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 ーー刃が混じり合うーー


 近距離に持ち込まれたアントニエッタが銃を捨てて細身の剣を取ったのだ。2人の刃は何度も混じり合い、金属の打つかる音が辺りに響く。しかし、アントニエッタは接近戦では不利だと思ったのか 【炎系魔法(イグニ)】の《噴火(ヴァルカン)》を辺りに撒き散らし、再び距離を取った。そして、銃を構え、2人の間に有る《噴火(ヴァルカン)》が消える時を狙い、撃つが


「これでも当たりませんか……」


 その攻撃も難なく躱し、追撃を仕掛けるヴィヴィアンヌ。ヴィヴィちゃんは魔法の《火球(ファイアーボール)》を撃ちまくり、アントニエッタに攻撃する余裕を与えなくする。アントニエッタの周りが黒い煙に包まれて、どうなったか分からない


「流石だね。今ので普通は終わってるのに」

「無理もないですわね。《火球(ファイアーボール)》でアノ威力。それをあんなに撃たれては避けるのも難しいですわ」


 そう言って煙から出て来たアントニエッタの髪は少し焦げていて、体には火傷が多々有る。どうやら何個か被弾したらしい


「こりゃ勝負有りだな」

「ダネ。アレじゃ、まともに剣も振るえないし、動けないヨ。銃だけじゃ、あのヴィヴィ王女は押し込めないしネ」

「皇女様……」


 そして、急にヴィヴィちゃんの目が紅く染まり……


「なっ⁉︎」


 尋常じゃないスピードでアントニエッタに接近した。そのスピードに付いて行けなかったアントニエッタは目の前にヴィヴィちゃんが来るのを許してしまう。こうなってしまえば……


「アントニエッタ。私の勝ちよ?」


 アントニエッタの首に刃を押し当てたヴィヴィちゃんは、そう言う


「仕方ないですわね……」


 アントニエッタが敗けを認め、この試合は終了した。中々白熱した試合だったと思う


「いヤ〜。やっぱりヴィヴィ王女は強いネ」

「だなぁ……皇女様の所に行ってくる」

「行ってらっしゃーい」


 火傷を負っているアントニエッタが心配な様で、様子を見に行ってしまったノエリアを置いて私達はBブロックに移動する。そこは次の次の試合でオレーシャと後輩君がぶつかる為、観戦に来たのだ


「頑張ってね〜」

「ウン! 行ってくるヨ!」


 そう言い控え室に行ってしまったオレーシャ。私とマルビナ、ヘタレの3人で、オレーシャの試合まで、まだ時間があるのでジュースを買って駄弁りながら今やっている試合を観戦する。席は大分ガラガラで何処にでも座れる為、わざわざ席を確保する必要はなさそうだ。暫く3人で駄弁っていると


「お待たせ!」


 ヴィヴィちゃんも合流した


「はい、お疲れ様」

「あ、ありがとう!」


 ヴィヴィちゃん用に買った飲み物を渡して、暫く4人で駄弁る


「いや〜ヴィヴィちゃん強かったね!」

「そんな事無いよ! 魔法では絶対にテンキちゃんに負けるし」

「魔法でコイツに勝てたら凄いよ」

「あの、ベルンハルトにも勝ってたしな」


 なんて話ていると、画面にオレーシャと後輩君の名前が出て来て、2人は入場した


「オレーシャ、コッチに手を振って余裕だな……」

「後輩君はガチガチだね」


 開始の合図が鳴ったが、始まると同時に決着が付いてしまった。もちろんオレーシャの勝ちで


「あちゃー」

「今後に期待だね」


 呆気なく負けてしまった後輩君に辛口の3人。止めたげてよー


「さぁ、帰るか!」

「そうだね。明日はテンキちゃんの試合もあるし」

「思い出させないで……」


 帰り側にアントニエッタの様子見をして帰った。帰ってから端末を見ると、いろんな人達から激励メールが来ており、色んな意味で泣きそうになった





 そして、次の日。今日が私の命日かもしれない……なんて思いながら登校。精神統一の為、誰にも合う事なく控え室に行く。控え室にはモニターが付いており、先の試合を観戦する事が可能らしい


「うわぁ〜。緊張してきたな……」


 独り言を言い緊張を誤魔化してみようと思ったが、上手くいかず逆に緊張が増してきた。落ち着こうと部屋の隅で体育座りをし、今始まった試合を観戦しておく。この次が私だと思うと吐きそうだ




 先の試合も終わり、次は私の番で準備をしながらモニターを見ると、観客席が凄い事になっているのが確認出来た。席は勿論、通路にも人がビッシリだし、立っている人だっている。そんなにベルンハルトが観たいのか!


「こんな中で戦わないといけないのか……」


 始めから憂鬱だったが、更に憂鬱になった。しかし、時間は待ってくれないし、自分で戦うと決めたのだ、覚悟を決めて入り口まで行く。入り口で出番を待っている間に、かつて母に言われた言葉を思い出す


『覚悟も無いのに戦場に立つんじゃない!』


 これは、弟と剣の訓練をしている時に、弟に対してヘッピリ腰の私に母が言った言葉だった。それを思い出す。今から此処は戦場で覚悟も無いのに立ってはいけない場所だ。私は改めて覚悟を決め入場を果たす


「逃げずに来たんだな」

「まぁね。あ、約束は守ってね」


 見渡すと、私達が戦う場所と観客席との間に【ウォープロ】が張ってあるので、本気で魔法をぶっ放しても問題なさそうだ


『構え』


 っと放送が入ったが、私もベルンハルトも構えないので放送の人が戸惑っている。私は、そもそも構えの姿勢が無い。多分、ベルンハルトは有ると思うが、今まで構えている所を見た事がないので、コイツは余裕から構えないのだろうと思う


『えーと……いいですか?』


 放送の人が、かなり困っているので私が大きく丸のサインを出すと開始の合図を鳴らした






 開始直後、私は上級魔法の《絶望の炎デスペリア・イグニース》を吹き出し、辺りを黒い炎で囲った

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