胸ポケットにin
「間も無く、敵陣側に入る。テンキ戦闘になれば、ヴェンと出来るだけ隠れていろ。ヴェン頼んだ」
「了解。任せなって」
「宜しく」
小さく可愛い小動物になった私はトシュテンヴェリンの胸ポケットにinして、顔だけ出している状態だ (因みに、この小動物は四足歩行である)
私以外の面々は、ゆっくりと出来るだけ見つからない様に移動する。暫く歩くと銃音が聴こえてきたので皆、物陰に隠れて様子を見る
「どうやら、近くで戦闘をして居る様だ」
「先に行ったチームがバレたのかもな」
「様子を伺いつつ進む」
草と木で身を隠しながら、そっと近づいて行くと
「マズイな……もう少し迂回して行く事にする。あっちだ」
フセフォーロド王子がルートの変更を指示。私達はそれに従って進むっと
「あ、敵発見!」
「お前は待機な」
「うわぁ」
トシュテンヴェリンが飛び上がり木の上に登った。高っ! 今、小さいので余計に高く感じる
「居たぞ⁉︎ コッチだ!」
「バレたな……応戦する」
「「「はい」」」
「了解よ」
「うむ」
フセフォーロド王子の声かけに、息の合った返事をする3つ子ズと、その他。ヘタレは緊張からか返事が出来ていなかった
「勝てる?」
「大丈夫だろ」
暫くすると、音は止んだので戦闘が終了した様だ。トシュテンヴェリンは木から飛び降り、フセフォーロド王子と合流する。王子は私達を確認すると先に進む様に促した
「ヘタレ……ヘタレになって無かった?」
そっと3つ子ズに聞いてみたが
「前に見た時より動けてたわよ?」
「うん。助けられちゃったし」
「わ、私も」
ヘタレは強くなっている様で置いて行かれた気分になった
「僕だって、何も出来ないままじゃマズイって思ってるんだよ。それなりに頑張ってる」
「その域だ」
「男前度上がったんじゃないの?」
「うむ」
ちょっと誇らしげなヘタレに寂しさを感じながら、歩き続けると、洞窟の入り口を発見。前には数人の見張りがいた。私達は物陰に隠れて他のチームを待つ事に
「数チームが着いたが、あと何チームかは、まだの様だが待ってられない。突撃する」
無線でそう言うと同時に数ヶ所から銃声が鳴った。此方のチームが撃って交戦を開始したらしいので私達も動く
「行くぞ」
私達と他のチームは一息に洞窟内に入り込み、銃を持って居る人達が警戒しつつ前を進む。私達は後ろの方だ。
「暗いね」
「声は響く。話すな」
怒られてしまった。
岩場を警戒し、先に進む先輩方の動きを見ながら思うのが、銃を構え先の安全を確認しながら先に進む姿は、なんだかドラマを見てる気分になる。此処まで来ると、もう学生同士のお遊びには思えない
向こうに灯りが見えた。誰か居る様なので私達は物陰に隠れて様子を見る
『数人居るな。どうする?』
先行して居た先輩からの無線にフセフォーロド王子は様子見だと言った途端に後ろから銃声が鳴り、数人に被弾した。
「囲まれた。思ったより速かったな」
入って来た入り口の方からも敵が来た様で囲まれてしまう
「仕方ない。戦うぞ」
そう言い、戦闘が始まった。私はランシーヌの頭の上に乗り、共に岩場で見守りに徹する
「怖っ……これもう学校行事じゃないよ」
「今更じゃない」
確かに今更だが、私は今まで城から出て無かったのでココまで本格的だとは思わなかったのだ。交戦の様子をドキドキしながら見ていると、
「あら? アンセルモでは無くて? テンキは……お城かしら?」
「でしょうね」
「どうだろうな? さっき連絡入ったろ? 城に攻撃したがアイツ出て来なかったらしいって」
「そうだったネ。なら、この辺に居るのかナ?」
何と此処でアントニエッタ、ノエリア、マルビナ、オレーシャに遭遇してしまった。しかも、城に居ない事がバレている
「げ……」
「アンセルモ……何ですの? その嫌そうな顔」
この4人と此処で会うのはマズイ。こんな小動物の姿でも私だと一瞬でバレてしまう。もう殆どバレているが、助けられそうに無い。頑張れヘタレ!
「時間も無いし仕方ない。此処は任せる!」
そうフセフォーロド王子が言うと
「仕方ない。後は宜しく」
「頑張ってね……」
「お、応援してるね?」
「うむ」
「頑張ってらっしゃい。何とか食い止めるから!」
どう言う事だろうか?
「アンタとフセフォーロド様とトシュテンヴェリン様と他の何人かで先に進むのよ! 私達とは此処でお別れ! ほら行ってらしゃい」
そう言って微笑んでくれた。この子が私に微笑む事が有るなんて、驚きだが素直に嬉しく思う




