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ヤッフー!

 

 目を覚ますと白い天井が目に入った。辺りを見渡すと、どうやら私は医務室で寝ている様だ。ふと、人の気配を感じ横を向くと


「起きたか」

「えっ⁉︎」


 優雅に椅子に座り、読書をしているベルンハルトが居た


「何で居るのさ……」

「居たら悪いか?」


 私はコイツに負けた為、居心地が悪い。何か話題になる様な事はなかっただろうか?


「あ、そういえば。夢の中で《鏡の魔女》に会ったよ」

「……鏡の魔女か。確か前任の器だった筈だが、何を聞いた?」


 私は寝転んだまま鏡の魔女に聞いた事をベルンハルトに伝えた


「なるほどな……ほぼ聞いて居るのか。なら俺から言える事は無いな」

「試合に参加して損したよ」


 試合に出ればベルンハルトから情報が貰える約束だったのだが、先に魔女に聞いてしまった為、無駄試合になってしまった


「魔女の旦那はシルヴォック王だった者だ。俺と同じ【力】が会った。だから魔女が選ぶ、旦那の器は全て扉を開ける【力】を持った者だけだ」

「旦那はシルヴォックの王……」


 どうやら、鏡の魔女が言って居た事は全てでは無かったらしく、ベルンハルトが付け足して教えてくれた


「お前が見た事のある、なの小さな生き物は魔女と王の子供だ」

「あれ子供だったんだ」


 なのであんなに小さかったのだろうか?


「呪いの事も聞いたのだろう?」

「うん。サルヴァトーレなんだよね。でも、呪いは私だけなの? サルヴァトーレにはヴィヴィちゃんが居るし」

「……」


 ベルンハルトは黙ったが、やがて徐に口を開いた


「サルヴァトーレはヴィヴィを愛している訳では無い。ただ、王になるのに都合が良いから付き合って居るだけだ」

「マジで⁉︎」


 サルヴァトーレがそんな事をする奴だなんて! 見損なったぞ!

 聞くと、サルヴァトーレとベルンハルトでは、次代と言われているのはベルンハルトの方らしく、サルヴァトーレは無理だと言われているそうだ。

 しかし、サルヴァトーレは次の王になる為に王女のヴィヴィちゃんと付き合ってベルンハルトより、優位に立とうとしたらしかったが、


「まぁ、知っての通り、俺に何も勝てないサルヴァトーレが王になれる筈が無いからな」

「信じられないな……あのイケメンがそんな事する様には見えないけど……」

「サルヴァトーレも 【永遠の愛】が有る。だから、お前には良い所だけしか見せて居ないのだろう。実際のアイツは、腹黒くて計算高い、わりと酷い性格をしているぞ」

「マジで⁉︎」


 爽やかイケメンじゃなかったのか⁉︎ 騙された


「因みにヴィヴィはサルヴァトーレが自分を愛して居ない事を知っている」

「マジで⁉︎」


 そんなので幸せなのだろうか?


「ヴィヴィは分かっているし、他の兄弟も分かっているが、口出しはしない。だから、お前も口出しするな」

「……分かったよ」


 納得いかないが、ヴィヴィちゃんが決めた事なので、口出しするのはマズイだろうと思い、見守る事にする


「この話は此処で終わりだ。本題に入る。お前、条件は覚えているか?」

「……俺に従え?」

「そうだ」


 私が渋々そういうと、寝転んだままの私の上に覆い被さり、顔を近づけて……キスして来た。


 わぁ……コイツ、まつ毛長っ! 顔近っ! 本当に顔が綺麗だな……


 なんて現実逃避に走ったが


「ベル? テンキちゃん、起きたって聞いたから様子見に……」

「まぁ⁉︎」


 偶然なのか、仕組んだのか分からないが、ヴィヴィちゃんとアントニエッタ、ヘタレにオレーシャ、マルビナ、ノエリアが医務室に入って来てしまい、とんでもない場面を見られてしまった


「……」


 バタッと言う音を立ててヘタレが倒れ、ヴィヴィちゃんとアントニエッタは頬に手を添えて赤らめており、他は驚きの表情で固まって居たが、ベルンハルトが手をシッシッっといった感じに振ったので


「ゴメンね! お邪魔しました!」


 ヴィヴィちゃんは慌てて、ヘタレを引き摺り (マジで引き摺っていた)医務室から退場、他の面々も慌てて出て行った


「ふぅ」

「何が、『ふぅ』だ。私のファースト返せ!」


 別に、ファーストに夢が有った訳では無いが、何となく虚しくなったので抗議したが、


「約束を違える気か?」

「……そんな気は無いけど……」


 言い包められて終わった。ダメだ。口で勝てる気がしない。他も勝てないが……


「さっきのは、わざと?」

「あぁ」


 わざとかい!


「さて、サルヴァトーレはどう動くか」


 楽しいそうに笑うベルンハルト。これ絶対、楽しんでいる。


「サルヴァトーレの動きを見る為に私を使ったの?」

「それも有るが……俺の目的の為だ」

「目的?」


 何か企んでいるらしいが、顔が悪どい感じなので碌な事では無いだろう


「お前が無事、生き残れたら教えてやっても良い」


 本当に何を企んでいるのか……っとベルンハルトの悪どい感じの顔を見ながら考えていると、また覆い被さって来て、さっきと同じ事をすると……急に視界がグルリと回り、気がつくとベルンハルトに横抱きにされて居た


「何事⁉︎」

「随分な挨拶だな、サルヴァトーレ」

「えっ?」


 ベルンハルトが向いている方に私も向くと、其処にはさっきまで私が寝て居たベッドに剣を刺しているサルヴァトーレが居た。あそこに、まだ居たならば死んで居たかもしれない……ぞっとした


「サ、サルヴァトーレ?」


 恐る恐る声を掛けると


「テンキ……どういう事?」


 とんでもなく、ドスの効いた声で尋ねられて、体が勝手にバイブレーションしだした。そんな私をベルンハルトは近くのベッドに捨てて、サルヴァトーレに向き合う


「捨てるなよ!」

「俺が言ったんだ。お前が負ければ付き合えとな」

「え? 何それ? そんな約束聞いてないけど?」

「何て事を! お前は彼女に一欠片も愛なんて抱いていないくせに!」

「ふっ。関係無いな。俺は自分の目的の為にコイツを使うまでだ」


 付き合えなんて聞いていないが、私を無視り何やら2人は言い争い始めたので、私は小動物の姿を取り、







 医務室の窓から2人に気づかれる事無く、そっと出て行く事に成功した。ヤッフー! お外だー!

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