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らめぇ! 乱暴する気でしょう⁉︎

 

 息苦しさに目を覚ますと、ドアップのイケメンが居たので、思った


 うわぁ……コイツも、まつ毛長いな……


 っと。

 息苦しさに息をしようとするが、息が吸えない。そこで、私の意識はハッキリした。私は今、目の前のドアップのイケメンの唇と私の唇が引っ付いており、手で鼻を塞がれている状態の為、息が出来ない様だ。


「んー! ゔー!」


 必死で暴れると、サルヴァトーレが唇を離し、鼻から手を退けた


「やっと起きたね。おはよう」


 息を荒くして必死に酸素を吸っている私に、サルヴァトーレは悪びれも無く言った。どういう起こし方してるんだ。

 なんとか息の整った私は、辺りを見渡す。私は今、見知らぬ部屋のベットに寝かされており、その寝そべる私の腹部辺りにイケメンが乗っている状態だった。この体勢は色々とマズイと思い、相手が萎えて呆れそうな事を言おうと考える。


「らめぇ! 乱暴する気でしょう⁉︎ エロゲーみたいに! エロゲーみたいに!」


 芝居がかかった様に言って相手に呆れてもらう作戦だったが……


「あぁ、それはもう終わったから、大丈夫だよ」

「……え? 冗談」

「僕が、その手の事で冗談を言う奴に見える? ニキじゃあるまし」


 何と失敗した。それよりも、衝撃の事実を聞いてしまった……マジで? これは無効だろうか? 無効である事を祈る。


「その話は後でにしよう。取り敢えず、退いてよ」

「ダメ。逃げるでしょ?」


 そう言い私の頬を撫で始めるサルヴァトーレ。仕方ないので、魔法を使おうと思ったが


「あ、魔法媒介は没収したから、魔法は使えないよ?」

「なん……だと……」


 人間は魔法媒介が無いと魔法が使えない。なのに、その媒介を取られてしまったらどうしようもない。体術も絶望的、最早ただの女になってしまった。


「本当はね、苦しまない様に、寝てる間に済まそうと思ってたんだけど……気が変わったんだ」

「何を?」


 私の頬を撫でて居た手を首元に持っていき、首を掴む


「ちょっ!」

「君を手に掛けるのを……」


 私が目を見開いているのを無表情で見下ろすイケメンの片手は私の首に、もう片手は顔の横に手を付いている


「君が寝てる間に、済ませようと思って首を絞めたんだけど……君がベルの名前を呼んだんだ」

「マジか……」


 無意識にベルンハルトに助けを求めたのだろうか? というか、この空気にそろそろ耐えられなくなって来た。こういう、真剣な空気をしていると、ぶち壊したくなるのは私だけだろうか? しかし、この空気をぶち壊す為に、巫山戯(ふざけ)たら首を絞められそうなので、大人しく話を聞く


「だから、君が起きている時にしようと思ったんだ……君の瞳に僕を映しながら、君を手に掛けるのは僕だと君に刻んで殺す事にした」


 とんでもない事を言い出したサルヴァトーレに私は慌てて止めてもらおうと声を上げる


「ちょ、ストープ! 私が死んだら魔女に体を取られる筈だよ! それはマズイのでしょう?」

「ベルンハルトにはね? 僕は 【黄昏の魔女】の方に付いたから……君の敵に当たるね。だから、君には死んでもらわないと」

「え? なんで……」


 いつの間に敵になっていたのだろう。そういえば、この学期になってから様子が可笑しかった。帰省時に何か有ったのだろうかと思っていたが、これだったのか


「サルヴァトーレ……」

「君は 【永遠の愛】がある。だから、僕しか愛せない。でも、それは偽りで本当の心ではない。君の本心は、きっとベルを愛しているんだよ」

「そんな事っっぐ!」


 無いと続けようとしたが、首に掛かっていた手に力が入り始め、どんどん首が絞まっていく


「大丈夫だよ。後で直ぐに僕も行くからね。この体は 【彼】が使い、君の体は魔女が使う。ほら、これも1つの愛の形だろ?」


 かなり、トチ狂った考え方だ。私の体を使った魔女とサルヴァトーレの体を使った、かつての王が愛し合う。それは私達が愛し合っていると言えるのだろうか?


「サ……サ、ル……トレ」


 気道が確保出来ず、苦しい。どんどん涙が出てきて、顔がぐちゃぐちゃになっているだろうが、構ってはいられない。私は精一杯、自由な足をバタつかせ、両手で首に掛かっている手を引き剥がそうと藻掻くが、元より男女の差以上に差のある私達は、何をしても抜け出す事は不可能だった


「ベ……ッン……ルト……」


 私が無意識にベルンハルトに助けを求めると、サルヴァトーレは顔の横についていた手も、私の首にかけて更に力を加えて来た。このままでは、絞め殺される前に首を折られて死んでしまいそうだ……


 どんどん指先から力が抜けて来て、視界が赤く染まっていく。その赤の先で女の人がーー




 急に、首に掛かっていた手が離れ、気道が確保出来、必死で息を吸う。そして、体が引っ張られ起こされて、誰かに抱えられたのが分かった


「ゲホ、ゲホ! ……っゲホ!」


 息が整っていない為、必死に目の前の人物にしがみつき、呼吸を続けていると


「随分、早く動いたんだな」


 私の頭上から、聞き覚えの有る声が聞こえて来たので見上げてみると、そこに居たのは










「ベルンハルト?」

「あぁ」


 そこには、何時ぞやと同じ様に、ベルンハルトが私を支えて立っていた

こんなにドロドロする筈じゃなかったんです。

首を絞める気は無かったんです。

こう、サクッと剣で……の所に助けが来る筈だったんです。

でも、作業用bgmの歌詞が、貴方の瞳に私を映しながら首を絞めて殺す的な内容だったんです。

気がついたら、こんな風になってました……

でも、後悔はしてない!

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