「ほら、これで誰も攻めて来れない」
恐ろしくテンションが上がっていた私は自我を無くし、好き勝手暴れるが王子のチョップで自分を取り戻しました。
「取り敢えず、君は待機」
「イエッサー……」
待機を命じられてしまった。つまらないな……
「向こうは、さっきので甚大な被害が出ていると思うが、最前線どうだ?」
『此方に動きはありません』
「分かった……」
何時もの戦争なら、とっくに地上戦は始まっているらしいが今回は私の所為か何故だか知らないが、まだ地上戦は始まっていない。何もする事の無い私はお茶を飲み、まったりしておく
「地上部隊、行けるか?」
『はい、問題ありません』
「なら突撃だ!」
『『『はっ!』』』
先制攻撃 (地上戦)は此方から仕掛けるらしい。第1陣が攻撃を開始した。向こうからの魔法による攻撃は、止んでおり私の出番は本当に無い
「暇ー」
「向こうは、数度の攻撃で魔力が尽きた可能性があるな」
「それなら、好都合なのですが……」
さっきの私の無駄撃ちで、向こうは【防御】を張り続けた為、魔力が尽きた可能性があるとの事。
私は全然平気なんだけどね
「化け物め」
「酷い! 善良な女の子捕まえて化け物なんて」
「何処が善良だ。さっき思いっきり、悪役の言葉を吐いていたぞ!」
確かにテンション上がって色々言っていたが、化け物は酷い……流石の私でも傷つく
「3つ子ズ、何かする事ない?」
「えーと……その……」
「あ、水張ってるとか?」
「あ、忘れてた」
3つ子ズのリスチーヌに聞いたがオドオドとしていた為、アルレーヌが答えてくれた。さっきので水の事すっかり忘れてたいたので再開する
暫く経つと、地上戦が激化してきたらしく、かなりの激戦らしい。既に向こうの陣営は、さっきの魔法攻撃により何人か戦闘不能になっていたので、向こうの戦力が上でも持ち堪えられているそうだ。私のお陰である。そんな事を思いながら、私はボンヤリと水を補充し続ける
『すみません王子! 山より大量の水が流れて来ていて、引けません!』
『此方も、大量の水で身動きが取れません!』
「何があった!」
王子達が慌てている。どうやら、周辺が水浸しで足が取られて動けない様だ。何が有ったのだろうか?
「お前は! いつまで水を出している! かなり酷い事になってるぞ!」
「え?」
下を見ると、あら不思議。何処にも地面は無かった……それ何処か古城の一階部は浸水していて入り口は水の中だ。いつの間にか池ではなく湖になっており、此処から水が色々な場所に広がり味方の陣営に被害が出ていたらしい。
「わーお……」
「わーお、じゃない! どうやったらこうなったんだ!」
「本当、凄いな!」
ボンヤリと水を出し続けていると、凄い事になっていた。
「ほら、コレで誰も攻めて来れない」
「お前は馬鹿か! 味方もかなり被害が出てるぞ! コレじゃあ、向こうにも攻められるか!」
最もである。
「ゴメン! 気がつかなかったんだよ。こんな事になってるなんて……」
「お前、自分の魔力の多さを理解してないな?」
ヘタレに呆れた感じで言われた。他の皆んなも頷いている。すみません……さっきから、邪魔しかしていないので、大人しく端っこで体育座りしてションボリしておく。すると、いつの間にか寝ていた。
「いたっ!」
突撃脳天に衝撃が走り飛び起きた。目の前にはフセフォーロド王子が居り、手はチョップの構えをとっていたので、どうやらチョップされたらしい
「起きろ。いつまで寝てる気だ」
「申し訳ない」
辺りを見渡すと、もう薄暗く、あれから大分時間が経っているらしい
「今から交代で休憩を取る。お前は、さっきまで寝てたから後だ」
交代で休憩する為、3つ子ズとヘタレ、トシュテンヴェリンは先に休み、私達は城の高台の部分に行き見張りをするらしいので高台の部分へ
「今日の攻撃で、かなり前線は押上られた。向こうが回復する前に更に押上たい」
「難しいんじゃない?」
「うむ」
私を置いて話す3人。外はもう暗いが、月が出ているので、わりと明るく見えやすい
私は、さっき思いっきり魔法を放った時に何処まで飛んだのかを確認する為、双眼鏡で辺りを見渡していた。私が魔法を飛ばせる範囲は大体、今日前線を押上た何処までの様だ。向こうの古城までは全然届いていない。
そこで、ふと思った。この古城から向こうの古城までかなりの距離があるが、私の魔法でそこまでしか飛んでいないのに果たしてベルンハルトは此処まで飛ばせるのか?
「王子ー。シルヴォック第1王子の魔力量知ってる?」
「は? あぁ、【500】だ。かなり多いと思うが、お前には及ばないな」
「じゃあさぁ……奴って魔法何処まで飛ばせると思う?」
「は?」
始めは、ベルンハルトが古城から古城まで魔法を飛ばしていたと思っていたが、私があの距離迄しか飛ばないのに、チートだからって古城から古城に攻撃出来るものなのだろうか? 出来ないなら、奴は何処にいた?
「あの魔法って多分ベルンハルトなんだよね?」
「恐らくな。途中に飛んで来た黒い球体は間違えなく奴だろう」
なら、ベルンハルトは古城には居ないのではないか?
「私で、あそこまでなんだけど……ベルンハルトって城から此処まで魔法届く?」
「あ……っ⁉︎」
フセフォーロド王子は慌てて何処に行ってしまった。やっぱり、いくらチートでもこの距離は届かないのか。その後、王子は慌てて私を王の間 (私が勝手に呼んでいる)まで呼び戻した
「君の予想通り、ベルンハルトは城にはいないだろう。此処まで魔法が届いたということは最初は前線の近くに居た可能性が高い」
こちらの大将は休んでいたのだが、弟に起こされたらしい。因みにシルヴォックの第4王子も起きてきていた
「前線からなら届くんですか?」
「恐らくな」
「まぁ、それくらいならベルは問題ないだろうな……」
流石チート。確かにその辺りなら私も届く。何故だろうか、自分も奴と同じチートに思えてきた。マズイな……私は一般人だよ! 多分
「これも推測だが、奴が始めに魔法で攻撃してきたのは、君の魔力を削ぐ為ではないだろうか?」
「何故です?」
「人間の力が強くなるのは昼だが、魔族は夜。恐らく夜に仕掛ける為、君を疲労させておこうとしたのかもしれない」
魔族は、元々夜の一族で人間は昼。人間と魔族が共存する様になり今では、どちらの種族も昼に活動している事が多いが元々、彼らは夜の一族。夜の方が強い為、夜に仕掛けてくる気だったのかもしれないが……
「君が、予想以上に魔法をぶつけて来たので前線にいた面々が大打撃を受けた。その中にベルンハルトがおり、今は休み回復しているのかもしれないな」
っというのが王子兄の推理である
「まぁ、俺は始めから可笑しいとは思っていたけど」
「じゃあ、言えよ」
しかし、あの攻撃は良かったらしい。テンション上げて、ぶっ放ちまくって良かったよ。




