王子傷ついてるよ?
謎の昼休みも終わり、教室に向かう。ヴィヴィちゃんとお昼を取り損ねた為、お腹が切ない
教室に着き、席に座る。勿論、ヘタレの隣に。アンセルモは凄く嫌そうな顔はしたが、何も言わなかった。
「どうした? 何か、元気ないな」
「筋肉痛だよ」
筋肉痛は痛いし、お腹も空いたし、悲しくなってきた。
「それは、さっきの授業で聞いた。他にも有るだろ? 情けない顔になってるぞ」
「余計なお世話ですー。元からこの顔だよ!」
元気出てきた。あ、お腹がキュ〜っと悲しい音がした……
「はぁ……お前、昼食ったのか?」
「食べ損ねた」
呆れた顔をされた。私の不調? が空腹なのに呆れた様だ。
「心配して損した。仕方ないな。ほらっ」
「え、ありがとう!」
鞄から、吸うタイプのゼリーを出して私にくれた。本当にコイツは良い奴だ。何時も嫌そうな顔されるけど、ちゃんと私に付き合ってくれる。まだ、数日しか経っていないが、かなり迷惑かけているのだが、心配してくれたりと本当に良い奴である。
何時も1人でいるので友達居ないのか、とか思っててゴメンな! これからは私が友達だ!
っと心の中で本人が聞いたら怒りそうな事を考えながら、貰ったゼリーを飲んでいく。
「ご馳走さま。ありがとう。お礼にコレあげる」
私は鞄から袋を出してきた。その中身は
「だから何でお前はキューリを持って来てるんだ!」
キューリを渡した。最近、市場で安売りしていたのを、大量買したのだ。特にキューリが好きと言うわけではない。ただ、おやつ感覚で食べているだけだ。そう言うと、ヘタレは何も言わなかった。ただ、疲れた顔をしているだけだった。
ついでに、キューリも齧っていると(微温くて微妙だった)3つ子ヅが教室に入って来た。3つ子の赤い子 (ランシーヌ)は私を見るなり詰め寄ってきた。
「ちょっと! アンタ! どういうつもり!」
「何が?」
キューリを齧りながら聞く。「食べてからにしろよ……」とか隣から聞こえたが無視する。行儀が悪いが仕方がないのだ。
「何食べてんの⁉︎」
ランシーヌも驚いている。後ろの2人も同様だ。
「そうじゃなくて! この前、ベルンハルト様と一緒に居たでしょう! どういう関係なの!」
そう言って私の胸ぐらを掴み、前後に揺さぶった。ヤメテ! ゼリーとキューリが出てしまう! それに、筋肉痛にも響く!
「それに、今日も一緒に居たでしょう! どういうつもりなの! しかも、アンタ、口から火吹いたって聞いたわよ! どうなってるの!」
振り回されている私には何を言っているのか理解出来ないが、取り敢えず止めて欲しい。マジで出る。横のヘタレは辞めさせようと、頑張ってくれているらしいが、般若の形相の女子相手に強く出れないらしい。この、ヘタレ! 後ろの2人も止めようと居てくれているみたいだか、止まる気配はない。
「そこまでだ」
「ちょっ!」
ようやく、ブリブリに振り回されていたのが止まった。突っ伏す私。口論する、ランシーヌと誰か。その誰か、ありがとう!
「皇女様が仰っていた。シルヴォックは魔力の多いコイツに興味があるのだろうと。あの国は魔女に詳しい」
誰かと思えば、ノエリアだ。どうやら、ランシーヌの腕を掴んで止めてくれたらしい。
「ノエリー! ゴメン、ありがとう」
「大丈夫か? いらぬ嫉妬は避けるべきだ。危機感くらい持て」
一瞬顔をしかめられた。ノエリーは嫌だろうか? しかし、この人は頼れるお姉様な感じだ。マルビナは頼れるお兄さんって感じだった。本人には失礼だが
「ランシーヌちゃんがゴメンね? ベルンハルト様の事になると、つい興奮しちゃうみたいで……」
白い子、アルレーヌは言った。ランシーヌはベルンハルトが好きなのか。恋する乙女は可愛いな!
「べ、別にそんなんじゃないわよ! だいたい、編にゅ……」
グェーーーー。グェーーーー。
「あ、始まる」
取り敢えず、全員席に座る。この教室の机は3人がけなので、私、ヘタレ、ノエリア。前に3つ子ヅという席順になったので、ヘタレが居心地悪そうにしている。ハーレムだな! っとニヤニヤしていたら、ノエリアに叱られた。すみません……
授業はモンスターに付いてだった。モンスターは普通の動物と違い、草食系のモンスターは血の色が青いく、肉食系のモンスターは血が赤いのだ。赤い血のモンスターは基本的に人も襲うので、気をつけた方が良い。しかし、血が青いモンスターも縄張りに入ったりすると、襲ってきたりするので、気をつけよう!
