やっぱりヘタレは運が無いな……
あっという間に舞踏会も終わり、直ぐに冬休みがやって来た。
殆どの生徒は帰省して居らず、また遊んでくれる人が居ない私は日雇いバイトをしてスキルを上げる事にする。ある時は大工業を、またある時は機械の修理を、ある時は市場の売り出しをした。
そんな毎日を楽しく過ごしていると、同い年の親戚から電話が掛かって来たがスルーした。しかし、親戚は諦める事をせず、100件近く掛かって来たので、エロゲーの音声を最大にして端末に聞こえる様にすると、向こうから電話を切って来た。それからは電話が掛かって来なかった。新たな撃退方法を発見した。
これが私の冬休みだった。この冬休みは沢山の事に手を出す事が出来たので、スキル向上を図れたと思う。
そして、冬休みも開けて新学期スタートだが、この学期は何と……
「試合……」
この学期は授業が無く、代わりに【試合】を行う。【試合】は一騎討ちなので、この学校には武道館が5つ有るが、どうしても時間が掛かってしまう為、この学期全体で行うらしい。そして【試合】は真剣で行う為、命を落とす者もいるらしいので、もし無理だと思えば棄権する様に言われている、本当にヤバいモノだ。
「今日は抽選だから、ドキドキするね。初戦は誰とだろう?」
「抽選……」
相手は抽選で決まる為、今まで抽選で良い結果が出た試しが無い私はとても憂鬱だ
「大丈夫だよ! 始めからベルに当たる訳ないし!」
「そうだね。初っ端に第1王子に当たる訳無いし、考えたって仕方がない! 当たって砕けろだ!」
ヴィヴィちゃんに励まされ元気の出た私は、抽選を行い結果を待つ
「ヘタレ辺りがいいなー」
「お前、僕に失礼だぞ! まぁ、もしお前に当たったら僕は棄権するよ」
「このヘタレ!」
「うるさい!」
ヘタレと楽しく口論しながら、皆んなを待つ。抽選の結果が出るのは午後からなのでお昼に行こうと約束をしているのだ
「わぁ、結構混んでる」
「皆んな考える事同じだからな」
カフェの席に着き、横にいるマルビナと話す。その後は皆んなの冬休み事情を聞き、私も親戚が大変そうだっと話していると、急にヴィヴィちゃんが
「最近、サルヴァトーレの様子が可笑しいの。上の空だったり、ベルに怒鳴り散らしたり」
「あの爽やかイケメンが怒鳴る事有るの⁉︎」
「ビックリですわ!」
しかし、思い返せば何回か大声を上げている事は有ったな。そんな話をしていると、端末に抽選の結果が表示される時間になった為、この話は、また今度となった
「ドキドキするね……誰とかな?」
「テンキは結構良い所まで行けると思いますわよ?」
「そうですね皇女様。しかし、テンキ。お前、殺すなよ?」
「確かに、お前は剣の腕は兎も角、魔法はヤバい。下手したら死人が出るぞ」
「ワタシ、当たりたく無いネ。当たったら棄権するヨ」
「酷い! 大丈夫だよ!」
そんな無茶な事はしない。多分……
「あ、私……」
「まさかですわ」
端末を見ていたヴィヴィちゃんとアントニエッタが驚いた顔をしていた。その理由は……
「アントニエッタ。宜しくね」
「貴女には負ける気は有りませんので!」
この2人、初っ端からぶつかったらしい。凄い、くじ運だ
「ワタシは知らない奴だよ。誰コレ?」
「あ、それ後輩君だわ」
私に懐いてくれた後輩君とオレーシャがぶつかるらしく、どっちを応援したら良いか分からないな
「……」
「ヘタレは?」
「……エスペランサ王子」
「「「「えッ⁉︎」」」」
全員ビックリの人物と当たったヘタレ。やっぱりヘタレは運が無いな……
「私は知らない奴だな」
「私もだ」
マルビナとノエリアは知らない人と当たる様で残るは私なのだが、どうしてだろうか? 嫌な予感しかしない
「で、見たか?」
「怖くて見れてないんだ。代わりに見てよ」
端末をマルビナに渡して代わりに見てもらうと
「……」
「なんか言ってよ」
「いや……初戦からチートvsチートか……会場どうなるんだろうな?」
「え⁉︎」
慌てて端末を取り返し画面を見ると
《Eブロック 第7戦目、ベルンハルト》
死んだ……




