ピンクのツインドリル
「わぁーお」
マジでか。隣だったのか。通りで、いつ行ってもいない訳だ。スートーカしてたからか……
っと失礼な事を思って現実逃避してみる。隣のヤツも「えっ⁉︎」ってなっているが私は、いち早くショックから立ち直ると、今だに固まっているヘタレを放置して部屋に入っり引っ越し蕎麦を持つと、もう一度外へ。ヘタレは、まだいた。
「隣に越して来た、【烏兎 天妃】と申します。どうぞ、良しなに。」
「……」
ヤツは、まだ固まっている。そして……
「嘘だーーーーーー!!」
うるさっ! 叫ばれた。
「こんな、お隣さん認めるか!」
なお、キャンキャン言うヘタレ
「ちょっとストップ! 近所迷惑だ!」
「……そうだな」
そう言うと、煩かったヘタレは落ち着いた
「……そう言えば管理人の人が、隣に新しい子が来るからねーって言ってたな……」
「聞いてたんだ」
「はぁ……こんなヤツだとわ……」
溜息つかれた……酷い
「まあ、よろしくね。何か困った事が有ったら、ピンポン連打するから!」
「やめて!」
暫くヘタレと話をして部屋に戻った。ヘタレは私と同級生らしく、受ける授業も結構被っていた(この事でヘタレは、また騒いでた)まあ、付き合いが結構ありそうなので仲良くしてやろう! ドヤァ
部屋に帰ると、まずは着替えてお風呂にゴー!
この部屋の、お風呂は浴槽がある (この辺の普通の家はシャワーのみ)ので、私には嬉しい作りである。入浴剤を入れ電気を付けてもいいが、雰囲気作りにキャンドルを灯した。お風呂場の壁は岩が剥き出しで洞窟の中でお風呂入っている気分だ。
あ、此処、洞窟の中だわ……
岩と岩の間に鉄の板がある為、穴を開けようと思っても開かないらしい。ちなみに、防音なので、大声で歌ってもバレない。お風呂から上がると、テレビを付け髪を乾かし始める。何も面白い番組はしていなさそうだ。髪が乾けば明日の用意をして、ご飯を作り始めた。
私は自炊が出来る。小さい頃、ほんの6才くらいの時に、母に
「あんた、お母さんが死んだらどうするの! 誰がご飯作ったり、洗濯に掃除してくれると思ってるの!」
っと言われ無理矢理に覚えさせられた。その甲斐有ってか、私は家事全般を満遍なくこなせる様になった。ちなみに母は今も健在である。
夕食を済ませ、ロフトに(土足禁止)上がってソファーに座り(某、人を駄目にする奴)ゲームする。何を隠そう、私の趣味はゲームでホラーは苦手だがホラーゲームするのが好きなのだ。他のもするが今日はホラーな気分だ。余りの怖さに、もう無理! ってなったら今日は辞め。
ゲームを終えて寝床 (ロフトにあるよ)にin。怖いのでベットサイドの電気は付けっ放しで寝る。では、おやすみー
〜〜〜〜〜
空が赤い……
地面も赤い……
……周りには何も無くて、誰も居ない
寂し、悲しい……
此処は、とても冷たい……
〜〜〜〜〜〜
ふと、目を開けた……どうやら、朝の様だ。
何故か、涙が出ているが、よくある事なので気にせず準備。起き上がると、身体が痛い。何故だ! っと思えば、筋肉痛ェ……しかし、そこまで酷くは無い。酷い時は、歩き方がヒヨコみたいになる。
気を取り直し今日から授業の為、寝床に有るカーテンを開けてロフトの下に降りテキパキと準備する。ちゃんと、お弁当も作った。因みに新入生の入学式は一昨日で、もう新入生もいるが、私は2年だが編入生で此処に来たばかりなので先輩面は出来ないな
制服に着替えて、いざ!出陣!
〜〜〜〜〜〜
学校に着くと、ピンクのツインドリルの髪した女の子と、赤い髪が肩まである子が寄ってきた。ピンクのツインドリルの子は、かなり品がある感じで、赤い子は後ろに付いてるから付き人? だろうか?
