心に誓った
ある日、ヴィヴィちゃんと一緒に、お昼を食べていると、ヴィヴィちゃんが元気が無さそうだったので聞いてみると
「ロドが、サルヴァトーレに決闘を申し込んじゃってね……」
「決闘⁉︎」
何でも舞踏会のパートナーの座を掛けてサルヴァトーレと決闘するらしいが、その噂を聞きつけた他の生徒もヴィヴィちゃんを掛けて争奪戦を起こしたらしい。凄い……ヒロイン力、凄い
「大丈夫だって。あのイケメンが負ける訳無いじゃん」
「そうなんだけどね。心配というか……」
心配げなヴィヴィちゃんは、とても可愛いらしい。しかし、決闘するなんてフセフォーロド王子は凄い。普通は彼氏居るなら諦めるなり、遠くから眺めてるなりするだろうが、あの王子は諦めるっと言う言葉は無いらしい。関心する。見習え、ヘタレ
「テンキちゃんは誘われた?」
「私は後輩の子に誘われたけど断ったよ。後は誰にも」
「ベルにも?」
「何でベルンハルト?」
とんでもない名前が出て来たが、気にせずお喋りを続ける
午後の授業でダンスの授業が入った。その場に行くとヴィヴィちゃんと、サルヴァトーレとヘタレがおり、この時間はヘタレと練習する事にした
「ヘタレって下手くそだね」
「うるさい! お前が離れ過ぎなんだ! もう少し近づかないと踊れないだろ?」
ダメなのだ。近づいて密着すると謎の不快感が出てしまって鳥肌が収まらない。やはり、ダンスは私には向いてない様だ
「アンセルモ君。ゴメン少し変わってくれる?」
まさかの選手交代でヴィヴィちゃんと踊っていたサルヴァトーレがヘタレと交代した。その為、ヴィヴィちゃんのお相手がまさかのヘタレになり、ヘタレはカチコチになって動けていなかった
「僕なら大丈夫だろ?」
「あ、本当だわ」
謎の不快感は出てこず、そのままダンスの練習が出来たが、ヴィヴィちゃんにサルヴァトーレを返さないといけない。ヘタレと選手交代してもらおうとすると、
「今日は僕に付き合って。向こうも楽しそうだから、邪魔できないだろ?」
向こうと言われた方を見てみると、ヘタレが顔を赤くしながらヴィヴィちゃんと楽しげに踊っていた。ヘタレが羨ましい!
「ね? 邪魔できないだろ?」
「まぁ……」
このまま、授業終わりまでサルヴァトーレと組む事になった
放課後、武道館にて例の決闘が有るらしく、観に行った
「サルヴァトーレ! 約束は守ってもらうぞ!」
「あぁ。約束だからね」
2人を見つめるヴィヴィちゃんは、取り合われているヒロインの様で、それを見ている私は乙女ゲームをやっている気分だ。周りは凄い歓声が上がっており、悲鳴や野次が時折入るが賑わっている。中には賭けをしている人達もいた
「こんなに大事になってたんだね」
「他の生徒も参戦するって話になったからな……」
「因みに王子のお兄さんも出るってサ」
「マジで⁉︎」
席に座って見り横にいるマルビナとオレーシャに話かけるとオレーシャから凄い情報を貰った。フセフォーロド王子のお兄さんといえば、第1王子のエスペランサ王子だ
「その2人が強敵かな? 他は大丈夫だと思うぞ」
「まぁ、サルヴァトーレも王女の為に負けられないし、勝つのはサルヴァトーレだと思うけど」
「賭けル?」
「良いぜ!」
私達はジュースを賭ける事にした。オレーシャがエスペランサ王子でマルビナがサルヴァトーレに賭けていたのだが、フセフォーロド王子に賭ける者がいなかったので流石に可哀想だと思い私が賭けてやった
「おっ! 始まるぞ!」
私達はワクワクしながらサルヴァトーレvsフセフォーロド王子の決闘を観戦した
まぁ、結果は言わずもがなサルヴァトーレに軍配が上がった。フセフォーロド王子はとっても悔しそうにして居たが、サルヴァトーレはかなり強いんだ。当然の結果の様な気がする
休む事無く次に、エスペランサ王子が出て来て構え出す。そして、
「流石だな……」
「いえ、そう言ってもらえて光栄です」
一進一退の勝負を見せてくれる。エスペランサ王子の戦ってる所を見た事が無かったが、やっぱり強かったらしく、ほぼ互角な感じだが
「剣は互角だけど、魔法はサルヴァトーレだな」
「そうだネ。圧倒的だヨ」
「そう? 同じように見えるけど」
私には、あまり違いが分からないが2人には差が分かるらしい。凄いな
「お前の場合は自分が凄すぎるから、他人の差が分からないんだろうが」
「そう思うヨ」
「そんな事無いよ⁉︎」
そんな事は無い筈だが、周りの人達から見たらそう見えるのかもしれない。気をつけよう
「フセフォーロド王子は残念だな。自分が作った舞台を兄に取られて……」
「だネ。可哀想に」
「うん」
激しくぶつかり合う両者を、見守るヴィヴィちゃんを、見守るフセフォーロド王子を、同情の目で見守る私達
「もう少し、王子に優しくするよ」
そう心に誓った




