緑のヘタレ
取り敢えず、今だにギャーギャっと煩い緑のヘタレ(因みにメガネかけてる)を放置して2人の所に向かう。本当に、あの2人お似合いだ。邪魔しても良いのだろうか? 気づかなった事にして、ヘタレを弄った方がいいか? チラッと緑のヘタレを見たら何故かプリプリしていた。そう言えば、名前を聞いてなかったが、まぁいいか! そんな事を思っていると、2人は私を見つけてくれたようで、手を振ってくれた。ヴィヴィちゃんが可愛いくて尊い……見つかってしまったので、2人の側に行った。
「もう、終わったのかい?」
「うん」
「思ったより、早かったね」
2人を見てフッと思う、私はまだジャージだが2人は制服に着替えていた。どうしようか
「取り敢えず、着替える?」
「まぁ。困らないし、このままでも良いよ」
「いや……ダメでしょ」
イケメンに注意されたので、仕方なしに着替えに行ってから探索する事にする。すると、ヴィヴィちゃんは言った
「女の子同士で、お話したいからサルヴァトーレは遠慮して?」
え、今更? 今迄、待ってたのに? っと思っていると、サルヴァトーレは
「仕方ないね」
っと肩を竦めながら言った。ヴィヴィちゃんは私の手を取ると中庭から出た。私達の後ろ姿を、サルヴァトーレは見送ってくれた。私のロッカーが有る場所まで行き、そこから更衣室へ。更衣室から出るとヴィヴィちゃんと、
いざ、校内探索へ! すまん! サルヴァトーレ。お前の事は忘れない!
〜〜〜〜〜
「広いね〜」
「建物とか施設とか沢山有るからね。後、寮とかも有るよ」
「はぇー……」
寮があるのか……
あれから、色々教えて貰った。購買の場所や、レストラン(レストランだった。食堂とかじゃなかった。しかも、色んな種類のレストランが有った! )教室や、仮眠室(何であるの? )、医務室なんかも教えて貰った。次は、
「あ、此処が武道館だよ」
武道館?
「此処で、試合とかするんだ」
「試合が、あるんだ……」
ビックリである。前の学校には、そんなの無かった
「決闘に使ったりもするよ」
「決闘するの!? 」
「此処は王族や貴族が多いから、何かあったら決闘で決めようとする人が多くて……」
物騒だな……いつか、挑まれたしないよな?
「フフフっ まだまだ、沢山見る所が有るよ」
かーわーいーいー‼︎
それから暫く探索し、疲れたのでベンチで休憩に。主に私が疲れており、ヴィヴィちゃんは平気そうだ。体力の差ェ……
自販機でジュースを買い、それを飲みながら話をした
「テンキちゃんは、この学校の行事は聞いた?」
「行事?」
聞けば、この学校には結構行事があるらしく、近々大きめの行事が有るらしい
「【宝探し】って言ってね。えっと……2泊3日の合宿って言ったらいいかな? このヴィエールを出て違う島に行って、そこでキャンプしたりするの。勿論、弱いけどモンスターも出るよ」
「マジか」
食事は魚釣ったり、木ノ実集めたりし、自力で集めて自分で作るらしい。サバイバルだ。各自、規定の食材は持って行ってもいいらしいので割と優しめだ
「皆んなで、宝探しをするんだよ」
「宝探し? 楽しそうだね」
「楽しくは無いかな……。あ、そうだ! 今度私の兄弟に合わせてあげるね」
急に話が変わりヴィヴィちゃんの兄弟の話になった。そう言えば、ヴィヴィちゃんは王族だし、一夫多妻なんだろうか? 兄弟とか多そうだ
「同い年で別腹の兄弟が3人と双子の兄が1人。後は同腹の弟と妹が人ずつ居るよ」
「多いね……」
兄弟多いな……別腹か。やっぱり一夫多妻なんだな。そして、ヴィヴィちゃんは双子だったのか。それにしても、同い年の兄弟多すぎないか? こんなもんなのかな?
「双子なんだね」
「うん、今度合わせて上げる」
可愛いな。きっと双子のもう1人も可愛いのではないだろうか
「あ、連絡先教えて?」
連絡先? あー、端末のか。電話やメール等が出来るから端末は必須だ。私は端末を出して
「うん。私も教えてね」
お互いの連絡先を交換した。そして、何故かサルヴァトーレの連絡先も教えて貰った
〜〜〜〜〜〜
それから、どの授業を受けるの? とか、そんな話をしていると結構時間が経ったので、そろそろ帰る事に。校内は覚えきれなかったので、通いながら覚える事にする。校門に付き、名残惜しいがヴィヴィちゃんとサヨナラし、乗船場へ。そこで待って居ると見た事ある緑のヘタレ再び。
「あ、ヘタレメガネ」
私がそう言うと、向こうは慌ててた
「なんで、お前が此処に居るんだ!」
「なんでって……帰るから」
「あ、そっか」
なぜか、ヤツは納得した。
「てゆうか、僕はヘタレじゃない!」
「安心して、誰が見ても君はヘタレさ」
キーキー言っているので、ちょっと、うるさい
「僕は、【アンセルモ・コリウス】だ! ヘタレって呼ぶな!」
「じゃあ、スートーカで」
「だから、ストーカじゃないし……」
相手は元気が無くなってきた。どうやら、私の勝ちのようだ。相手はウンザリした様な顔で言った
「もう、いいよ。で、お前は?」
「おっとー。 烏兎 天妃。天妃の方が名前だよー!」
元気よく返してやったら、鬱陶しそうな顔されたが私はめげない
「編入生さ!」
「……⁉︎ お前が噂の編入生か!」
驚かれた
「そんなに噂になってる?」
「あぁ、かなりな」
らしい……困ったな。学校では「お前いたの」ってくらい、こっそり生活しようと思ってたのに何処で間違えたかな?
そうこう、していると船が来たので乗り込んだら、緑のヘタレと一緒の船だった
「なんで、一緒なんだよ……」
ヤツはブツブツ言ってる。
「仕方ないじゃん、家がこっちの方なんだから……」
2人で言い合いながら船は進んで行く。そんな私達を船守さんは、暖かく私達を見ていた。
「あ、ヒョンさん」
船守さんはヒョンさんだった。気づかなかった。不覚!
「ヒョンさんって誰?」
「船守さん」
〜〜〜〜〜〜
降り場まで着いた。やっとヤツから離れられるなっと、思っていると降り場が一緒だったので驚いた。ヘタレも驚いた顔をしている。2人は無言で歩きだす。しかし、いつまで経っても一緒だ……
とうとう、アパートの前まで着いた。するとヤツは
「いつまで、着いてくるんだ!」
「いや、私もこっちだから……」
2人して階段を上がって、鍵を……
お隣さんだった……