「貴方が、例の編入生ですわね!」
っとピンクのツインドリル。私は面倒なので
「いえ、人違いです」
そう言って去ってやろうとした
「え、違いますの?」
オロオロし始めた。ちょっと可愛いぞ
「いえ、皇女様。彼女です。昨日、シルヴォックのヴィヴィアンヌと一緒に居ました。間違えありません」
「ちっ」
おっと。思わず舌打ちが。
「驚かさないでください! よろしいですか! 私の名は【アントニエッタ=アセビ=アーディティ】ですの!そして、こちらが【ノエリア=マルベリー】です。今日は貴方に忠告に来たのですわ!」
驚いた。【アーディティ帝国】は、シルヴォックと同じくらい大きな国で、この国は人間しか入国を認めないし、住むのも認めないので、完全な人間の国だ。そこの皇女か……アーディティ帝国とシルヴォックは確か仲が悪かったはず。ヴィヴィちゃんとの仲が心配だ
「ふっふん! 私の名前を聞き驚いた様子ですわね。良いですか、聞きなさい」
面倒だなぁ。しかし、この子も可愛いな
「貴女、魔女に近いそうですわね! それに、あのヴィヴィアンヌと仲良くなったとか! 忠告しておきますわ! 貴方、私より魔力が多いからといって、調子に乗らない事ですわね! 魔女になるのは私ですわ!」
そう、捲し立てて来た。お付きの子は拍手してる。
「はぁ……気をつけます?」
「まぁ。分かっているのなら、宜しいですわ」
彼女は何故か満足そうに言った
「そして、感謝なさい! 貴方を私のライバルとして認めてあげますわ!」
何故だ
「忠告は以上ですわ! せいぜい、気を付けなさい! まぁ、イジメなんて無いでしょうが、ヒソヒソぐらいは言われますからね!」
っと言い去って行った。ツンデレか? 何だったんだろうか……
まぁ、嵐は去ったので教室に行こ……ゴフッ 何か突っ込んで来た⁉︎
というか何かに抱きしめられている。多体格から推測するに多分、男だろう。男の胸板が、ちょうど私の顔の部分にある為、相手はかなり身長が高そうだ。
てか、絞まってる……マジ、絞まってる! 力の限りジタバタするが、ビクともしない。そろそろ、意識がバイバイしそうだ。
「ヴィー、離して上げないとテンキが死んじゃうよ?」
「えっ? あー、ゴメンねー」
軽いノリで離された。やっと新鮮な空気が吸える。上がった息を整えて、いざ目の前の男を見ると……
あら不思議、美形ですわ! あ、移った……其処には、白銀の髪色で腰くらいまである長髪のかなりの美形が居た。側にはサルヴァトーレ
「やぁ、おはよう。テンキ」
「おはよ、金髪イケメン! 朝から眩しいね!」
取りあえず挨拶。
「……それ、僕の渾名かな?」
「うん。これ以上無い程、君を表してると思うけど」
微妙そうな顔された。因みに今の体勢はちょっと面白い事になっている。さっきの美形が私の後ろに居り、私のお腹に腕を回し抱きしめられてる状態で、私の足は地面と離れてる
想像してごらん……小さい女の子が、クマのヌイグルミを抱っこしているのを、だいたいそんな感じだ
「で、後ろは?」
「あー……彼は【ヴィアンリ=ハマナス=シルヴォック】ヴィヴィの双子の兄だよ」
やっぱりか。どことなく、似てるもの……
「はじめまして。私、 烏兎 天妃 。名前が天妃だよ」
「うん。はじめまして。よろしく。さっき紹介された、ヴィアンリ=ハマナス=シルヴォック。ヴィヴィの双子の兄だよ」
取り敢えず、この体勢をどうにかして欲しい……
「イケメン‼︎ メーデー、メーデー!」
「あー……うん」
やっと救出された……
「あ。そろそろ、時間ヤバイね」
「本当だ。あ、教室分かる?」
やっぱりサルヴァトーレは優しいな
「大丈夫さ! 道は何処かに繋がってる」
それで、この前迷ったのは内緒だ
「本当? 君、迷子のイメージしか無いけど……」
「迷子になったの?」
「なりました」
私、そんなイメージ付いてるのか。だが、教室は分かる。大丈夫だ。昨日、案内してもらったし、端末に地図入ってるし! という事で2人と別れた。イケメンは送るっと最後まで言っていたが、1限目から着替えないと、いけないらしいので断った
その後、案外すんなり教室に着いた。いざ、
ガラっ
あ、ヘタレメガネ発見