ヌイグルミを背負っているんじゃなくて、ヌイグルミに抱えられてるみたいに見えると思う
「で、リーダーどうするの?」
「私でしょう! ねぇ? ノエリア!」
「当たり前です」
「それでいいよ?」
ヴィヴィちゃんも良いらしいので多分、アントニエッタに決まりかな? ヘタレがハーレムになるな
「まぁ、戦力の問題はないでしょう」
「後は、他だよね……」
「あぁ」
「他?」
他とは? 確かに戦力は十分すぎるほどだ。むしろ誰も近づいて来ない気がするが……いや、チーム王子ズがいたわ。チーム王子ズとは、ベルンハルト、サルヴァトーレ、ニキートビィチ、ヴィアンリ、トシュテンヴェリンに、フセフォーロド王子がメンバーのグループだ。若干一名、王子ではないが似たような物なので王子ズっと私が勝手に付けたのだ。確実に、あっちの方が強い
「まぁ、この話は今度にしましょう。せっかく詳しそうな人がいるのですから、試してみたいのです!」
「何を?」
「プリクラです! 貴女、1回くらいはした事あるでしょう?」
プリクラなら、何回も撮っているが……もしかして、アントニエッタは撮った事がないのだろうか? しかも、横のヴィヴィちゃんも目をキラキラし始めた。2人共無いのだろうか? ノエリアも心なしかソワソワしている。君もか
「プリクラなら何回かあるよ? ゲームセンター行く?」
「行きましょう! 仕方ないのでヴィヴィアンヌも写る事を許可します」
「行こう、行こう」
はしゃぎ出しただと……皆、可愛いよ。プリクラ撮ったら見える所に飾っておこうか!
カフェを出てゲームセンターまで行く。ゲームセンターに着くと、オレーシャが銃のゲームしていた。遭遇率凄いな……
「よう! どういう組み合わせだ?」
「さっき、そこで事件が起きてね。そこから、ご一緒してるの」
マルビナも居た。オレーシャとマルビナに経緯を説明している間に、ヴィヴィちゃんとアントニエッタが銃のゲームをしている。アントニエッタは銃が得意というだけあって、かなりの高得点だがヴィヴィちゃんは更に上を行っている。流石ヴィヴィちゃん!
「なら、そのメンバーに私達も入れてヨ」
「ちょっと、困っててさぁ」
「3人とも、どうする?」
今だにゲームを続ける2人と見守る1人に聞いてみる。一度目はヴィヴィちゃんの圧勝で終わったが、もう1回っとアントニエッタが駄々を捏ねた為、第2ラウンドに。ノエリアはアントニエッタの隣で応援に夢中。
「私はいいよ。人数多い方がいいからね」
「私も良いですわよ」
「なら、私も」
了承を得たので2人が仲間になった。しかし、凄いグループになってしまった。女子では、言わずもがなヴィヴィちゃんが全てにおいてトップ。銃では2番手らしい、アントニエッタに剣の腕前は2番手のマルビナ、3番手のノエリアに槍では2番手のオレーシャだ。錚々たる面子だ。私とヘタレは……うん。考えないでおこう。そしてヘタレはハーレムだ。戦力は問題ないが他の問題が……
「2人は料理出来るの?」
そう、料理や食材面で心配なのだ
「できないぞ」
「出来ないヨ」
2人から聞くに、市場で惣菜を買って食べているらしい
「アンセルモも良く来てるぞ」
「偶に会うヨ」
「マジか……」
このグループ、戦力は問題ないけど他が怖いな。特に料理だ。アントニエッタとヴィヴィちゃんは家に家政婦が居るらしく、自炊は無理。ノエリアもアントニエッタと一緒に住んでいる為、言わずもがな。唯一出来るのは、第4王子のトシュテンヴェリンらしいが、今回のグループにトシュテンヴェリンはいない。どうなる事やら……
「ヴィヴィアンヌ! もう1回ですわ!」
「アントニー……プリクラ撮らないの?」
「はっ!」
完璧に目的を忘れていたらしいアントニエッタ。慌ててプリクラの方まで行く。そんなに慌てなくても良いのに……
