美味しい食べ物を目当てに行く
ある日の授業で課題が出た。その課題は、魔法道具を作って来る事だった。
なので私は魔力結晶を、ベルンハルト、サルヴァトーレ、ニキートビィチ、ヴィアンリ、ヴィヴィちゃん、トシュテンヴェリン、フセフォーロド王子、オカマ、ピッチー、ヘタレ、アントニエッタ、ノエリア、マルビナ、オレーシャ、3つ子ズから貰って来た。
魔力結晶とは、その人の持つ魔力を結晶化したもので、特に使い道は無いが綺麗なので結婚指輪等に用いられる事が結構ある。
そして、この結晶は本人が死んでしまうと割れて無くなってしまう為、戦場で戦死した人の把握などに用いられる事も有る
その魔力結晶を嵌め込んだ、お洒落な腕輪型の魔法道具を作った。効果は特に無いので、只のアクセサリーだ。
それを課題で提出後、戻って来たのでアクセサリー気分で自分の腕に付ける事にする
「テンキちゃんって、何でも出来るね」
「流石に何でもは出来ないよ……」
そして、そろそろ風が冷たく感じる冬に入りかける
〜2限目、魔法薬学〜
「舞踏会?」
「そう。舞踏会」
今年、最後の行事をまたもトシュテンヴェリンから聞いた。そういえば、鬼ごっこ時にフセフォーロド王子が何か言って居た気がする
「美味しいモノ有る?」
「食いつく所そこ? まぁ、美味しい物は一杯あるだろう」
楽しみだ
「ドレス着て、お化粧もバッチリ決めてパートナーと踊るのがメインよ。この行事を機に意中の人に一気に近づけるかも!」
「うむ」
意中の人はどうでも良いが、美味しいモノが一杯有るなら行くに限る
「ダンスの相手は当日までに決めておく人が多いな……そろそろ、誘われ始めるんじゃないか?」
ダンスの相手は当日までに決めても良いし、その場で口説いて踊っても良いらしい。私は特に踊る予定も無いので相手を決める必要は無い
「エスコートしてくれる男子は必要よ?」
「大丈夫だよ。踊れないし」
「ダンスの授業が有るぞ」
「マジで⁉︎」
何と、当日までダンスの授業が入るらしく全員踊れる様になるんだとか……私は特に必要無いのだが、必須らしく私も受ける必要が有るらしい
「憂鬱……」
「ドレス姿、楽しみにしてるな」
ニカッと笑って言うトシュテンヴェリンを殴りたくなったのは内緒だ
「で、ヘタレ。この少なさは何?」
「仕方ないだろう」
放課後の何時もの訓練に来ているのは私とヘタレonlyである。他の子達はまだ来ておらず、どうしたのか心配になる
「大丈夫かな?」
「お前じゃないんだから、大丈夫だろ」
「失礼だな!」
誰も来ないので
「どうする? 2人でやる?」
「仕方ないな」
2人で暫く組手をしていると、オレーシャとマルビナがやって来たので、
「どうしたの?」
「あぁ、この時期大変だな……」
「舞踏会のダンスのお誘いを断ってたんだヨ」
成る程。ならば、他の3人もお誘いを断っている可能が有るのか……特にヴィヴィちゃんは大変だろう
「マルビナは誰と踊る予定?」
「オレーシャ」
「何で⁉︎」
まさかの展開に叫んでしまった
「マルビナは凄いヨ。女の子にモテモテ」
「成る程ね。だから、オレーシャなのね」
予想通り、マルビナは同性にモテモテらしく、舞踏会当日はタキシードを着て行く様だ
「お前は?」
「私は踊る予定無いから、誰もいないよ」
美味しい食べ物を目当てに行くのだ、っと2人に言うと呆れられた。その後はノエリアとアントニエッタが疲れた顔で登場し、ヴィヴィちゃんは来れなかった
次の日の放課後も、更に次の日の放課後も、ヴィヴィちゃんが来る事は無かった
訓練も終わり帰り際にサルヴァトーレに会ったのでヴィヴィちゃんについて聞いてみた
「ヴィヴィちゃん、かなりお誘い来てるみたいだけど大丈夫?」
「うん。帰って来たらグッタリしてるけどね」
「大丈夫じゃないじゃん」
ヴィヴィはやっぱりモテる為、こう言う行事ごとは大変そうだ。そこで、ふっと思うのが目の前のイケメンもモテるのだから大変なのでは?
「サルヴァトーレは大丈夫なの?」
「……? あぁ、男は誘われる事は無いよ。男は誘う側で女性が誘われる側。女の人から誘う事は滅多に無いよ」
「そうなんだね」
今、気がついたがサルヴァトーレはシレッと船に乗っている。私の家まで送ってくれるのだろうか?
「テンキは? 誰と行くの?」
「私は予定無し」
そういえば、ヴィヴィちゃん達みたいに誘われて無いな……っと思って若干の虚しさを感じた
「君が? 全部断ったの?」
「ううん。全然」
虚しくなってくるので、この話は此処で終わらせよう。その後は、たわいもない話をしサルヴァトーレと盛り上がった。部屋の前に着き、
「んじゃ、おやすみ。また明日ね」
そう言い、サルヴァトーレは額にキスして帰っていった。
「……えっ? 何アレ?」
突然の、それに引く私は部屋に入り、ホラーゲームをした
そんな私の姿を、青い髪のヴェールを被った女性が見ていた……




