はい、モッシー! 今、忙しいから後でね!
マルビナの奥に、高層ビル並みに大きいモンスターが居た。色は全体的に紫色で口がデカく図体もデカい。口の中に有る牙も大きく、齧られたら一溜まりもないだろう。目はグリグリしていて……
「何アレ? 怪獣? あ、あの生き物……指が3本だ」
大きな手が有り、その指の数は3本……もしかして
「今、軍の人達が懸命に戦ってるけど、海の上だから思うようには行ってないらしい。これは時間が掛かるな」
「船の上で戦わないとだもんネ」
言われて其方に目を向けると、確かに軍の人達は船で戦っていた。大砲なんかも使っているので、迫力が凄い。
都市内では、避難所に避難する様に放送が流れ始めた
「おい、何かコッチ見てないか?」
「確かニ……」
「おいおい!」
「ヤバイんじゃないか?」
軍に向いていたモンスターの視線が此方を向いたので、辺りがざわつき始めた。
「あれ……やっぱり私かな?」
ボッソっと独り言を言ってみたが、誰にも拾われる事は無かった。しかし、怪獣は私を見ている様にも見える。すると、怪獣は大きく口を開けて……
「ちょっ⁉︎」
「えっ⁉︎」
コッチに向かってビームの様なモノを噴射して来たので、慌てて 【ウォープロ】を張り攻撃を防ぐ
「あぶねー」
さっきの攻撃により、身に危険を感じたのか、野次馬の殆どがワーワー言いながら、展望台から去って行った
「僕らも、行った方が良いんじゃないか?」
「大丈夫だって! コイツが居るから」
「私? そこまで頼りにされても……」
さっき攻撃して来た生き物は、もうこちらに興味が無いのか軍の人達に向き会っているので、安全だと判断し観戦を続けた。
暫く軍の人達が攻撃を続けていると、怪物は血を撒き散らしながら、海に潜った
「死んだ?」
「生きてるト、思うヨ?」
「海が真っ赤になってるな……」
どうやら、謎の生き物は引いた様だ。安心して、帰ろうとすると
『グゥルル』
「ふぁっ⁉︎」
私達の目の前に、外で戦っていた巨大生物の小さいバージョンが3匹、崖をよじ登って現れた。小さいと言っても私達より少し大きいくらいだが
しかし、外に居た巨大な生き物とは違い、手には剣を持ち、見るからに戦士って感じだし、
『皆殺しだ!』
喋りだした
「モンスターって話すっけ?」
「モンスターは話さないだろう⁉︎ それは最早、神獣の域だ!」
ヘタレは喚いている
モンスターは普通、話さない筈なのだが、コイツらは普通に話している。ならば、コレはナンダ?
『我が主の為、此処を制圧せよ!』
我が主って誰だろう? 黄昏の魔女?
考えて居ると、襲い掛かって来たので、マルビナとオレーシャが武器を出して応戦するが
「うわぁ⁉︎」
「何コレ⁉︎ ネチョネチョだヨ!」
体の表面がネトネトとした粘液を出しており、滑って攻撃が通らないらしい
『死ね!』
危なかったので、口から【氷系魔法】を出して3匹を固める事に成功した
「あのヌルヌル、凍ったよ」
「こういう相手には、魔法の方が良いのか……」
「どうでも良いから、避難した方が良いだろ! 放送が流れてるし」
さっき登って来た生き物は、此処だけではなく他の場所からも侵入して居た様で、避難しろと放送が流れている
「向こうの展望台からも、悲鳴とか怒声とか聞こえて来るし……助けに行った方が良い?」
「向こうに行くには、一旦下に降りないと行けないぞ? 時間が掛かる。それより、避難所までの経路の敵を倒した方が良い」
なんとヘタレが提案し出した。逃げよう、逃げようと喚いていたヘタレがっだ。明日は槍が降るのでは?
「どうした? アンセルモ。可笑しいぞ?」
「だネ。偽物だヨ、きっト」
「だね!」
「失礼だな!」
騒ぎながら、階段を下り移動した。
「避難経路、知らないんだけど!」
「なら、1番前はアンセルモだな!」
「何で僕なんだ!」
下に着くと、結構大変な事になっていた。人々はパニックを起こし、軍の人はそれを抑えようと声を掛け続けている。
「コッチだ!」
先頭を切り出した、ヘタレに少し驚いたが大人しく着いて行こうとすると、ベルンハルトから電話が掛かって来た。こんな時に……
「はい、モッシー! 今、忙しいから後でね!」
『始めてサルヴァトーレに会った場所を覚えているか? 其処に向かえ』
「…急に何? ていうか、その場所の行き方が分からないんだけど」
『心のままに行けば着く。彼処には扉がある。世界に7つしか無い、彼方に続く扉だ』
「マジで⁉︎」
彼処に有った扉は、実は彼方側への扉だったらしい。何で、そんな危ない物が、近所に有るんだ
『サルヴァトーレはシルヴォックには居ない。恐らく、其処に行っているだろう。俺も、少ししたら着く。それまで、死守しろ』
「サルヴァトーレは何する気なの?」
『奴は……奴らは、其処の扉を開け、 【ディムオブヂィクトゥ】を放つ気だ。そうなれば、今以上の混乱が待っている。急げ』
「分かったよ」
『エスペランサにも伝えてある。途中で合流しろ』
それだけ言うとベルンハルトは電話を切って来た。エスペランサ王子に伝えたと言っていたが、何処まで話したのだろうか?
考えても仕方ないので走る
「おい! 何処行くんだ? そっちじゃないぞ?」
「ベルンハルトに、どっか知らないけど行けって言われて、そっちに行ってくる!」
3人に、そう言って私は行き場所なんて分からないが走り出した




