見てみるとニキートビィチが居た。コイツも無傷なんだが……

 ニキートビィチの後ろから、傷だらけのリスチーヌが現れた。どうやら、ニキートビィチはリスチーヌを救出してくれて居たらしいが、ニキートビィチは無傷でリスチーヌは傷だらけなのは如何なモノか……


「他の人は?」

「さぁ? あの中じゃない?」

「助けてやれよ⁉︎」


 無責任な、ニキートビィチは助け出す気無しで、ベルンハルトは言わずもがな。


「と、兎に角、出してあげなきゃ!」

「そうだね。後ろの2人は宛にならないし、私達だけでどうにかしようか」


 私とリスチーヌで他を救出しようと覗き込むと、ドアが1つ吹っ飛んだ


「きゃっ⁉︎」

「何事⁉︎」


 見ると、トシュテンヴェリンが、アルレーヌとノエリアを抱えて脱出していた。


「大丈夫?」

「何とかな……」

「助かった。礼を言う」

「ありがとうね」


 お礼の言葉に頬を掻いて照れるトシュテンヴェリンは若干怪我を負っているが、そこまで酷くはない。しかし、2人は傷だらけだ。手当しないと


「これで全員?」

「1番最後みたいだね」


 ヴィヴィちゃん達、双子も無事出て来た。2人も若干の怪我で済んでいる。流石、シルヴォックだ



 怪我をしている面々を私とヴィアンリで治療に当たる中、他のメンバーは地図片手に作戦会議


「テンキちゃん凄いね。あの衝撃で、怪我してないなんて……」

「本当だねー」

「守ってもらったんだよ」


 3つ子ズの2人の言葉に自分を見下ろしてみる。無傷だ。あの時、助けてもらえてなかったら、死んでいただろうか?


「何で襲って来たのかな?」

「私の所為?」

「多分、人だからだろう。奴らは人を襲う生き物だ。恐らく無差別だと思うが……」


 なら良かった。私を狙って来ていたのかと……それで巻き込んで怪我をさせてしまったのなら申し訳ないでは済まされない


「此処に居れば、奴らが追ってくる。早く移動した方が良い。この先に今はもう使われていない施設が有る。そこの施設の地下には王都の中心に続く通路が有り、そこを通れば直ぐに着く」


 ノエリアは地図を指差して言っている。何でも、そこの施設は数年前までは何かの実験施設だったらしい。そこで、実験台にされて命を落としたモノの霊的なモノが出るらしく、滅多に使われる事がないらしい


「案内しろ」

「マジで⁉︎ そこ通るの? 祟られるよ? 呪われるよ?」

「お前はもう呪われてるだろう。それに、もう夜だ。夜は奴らの動きも活発になる。首都にはディムオブヂィクトゥが多くいるのだろ?」

「此処もマズくなる。急いだ方が良いね」








「此処だ。此処の地下に通路が有る」


 ノエリアの案内で着いた施設の中に入る。中は真っ暗で気味が悪い


「偶に奇妙な呻き声や笑い声が聴こえて来るらしい。気をつけろ」

「それって……きっと来るー、的な何か?」

「……」


 ノエリアは黙って、そっぽを向いた


「何か言って⁉︎」

「うるさい!」

「黙ってろ」


 怒られた……解せない


「普段は人は近寄らないが、今回は仕方ない。さっと通るぞ」

「人が近寄らない時点でアウトだ。これ出るヤツだ」


 横をみると明らかに何かの実験をしていたであろう、実験台が……


「何だが寒くなって来たね」

「こ、怖い」

「大丈夫だ。只の噂だ」

「何の噂?」


 後ろの女の子達は怯えきっているが、男性陣はそれをスルーし先に進む。薄情者! 此処にヘタレでも居たなら、和んだだろうに……肝心な時に居ないな


「昔、此処である実験が行われていた。内容は、人と動物を掛け合わせて、新たな人種をっつ⁉︎」


 何処かでパリッンっという音が聴こえてきた。コレはあれだ。


 きっと来るー♪ なヤツだ。きっと来るよー





 私は1番強いベルンハルトの近くに寄る。コレで、襲って来られても安心だ。見捨てられそうだが……

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