「プリクラ撮るノ?」
「うん。皇女様と王女様は撮った事ないんだって」
「よーし! 混ざるか!」
2人も混ざる事に。皆んなで機械の中に入り、フレームなどを選ぶ。経験無い3人が主にキャッキャしながら選んでいた。選び終わり、撮影。終わって落書きブースでも主に経験無い2人がキャッキャしながら落書きしている。ノエリアはアントニエッタの横で画面に釘付けだ
「あの3人、初めてなのか……」
「貰っちゃったね」
「言い方際どいヨ」
またも、3人で雑談。
「あの2人は仲良いのかな?」
ヴィヴィちゃんとアントニエッタの事だ。確か、アントニエッタはサルヴァトーレが好きでヴィヴィちゃんにヤキモチを焼いている筈だったが
「仲は微妙だな……ただ、国同士が今かなりピリピリしてるから、此処だけでも仲良しアピールしとこうって魂胆だろうと思うぞ?」
「別に皇女様ハ、王女様の事嫌いでは無いと思うヨ。実力は認めてると思うシ」
「成る程ね……」
その後、描き終わったプリクラを皆で分けて、ゲームセンターで暫く遊んだ。マルビナはクレーンゲームが得意で色々取っていた。私には何故か私と同じくらいの大きさの、クマのヌイグルミを取ってくれた。どうやって持って帰ろうか……
「遊んだ。遊んだ」
「楽しかったね」
皆んな楽しそうに前を歩いているが、私だけデカイぬいぐるみを背負っている為、遅れている。本当に、このヌイグルミがデカイ。もう、ヌイグルミを背負っているんじゃなくて、ヌイグルミに抱えられてるみたいに見えると思う。道行く子供がコッチを指差して、「お母さん、クマ!」とか言っているのが聞こえる。それを見たオレーシャが私を指さしながら大爆笑していた。指差すなし
皆んなでカフェに入って一服。ヌイグルミを置く所が無いので、椅子にクマのヌイグルミを座らせて、私がその上に座った。それを見たオレーシャがまた、大爆笑している
「凄いね……」
「写メってイイ?」
「ヤメテ!」
皆んな、思いの物を頼んだが、ヴィヴィちゃんの頼んだ物が凄かった。動物の血が入ったクッキーと血が入ったミルクを頼んでいた。美味しいのだろうか……
皆んなで暫く雑談するが、ふと、外が気になった。此処は1階で窓から外で遊ぶ子供が良く見える。もう、夕方なのか周りが赤く夕日が出ている。
外で走り回る子供達の中にナニかが居た。それは、恐ろしい姿をしていた。到底人には見えない。長い耳。ギョロっとした目。耳は長く尖っており、目は顔の半分まである。口は小さく、鼻は無かった。姿は他の子供達と、あまり変わらないくらい小さい。そして、指は3本だった。
3本……この前の痣の……サイズは同じくらいだろうか
その生き物が動きを止めた。私からは後ろ姿しか見えない。その生き物は、ゆっくり此方を向いた。目が合った。その瞬間、その生き物の口が大きく耳まで裂け、鋭い牙の並んだ口の中が見えた。アレは ナ ン ダ
「……っ……ちゃ……キ……ちゃん…… テンキちゃん!」
「うわ⁉︎」
ビックリした。あまりに集中していた為かヴィヴィちゃんが呼んでたのにも全然気付かなかった
「テンキちゃん大丈夫?」
「どうした? 疲れたか?」
「大丈夫、大丈夫!」
皆んながコッチを心配そうに見ていた。取り敢えず、誤魔化しておく。もう一度、外を見るが、そこには子供しかいなかった。空を見ると夕方なので薄っすらと赤いが、さっき程赤くはない。さっきは、かなり真っ赤で夕日が有ったのだが良く考えると、この都市は崖に囲まれていて、夕日が見えない。夕日を見るなら、崖の上にある展望台まで行かないといけないのだ。こんな所で見れるはずがない。おかしいと思うのに、何故だか私は、
酷く懐かしく感じた……




