表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/99

三つ巴の戦い

 

 もうすぐ始まるので、偽自販機の中に隠れて開始を待つ。中は通気性を良く作ったので、涼しく快適だ。

 ヘタレの話によれば、今年は青組と黄組に戦力が、かなり集中しているらしく、緑と赤がかなり不利だ。因みにマルビナとノエリアは青でオレーシャは黄、アントニエッタとオカマ、3つ子ズは緑でピッチーは私と一緒の赤だそうだ。アントニエッタやオカマ、3つ子ズ、ピッチーも案外運が悪かったらしい




 ボーン……ボーン……


 何処からか鐘の音の様な物が聞こえ、これが開始の合図らしく、このテントの外にいる人達は一気に散って行った。私は端末を開き、片耳にイヤホンを指して中継を見る。この鬼ごっこは小型の飛行型カメラが飛んでおり捕まった人達は一ヶ所に集まって、この実況を見て観戦するらしい。私は動く気が更々無いので此処で観戦しておく。


『赤組、どんどん減っていきますね……青が全然減っていません』

『緑もです。減っていってますが、中々黄色が捕まりませんね』


 開始して、そんなに時間は経ってないのだが、かなり減っているらしい。因みに実況係がいるらしく、実況中継されている


『ヴィヴィ、ロド。そっちに行ったから、任せたね』

『分かったわ、ヴィー』


 今、青のヴィヴィちゃん達が息の合ったコンビネーションで、緑を追い詰めていた。


『くっ流石、兄上。速いな……』


 一瞬、フセフォーロド王子が映った。どうやら、彼の兄上から逃げているらしい。それから、暫く色々な人が映ったが、


『うーん……テンキ何処かな?』

『直ぐに捕まると思ったが……』


 このツートップの発言に背筋がピンとなった。直ぐに場面が変わる


『うわぁー!』


 とんでもない顔のイニャキ(オカマ)が映ったが一瞬で、それも変わった。このテントの外は凄い事になっているらしく此処から出るのが怖くなった



 暫く、中継を見ていると放送が入った。


 《緑組は全滅しました。これより、青は黄色を追います》


 緑全滅したー⁉︎ 割と呆気なく終わったな……


『ヴィヴィ……今から、お前の彼氏を……サルヴァトーレを捕まえに行く。見ててくれるか?』

『うん。頑張ってね』


 フセフォーロド王子を見ていると笑いそうになった。そんなに力まなくても……


『ロド! それにヴィヴィアンヌ! 見つけたぞ!』

『なっ⁉︎ 兄上⁉︎』


 まだ、赤組は粘っていたらしく、格好よく決めていた弟の邪魔をする兄。兄はそのまま、2人を追いかけようとしたが、


『すみません、エスペランサ王子。捕まって下さい』

『なっ⁉︎』


 サルヴァトーレが、そこに乱入し大変な事になった。フセフォーロド王子はサルヴァトーレを追い、サルヴァトーレはエスペランサ王子を追い、エスペランサ王子はフセフォーロド王子を追った。正に三つ巴の戦いだ。因みにヴィヴィちゃんは、もう此処には居らず何処かに逃げたらしい


『くっ……流石、サルヴァトーレ、速いな』

『エスペランサ王子。テンキ何処か知りません? 見つからないんですが』

『私は知らないぞ! というより、ロド! 大人しく捕まれ』


 会話しながらハチマキを奪い合う3人。とっても白熱している。サルヴァトーレはサラッと私の居場所を聞いていたが、王子は答えなかった。ありがとう!


『何している、サルヴァトーレ。後、赤はそこのエスペランサとテンキだけだ』


 ベルンハルトが言う。驚いた。もう、赤組は全滅間近なのか。ヘタレは何をしていたのか……


『ベルンハルト……っち』

『あ、兄上……』


 兄上はベルンハルトが来た為、部が悪いと思ったのか戦線離脱し、ベルンハルトとサルヴァトーレから離れたが、それを追うサルヴァトーレ。そしてサルヴァトーレを追うフセフォーロド王子。見ててハラハラする。誰が勝つのか……そして、誰がヴィヴィちゃんを制するのか……乙女ゲームを見ている気分である


『くっ。サルヴァトーレ。観念して捕まれ』

『無理。こっちにも事情があるんだ』


 事情とは恐らく私との約束だろう。そんなに言いたくないのだろうか?


『仕方ないな……』


 サルヴァトーレはチラッとフセフォーロド王子を見ると方向転換し、その戦いから身を引いた。それを追うフセフォーロド王子だったが息が上がっていて、とても追いつける気がしない。サルヴァトーレは、まだ息も上がっていなかったが、引いたのは恐らく後ろにいたフセフォーロド王子を引き連れて離れ、ベルンハルトにエスペランサ王子を任せる為かと思われる。現にベルンハルトは、息の上がっているエスペランサ王子の前に余裕そうに立っている


『はぁ……はぁ……ベルンハルト……』

『1つ聞くが、テンキの居場所を知っているか?』

『……彼女は噂通りの子だ。私より君の方が知っているのではないだろうか?』


 どういう噂だろうが? かなり気になるが……


『ふぅ……まぁいい。直ぐに見つかるだろう』


 そうベルンハルトが言うと、凄い速さでエスペランサ王子に向かって行った。エスペランサ王子は、それをギリギリで避け、走り出したが……


『残念だったな』


 気がつくと、ハチマキはベルンハルトの手の中に有った……




『残るは、テンキ1人だ』








 背筋がシュンとした……

次で【鬼ごっこ】が終わると思います。案外続かない……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