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巨大な生物

 

 ゆっくり、近づいてくる恐ろしい生き物。こんな生き物、私は見たことがない。横のヘタレは私の腕にしがみつき震えている。このヘタレ! ヘタレは当てにならない為、私は1人でどうにか倒さねばっと思い【氷系魔法(バラス)】の魔法で氷柱のような物を作り吹き矢の如く吹いて、ぶっ刺した


『ギシャャヤァァ!』


 凄い声を上げて、謎の生き物は死んでしまった。終わった……しかし、この生き物、血の色が赤色だ。肉食なのか……っと思っていると、川がブクブク言い出し、巨大な手が出てきた。その手で体を支える様にして、水面から巨大な顔と胴体が這い出てきた。顔は人に酷似しており、女の人の顔の様にも見える。胴体はかなり細く頭は異様にデカく、足もあり四足歩行の様だ。私達は言葉もなくそれを見上げた。


『ギシャャヤァァ!』


 さっきの生物と同じ鳴き声をあげた。さっきのは、この生物の子供だろうか? 横にいるヘタレは腰を抜かしたのか、座り込んでいる。


「テンキちゃん!」

「無事か⁉︎」


 ヴィヴィちゃんと、ベルンハルトが来た。ベルンハルトの焦った声を始めて聞いたよ


「なんじゃありゃ⁉︎」

「凄いのがいるね……」

「うわー」


 トシュテンヴェリンとニキートビィチ、ヴィアンリが登場。続々と集まってくる。


「アレは……」

「何だアレ……」

「何ですの⁉︎」

「ダメです。皇女様!」

「ウソッ⁉︎」

「おいおい……」


 サルヴァトーレとフセフォーロド、アントニエッタにノエリア、オレーシャ、マルビナまで来た。全員集合だ


「ロド! テンキとサルヴァトーレ、我が兄弟以外を連れて此処から引け!」

「しかし……」

「良いから引け!」

「……分かったよ!」


 フセフォーロド王子は皆んなを連れて引く様だ。私は?


「こい、アンセルモ! テンキ! お前もだ」

「テンキは此処にいさせる」

「正気か⁉︎ こんなんでも、女だぞ」


 こんなんで悪かったな!


「理由がある。コイツは俺が見てる」

「しかし……」

「ロド、お願いするよ」

「サルヴァトーレ……分かった。ヴィヴィアンヌは……」

「此処だ」


 フセフォーロド王子は渋々、他の面々を連れて下がった。それを確認すると全員、武器を召喚し構える。あの生物はまだ、水辺から完全に出ていないが、ゆっくりと確実に上がって来ている。この巨大な生物が見ているのは私だ。私を狙っているのだろうか? 怯える私の前にベルンハルトが立った


「お前は此処にいろ。いいな」

「分かった……」


 巨大な生物が手を上げて私目掛けて振り下ろしたが、ベルンハルトはその手を斬り落とした。


『ギシャャヤァァ!』


 さっきと同じ悲鳴の様な鳴き声が辺りに響く。そのまま、シルヴォック勢は戦闘を開始した。ベルンハルトだけは動かず手を前に出しているだけだった

 川辺からは、さっき倒した人の顔に手足のある生き物が続々と上がって来ている。私だけ何もしないのもアレなので、さっきと同じように【氷系魔法(バラス)】の魔法で氷柱のような物を作り吹き矢の如く吹いて、ぶっ刺してチマチマ倒していく。


「もう良い……準備できた。離れろ」


 ベルンハルトは兄弟+αを下がらせた。すると、


「【砕破】」


 物凄い轟音が辺りに響く……その攻撃は、謎の生き物の顔の半分を吹っ飛ばした。何チュー威力だ。やっぱり、コイツはチートだった……その生き物は、かなりの血を撒き散らしながら地面に倒れ、川は生き物の血で真っ赤に染まり、それ以降、川から子供らしき生き物は上がって来なくなった。どうやら勝った様だ。私何も役に立ってない……守られるヒロインの様だ。私はヒロインになりたいんじゃない! ヒーローになりたいんだ!


「大丈夫? テンキ」

「私? 全然問題ないけど?」


 何故私に聞くのか。しかしこの生物、川はあんな巨体が沈んでおけるくらいの深さはないのだが、何処から現れたのだろうか。謎だ……


「貴方達、大丈夫⁉︎」


 フラビア先生と七竈先生と軍の人達が慌てて走ってやって来た。先生方から話を聞くと、この島は弱っちいのはいるが、こんなモンスターは居ないらしい。実施地練前に予め、軍の人達が調査をするらしいが、今回こんな生き物が出てきた為、問題になるかもしれないらしい。大変だ。


「大丈夫か、ヴィヴィアンヌ!」

「ロド……」


 フセフォーロド王子は相変わらずヴィヴィちゃんしか見えないらしい。他にも居るぞ。他の面々もやって来たが先生は船に行く様に指示したので、此処に残って居る生徒は私とベルンハルト、サルヴァトーレだけになった。私も船に行こうとしたが森の奥が気になって、私は森の奥を見た

 そこは、また赤くて染まっていて、小さい奇妙な生き物がいた。ただ、さっきとは違い此方を向いている。その生き物は口を開いた


「ダメだよ、テンキ。アレは君を惑わすモノだ。アレの話を聞いてはいけない」


 私と、その生き物との間にサルヴァトーレが割って入って来た。どういう意味だろうか……気になるので横にずれて向こうを見ようとした瞬間、


「少し寝ていろ」


 背後から目元を手で覆われ、何故だか急に眠たくなった。私は聞きたい事も知りたい事も沢山有る。頭は何かを聞こうと考えているのに、意識はどんどん闇に落ちていく








 私が意識が落ちる直前に最後に聞いた言葉は、サルヴァトーレの「おやすみ」だった。


 その姿を小さく奇妙な生き物はジッと見ていた

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