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特別な人

 

 暫く歩き回っていると、何処か拓けた場所に出た


「凄いっ」


 そこは、綺麗な水辺に草原、大きな木が数本有る、とても神秘的な場所だった。不思議な事に洞窟の中なのだが、何処からか光が入って来ており、辺りが光に照らされて、より神秘的に見える。奥の方に何やら扉が見えるが何だろうか?

 此処が何処だか分からないが綺麗な場所が見れて、気分が良くなったので、私は口から【バブル】を出してシャボン玉の様にし、プカプカさせていると


「此処に、人が来るなんて珍しいね」


 大きめのバブルを作っていたら、突然後ろから声が聞こえてきて驚き、力加減を間違えてしまいバブルが『パンッ』っと大きな音が鳴り割れた。しかし、それを気にするよりも声を掛けられので、振り向いて答えないと感じの悪い人になってしまう。私は慌てて振り向くと


「おぉうぅ……」


 金髪の髪に前下がり気味の髪型をした、目を開けていられないくらい眩しすぎるイケメンが居た


 めっちゃイケメンや! っは! 違う!


 私の脳内が騒がしいが、それよりも目の前のイケメンは驚いたような顔をしていたので


「珍しい?」


 っと尋ねてみるとイケメンは何やら考えながら、こっちらをジッと見つめて


「 ……あぁ……此処は、特別な人しか見つけられないから、人が来るのは珍しいんだよ」

「特別?」

「うん」


 イケメンは微笑んでそれだけ言った。これ以上は追求しても語ってくれなさそうだ。何が特別なのか……


「ここに来たばっかりで道に迷ってフラフラしてたら、いつの間にか、この場所に来てしまってたんです」

「……新入生かな? ここ、入り組んでて迷路みたいだからね」

「いえ、編入生です」


 と答えると、目の前の眩しすぎるイケメンは驚いた様な顔をした


「編入生? 珍しいね。何年だい?」

「2年です」


 成る程、編入生が珍しいのか。どうやら、もう直ぐ入学してくる新入生と間違えられたらしい。私、童顔だからな


「なら、僕と一緒だね」


 っと目の前の眩しすぎるイケメンは微笑んだ


「どの辺りから来たんだい?」


 っとイケメンは尋ねてきたので、何処からきたか考えてみる。私は何処から来たっけ? あぁ、市場の方からだ


「市場の方から来たんだけど……」

「市場……あぁ、あそこの市場かな?」


 同い年ならタメ口でもいいだろうか?


「取り合えず、その辺まで送るよ」

「えっ⁉︎ 悪いからいいよ! 道さえ教えてくれれば!」


 イケメンに道案内させるなんて…バチが当たりそうだ


「大丈夫、僕も市場に用事があるから」


 そんな眩しい笑顔で言われたら断れないし、ここまで言われて断るのも失礼なので、お願いしようと思う


「じゃあ、お言葉に甘えても……」

「うん、行こうか」


 そのまま、彼は此処から出て行こうとする。彼は此処に何かしに来たのではないだろうか?


「あ、えっと……此処に何かをしに来たんじゃ……」

「え? あぁ。ただ、見に来ただけ。ここって綺麗な所だからね。気分転換に」


 ……大丈夫だろうか? かなり迷惑では? 私がワタワタしているのを面白そうに見ていたイケメンは、


「大丈夫。いつでも来れるし」


 っと言ってくれたので、お言葉に甘えてイケメンに付いて行った。しかし、隣にイケメンがいるのって落ちつかないな……何か話し振った方がいいのかな? っとそわそわしてたら、眩しすぎるイケメンの方から話しかけてくれた


「そうそう、自己紹介がまだだったね。僕の名前は」


 どうやら自己紹介してくれるらしい


「【サルヴァトーレ=カランコンエ=シルヴォック】どうぞ宜しく」

「ふぁっ⁉︎」


 今⁉︎ シルヴォックって言ったか! マジで⁉︎


  【シルヴォック】は、かなり大きな国で今居る国【ユエソンヌ】も大きい国だが、この国よりも大きいはずだ。【シルヴォック】は魔族の国で人間は少なく、他の魔族の国よりも大きく強い国として知られている

 ……その国の王子だろうか?


「王子ですか?」

「……あー……王子では無いよ? 王子の従兄弟にあたるんだ」

「おぉう」


 マジでか⁉︎ 王族じゃんか⁉︎ 成る程な、王族だから眩しすぎるくらいのイケメンなのねっと勝手に思っておく


「君は?」


 相手は名乗ったのに自分は名乗らないのは礼儀知らずだ。驚き過ぎて忘れていた


「私は烏兎 天妃。こちらこそ宜しくお願いします。あー、天妃の方が名前で」

「あぁ、よろしくテンキ」


 私はなんて呼んだらいいのか……王族だしな……


「あぁ。一応、王族だけど此処では貴族、王族なんて沢山いるから 畏る必要は無いよ? むしろ、学校では皆平等だから王族や貴族に会っても、へり下る必要は無いんだ」


 成る程。貴族・王族は多いのか。だから、こんな所で出くわしたのね


「皆からは普通にサルヴァトーレって言われてるよ」

「じゃあ、サルヴァトーレで」


 それからアパートに着くまでの間、私はイケメンと話をした。このイケメンはオルレーヌに住んでいるらしい。まぁ、王族となれば中心部に住むと思う。学校は中心部だし


 そうこうしている内に市場が見えてきて、市場の手前で私が借りているアパートを発見した


「あ、ココ! ココ! ココが私の住んでる所!」


 っと私はアパートを指差しながら言う


「あぁ、此処か……市場と近くて良い所だね」


 確かに近い


「今日は、どうもありがとう」


 アパートの前で私は目の前のイケメンにお礼を言った


「どう致しまして。あ、校内でも困った事が有ったらいつでも言って。力になるから」


 優しいな……このイケメン


「ありがとう」

「後、困ってるからって知らない人には着いて行かない様にね?」


 っと眩しすぎるイケメンは左目を閉じて笑った。ウィンクである。イケメンがすると何でも様になるな……


「君、なんだか美味しそうだから、気をつけてね」


 恐ろしい事を言われた気がするが、聞き返す前に


「じゃあね」

「あ、うん、ありがとう」


 イケメンは、去って行った


 だいぶ疲れたので部屋に戻ることにする。そして、部屋に帰ってから気づいた








 ……ご飯、買って無い

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