怖っ!
時が過ぎるのは早く、もう夏休みに入った。鬼ごっこの時に全滅してしまった赤組、青組、緑組は夏休みが減ってしまったので、大人しく今日も学校に行き補修授業を受けなければならない。
「はぁ……終わったー! 何で夏休みに学校来ないといけないのさ……」
「仕方ないだろう? 僕ら全滅したんだから」
鬼ごっこで真っ先に捕まったヘタレに文句を言いながら門を出ると
「あれ? 第1王子?」
其処には私服姿がとても素敵なベルンハルトがいた。こんなに暑いのに外で誰か待っているのだろうか? そのベルンハルトは私を見つけると、何故か寄って来て腕を掴み何処かに引きずって行った
「何するの⁉︎」
聞いてみたがそのまま無言で引き摺られて行ったので、助けを求めて後ろを振り向くと、いつの間に来たのかマルビナとヘタレが合掌していた。おいっ!
暫く、無言で連れられ歩いていると、見覚えのある家を発見。其処に引き摺られて入って行く。此処はシルヴォック邸の様だ。そのまま、ベルンハルトは自室に私を連れ込んだ
ファンにバレたら殺されるな……
ベルンハルトの部屋は相変わらず、黒と赤で統一されたお洒落な部屋だ。周りを見渡すがサルヴァトーレの姿は無い
「座れ」
ベルンハルトは未だに立ったままの私に座る様に促してきたので、お言葉に甘えて私はフカフカのソファに腰を下ろした
「何の用?」
「……お前は帰省するのか?」
「え? あーいや、しないよ。親戚と折り合い悪いから、帰っても邪険にされるだけだし……」
「そうか……」
会話が続かない。どうすれば良いのだろうか?
「この前の続きだ。お前は20で魔女になると言ったが覚えているか?」
「うん」
急に、この前の話をしだした
「お前の魔力は年月を重ねるごとに多くなっている。それは増えている訳ではなく、元に戻っているんだ」
「どういう事?」
「お前は元から魔女だ。だから長い時間をかけて魔女に戻ろうとしている。つまり力を取り戻そうとしている」
元から魔女……衝撃の事実だ。私のこの魔力の多さは魔女だから? 魔女に戻ろうとしてるから、これだけの量が有るのだろうか?
「20歳で大体の力は戻るが、全快するまでには程遠い。お前はオリジナルの複製だから、それ以上の力は得られないが、それでも結構な魔力だ」
「オリジナルの複製……」
オリジナルの魔女は確か2人と言っていたが、他の魔女達は複製なのだろうか?
「この話は此処までだ。話を変える。お前は【永遠の愛】を信じるか?」
「え? 永遠の愛?」
永遠の愛なんて言葉、この男の口から聞けるとは思わなかった。しかし、この男は冗談なんて言わないので、こんな事を言うのは恐らく何かあるのだろう
「そう言う聞き方するって事は有るんでしょ?」
「あぁ。そういう呪いだ」
呪い……前にも言っていた様な気がする。
「私に有るの?」
「あぁ。だから、これだけは忘れるな。お前の誰かを愛する心は自分の心で無いと知れ」
とんでもない事を言われてしまった。今まで誰かを好きになった事は無いが、誰かを好きになれば、それは私の気持ちでは無いのか? どういう事だろうか?
「どうして……」
「お前の幸せは続かない。何故なら破滅を呼ぶから」
「……」
そういう呪いか……私は……
「どうして、教えてくれる気になったの? 私、賭けに負けたけど」
「これ以上は言わない。だが、時が来たら自ずと答えも見えてくる」
言っている事が、よく分からないが今はまだ教えてもらえないが、後で分かるっという事だろう。そんな事を考えていると
「テンキ⁉︎」
バンッという音を立ててサルヴァトーレが入って来た
「ベル……何故こんな事を。僕が知らない所で話すなんて」
「お前は一々煩いからな。邪魔の無い所で教えてやっただけだ」
サルヴァトーレはベルンハルトに詰め寄る。距離がとっても近い。私は出て行った方が良いのだろうか?
「何処まで話した?」
サルヴァトーレの声がかなり低くなり怖い。だが、ベルンハルトは動じる事なく
「【永遠の愛】と【魔女帰り】だ」
「ベル……」
それだけ聞くとサルヴァトーレは無言で私の手を掴み立たせ、引き摺る様に部屋から出した。そして、そのまま無言で家の外に出て、無言で船に乗り、無言で家まで送られた。怖っ!
声をかける勇気は私には無かった
部屋に入り、端末を見るとヴィヴィちゃんから、メールが来ていた。内容は「ベルンハルトがテンキちゃん連れて帰って来てたよってサルヴァトーレに言っちゃった。ゴメンね」っと言う内容だった。あれ、チクったのヴィヴィちゃんだったのか……取り敢えず「サルヴァトーレがかなり不機嫌そうだから宜しく!」っと言う内容を送った。結構無責任だが、仕方ないのだ。かなり怖かった
今日はサルヴァトーレが怖かったので、その怖さを打ち消す為
ホラーゲームしよっと!




