あれは嘘だったの⁉︎ 酷いわ!
王子は、ガンガンと容赦なく攻撃してくる。私はさっきの3つ子ズ戦同様に避け、追撃が来ない様に火を吹く。隙をみてチラッと周りを見ると、ヴィヴィちゃんしか立ってなかった
早いよ……
アントニエッタとノエリアはベルンハルトに一瞬でやられたらしい。ヘタレも一瞬で、他のメンバーは少し持った様だが直ぐに終わってしまった様だ。ヴィヴィちゃんは持ってはいるが、そう長くは持たないだろう。しかし、有り難い事に勝った面々は、こちらに乱入してくる様子はないので、これなら何とかなるかもしれない
「ちょこまかと!」
それ、さっきも言われたよ。コッチからも攻撃する事にする。私は息を大きく吸い込み、《微風》をかなりの出力で出すと王子は吹っ飛んだ。
「おい……それ!」
「ブリーズだよ」
「何⁉︎」
皆んな、この反応するよね。まぁ、気持ちは分かる。体制を崩している隙に追撃する。【水系魔法】の応用、【氷系魔法】で足場を凍らせて動きを封じる。そのまま、【雷系魔法】の《雷火花》をぶつけた。口から雷出すって結構シュールだよな……
「ぐっ!」
王子は結構キツそうだが、それは当たり前だろう。私の魔法は下位魔法でも中位魔法ばりの威力が出る。勝負有っただろうか?
「まだだ!」
そう言って立ち上がってしまった。もう良いじゃん……終わりにしようよ
私の願いは届く筈もなく、彼は凍っていた足場を【炎系魔法】で溶かして、攻撃を続けてきた。しかも、さっきより早いんだが。
「さっきは女だからと、手を抜いたが此処からは本気でやる」
「マジで⁉︎」
さっき全力で行くって言ったじゃんか。あれは嘘だったの⁉︎ 酷いわ!
っと心の中で悲劇のヒロインごっこをしながら、私も頑張る
「いい加減に倒れろ」
「ヤダよ。ヴィヴィちゃんに良いとこ見せるんだ!」
「良い所を見せるのは私だ!」
何の話か分からなくなって来たが、ヴィヴィちゃんの事が気になったので、奴が離れた隙にチラッと視線を向けた。ヴィヴィちゃんは、もう座り込んでいる。立ってるの私だけか⁉︎
「ロド、手伝おうか?」
「結構だ!」
ニキートビィチがとんでもない事を言って来たが王子は却下してくれた。ありがとう王子! 他の王族ズのメンバーは傍観態勢に入っているので、どうかそのままでいて欲しい。私と王子は激しく攻防を続けるが、そろそろ私の体力が限界に近く、このままではマズイ。魔力は全然問題ないのだが
「そんなに魔法ばっかり使って、そろそろ魔力も限界にだろう? 素直に倒れたらどうだ?」
「ヤダよ。何か王子には負けたくないし。それに魔力は全然平気だよ」
「化け物め」
酷い言い草だ。化け物呼ばわりされたが、化け物なのは御宅のチームのベルンハルトだろうがっと、少しカチンっと来た私はちょっと意地悪をしてみる事にする。【水系魔法】の《噴水》を口から出す。それを段々と細くしていき高圧水洗浄機ばりの水圧で攻撃する。流石に向こうも焦って避けていたので、そのまま高圧水洗浄機攻撃を続けていると流石に息が続かなくなり止める。視界の隅にヴィヴィちゃんが動くのが見え一瞬、気がそちらに逸れた瞬間に
「私の勝ちだ」
「うぐっ」
引き倒され馬乗りになられ口を押さえられた。口を押さえられても、そこまでキツく押さえてないので薄っすらと口が開く為、魔法を使おうと思えば使えるが……どうするか。すると、ヴィヴィちゃんが徐に此方を向き言った
「テンキちゃん……使って」
私は、ヴィヴィちゃんを見る。ヴィヴィちゃんは真剣な表情だ。私は王子の手を、ペロッと舐めた
「……っ⁉︎」
王子は慌てて私の口から手を離す。ヴァカめ!
「分かったよ。んじゃ、皆んな行くよー」
そう言うと意識の有った、ヴィヴィちゃん、オレーシャ、マルビナ、ヘタレは耳を塞いだ。ほかの2人は気を失っているので大丈夫だろうか? 後で文句言われたりしないだろうか? 仕方がないので、私は大きく息を吸い込むと、
『キャァァアァァアァァ!』
【絶叫】を使った。近場でモロに食らったフセフォーロド王子は気絶、他のチーム全員が膝をつき耳を押さえて苦しんでいる
流石に気を失ってはくれないか……あのベルンハルトも膝を付いている! 何か勝ち誇った気分だ。というか、王子重い。ヴィヴィちゃん助けて!
私の上に乗った状態で王子が気絶した為、下から抜け出す事が出来ず王子の下でモゾモゾしていると、ヴィヴィちゃんは宝箱の中から魔石を取り出し私の方へ来て、
「えいっ」
「えっ」
王子を蹴って私の上から落とした。扱いが……
既にマルビナとオレーシャがアントニエッタとノエリアを担いで逃げる準備をしている。ヘタレも居るので、後ろはヴィヴィちゃんに任せて戦略的撤退をする
戦略的撤退だから! 負けた訳じゃないから!




