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掌サイズの愛くるしい小動物

 

 朝起きると、ベット脇ににトシュテンヴェリンが腰掛けて座って居たので、取り敢えず朝の挨拶を


「おはよう」

「おう。起きたのか、おはようさん」


 爽やかな、笑顔に癒されながら体を起こし部屋を見渡すと、エライ事になっていた


「わーお……」

「昨日の夜、大変だったみたいだな?」

「大丈夫だよ。フセフォーロド王子も来てくれたし」


 そう言うと、トシュテンヴェリンは頭をクシャクシャに撫でてきたので、髪が大変な事になった


「俺は城の外に出てて、居なかったから朝戻って来た時ビックリしたぞ」


 どうやら彼は夜の内に前線に行って、ベルンハルトや他の兄弟が居ないか、又誰が居るか確認しに行っていたらしい。無線で襲撃の連絡は有ったが私の部屋がこうなっているとは思ってなかったらしく、驚いた様子だった


「まだ、日が昇って無い内に帰って来て、少し休憩したらロドと交代したんだよ」

「何の交代?」

「お前の護衛」


 何と、私が寝ている間は、あのフセフォーロド王子が此処で見張ってくれていたらしい。ツンデレか


「結構心配してたぞ? 揺すっても叩いても起きないから」

「叩いたんだ……」


 あの王子の事だ、結構バシバシされたのではないか? それにしても寝てる間に護衛が付くとは、重役になった気分である


「あ。ありがとう! ゴメン。疲れてるのに」

「良いって。俺は男だから全然問題ないんだよ。んじゃ、起きた事だし、飯でも食いに行くか!」


 軽く身支度を整えて部屋を出て、ご飯を食べに行き、終われば王の間へ。そこには、もう皆んな集結しており、私達が最後の様だ


「遅くなりました」

「構わない。君は良くやってくれているからな」


 王子は意外と寛大らしく、1夜丸々寝てしまって居た私を咎める事は無かった


「魔力はどうだ? 戻ったか?」

「はい。バッチリです」


 私がそう言うとエスペランサ王子は微笑み、仕事に戻った。私は昨日と同じく暫く待機の為、隅っこの方で体育座りで出番を待っておく


『此方、相手の動きはまだ有りません』

『此方も有りません』

「よし、このまま警戒を続けてくれ」


 暫く、睨み合いが続きそうだ




 〜〜〜〜〜〜


 事態が動いたのは昼過を過ぎた辺りだ。前線に又もベルンハルトが登場し押され始めたっと報告が入った


「ロド、例の作戦を決行する」

「了解しました」


 王子兄弟が何かを話して居るのを盗み聞きして居ると、フセフォーロド王子は皆んなを此処に呼ぶ様に誰かに言った。暫くすると、ヘタレ、3つ子ズ、ピッチー、オカマとトシュテンヴェリンが集まり、何かをする様だ


「何ボサッとしてる! お前も行くぞ!」


 私も何処かに行く予定らしい。理由を聞くと、このまま、押されたら早くて明日には押し切られて負けて仕舞う為、今の内に打てる手は打っておく事にするらしい


「此処の守りはいいの?」

「後は城の奴等でやる。本当は、お前は此処に居た方が良いのだが、状況が状況だ。成功の確率を上げる為にお前を連れて行く」


 成る程……


「私達は今から、夜に奇襲を仕掛ける為、動く」

「まあ、お前は俺が守ってやるから!」


 トシュテンヴェリンが心強い事を言ってくれたので、頼る事にする。


 そして、私達はこの城を出て、戦闘をしている前線を迂回して敵の城まで移動する事に。私達の他にも数チームが組まれ、それぞれ敵の城まで行く予定だが、その分此方の守りが甘くなるので、一刻も早く敵の大将を倒さねばならない




 外に出ると氷はもう溶けており、船を使わないと城から出らてないので、船で近くの陸まで移動する


「2日ぶりの外だ!」

「お前、引き篭もってたもんな……」


 ヘタレに会うのも何だか久しぶりの気がする。ヘタレだけでは無い。3つ子ズもピッチーも孔雀もだ


「で、どういうルート?」

「ルートは洞窟を通って侵入するのが最も早く、効率が良いが、当然そこも対策済みだろう。なのでそこに数チームぶつけて、混乱に乗じて洞窟を通る」

「あ、テンキはこれ着ててな」


 トシュテンヴェリンにフード付きのローブを渡された


「お前がコッチに居る事がバレたら、城に攻撃を仕掛けられる。出来ればバレたく無い」


 私が城に居ない事がバレれば、城に攻撃が行く可能性がある為、出来るだけバレないように動かなければならない。ならば!


「じゃあさ、秘策使っても良い?」

「秘策?」


 私は自分の口から出す魔法を呑み込むと……


「きゃ〜! 可愛い!」

「何これ!」


 耳は兎の様に長いが垂れ耳で、背中に羽が有り、鳥の羽根を3枚引っ付けた様な尻尾で全体的に黒い毛皮に覆われた掌サイズの愛くるしい小動物に変わった

 コレは、夏休み中に怪しげな人に魔法を習った変身の魔法だ。私は、口から出す魔法を呑み込み自分の、強化や変化に使える事を最近知った。実に便利だ。


「こんな姿で戦えるのか! それに、そんなに小さくなったら魔力が持たないだろ!」


 そう、この魔法にはデメリットが有り、それはこの状態だと魔力がジワジワと減って行くのだが、減って行く魔力の量が私の魔力の回復スピードと一緒の為、問題無く使える。そう王子に伝えると、もう何も言わなくなった


「大丈夫よ〜。出来るだけ私達が戦うわ。ね?」

「うむ」

「し、仕方ないから戦うわ!」

「頑張るね」

「が、頑張る!」

「何とかするよ」


 上から、孔雀 (イニャキ)、ピッチー (ファリゴリ)、 ランシーヌにアルレーヌ、リスチーヌにヘタレだ。ヘタレ以外、頼もしく感じる。有り難い


「仕方ない……その姿の方が見つかりずらいだろう。良し! では、出発だ!」


 かくして、私達は夜に奇襲を図る為、敵陣を移動する事となった








 愛くるしい姿で、いざヴィヴィちゃん達の元へレッツゴー!

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