そんなこんなで授業も終わり、次へ行かねば。ヘタレはホットしていた。周り女まみれだったもんな。まだ、ランシーヌがブーブー言っていたが放置し、次の授業に向かう。次はヴィヴィちゃんと同じ授業なので、 お昼の事謝らねばっと思っている。急いで教室に行き、ヴィヴィちゃんを待つ。暫くすると、女子がキャーキャー言い出したので、とってもデジャヴな感じがする。入って来たのはユエソンヌの第2王子、フセフォーロド王子だった。王子はチラッとコッチを見たが私をスルーしたので今回は嫉妬の目はないだろう。
「テンキちゃん、早いね」
ヴィヴィちゃん登場。王子が反応し、こちらの様子を伺っている。私が居なければヴィヴィちゃんの隣に来ていただろうが、私がいる為どうしようか迷っているのだろう。ドヤァ!
「お昼はゴメンね。何かよく分からないけど拉致られちゃって……」
「ううん、大丈夫。ベルから聞いてたから。あ、それサルヴァトーレの?」
そうだった。サルヴァトーレはヴィヴィちゃんの彼氏だ。その彼氏の指輪を着けてるなんて、流石にマズイ。私がワタワタしていると、
「あ、そういう意味じゃないよ? 事情は大体解ってるから、安心して?」
良かった、嫌われたらどうしようかと思った。
「ヴィヴィちゃんは何で、この指輪くれたのか分かるの?」
そうだ。1番疑問だったんだ。痣があると何故、分かったのか。何故、指輪をくれたのか。
「詳しくは、分からないよ? それを知ってるのはベルとサルヴァトーレだけだから」
「何で2人だけなの? ヴィヴィちゃんやヴィーは?」
「王位を持ってる人は秘密を教えて貰えるけど、私やヴィー、ニキ、ヴェンは王位ないから」
「えっ!」
何故⁉︎ ベルンハルトは解るがサルヴァトーレあるの⁉︎ 何でヴィヴィちゃん達無いの⁉︎
「言っておくけど、サルヴァトーレのお父さんの方が私のお父様の兄に当たるからね」
「何故⁉︎」
王様って兄がなるものでは? ダメだ。庶民の私には王族事情は解らないよ……
「詳しい事は言えないけど、ある年に生まれた子供は王位に必要な【力】を持って生まれてくるの。同じ年の兄弟が多いのはコレの所為。ヴェンだけは、この年じゃなかったけどね」
なるほど……だから、兄弟が多いのか。こんなに兄弟って固まっているものなのかと、ずっと不思議だったのだ
「で、その【力】を持って生まれてきたのが、ベルとサルヴァトーレなの。だから、2人に王位がある。でも……サルヴァトーレはベルに勝てないから、次代はベルだって言われているの……」
成る程! だからサルヴァトーレは、あんなに悔しそうにしてるのね!
「だから、その2人がテンキちゃんを気にしてるって事は私の知らない王家の秘密に関係してると思うの。だから、私も聞かない様にするね。サルヴァトーレの事で私に遠慮しないで!」
やっぱりヴィヴィちゃんは王族なのだ。話せない事は言わないし、聞いてはいけない事は聞かない。しっかり、線を引いている。私も王家の事で余計な事は聞かないでおこう。
「ヴィヴィアンヌ」
フセフォーロド王子が我慢出来なくなってコッチにやってきた。ついでに周りの女子の視線もコッチにきた。やっぱり、ヴィヴィちゃんの事が好きな様だ。ニヤニヤしてきた。
「あ、ロド。一緒の授業なんだね。気づかなかったよ」
「なっ!」
ヴィヴィちゃん⁉︎ それは、酷いと思うけど……王子傷ついてるよ……同情するよっと思っていた私が居たが直ぐに居なくなった。私を睨んできた! 私の所為ってか! コイツ、腹立つわ。
「もう直ぐ授業始まるよ? 座らないの?」
「隣いいか?」
「え、隣はテンキちゃん座ってるけど……」
「……」
振られてる! ザマァ!
無言で此方を見る、遠慮しろと言う事らしい
うーん……ヴィヴィちゃんと一緒に居たいが、この国の王子に逆らうのもな……問題ないと前にサルヴァトーレが言っていたが、どうしたものか……
私が困りはてていると、ヴィヴィちゃんが
「私はテンキちゃんと座るの! ロドはアッチ行って!」
ヴィヴィちゃん……王子傷ついてるよ? そして王子、私を睨むな。グダグダしていると、合図が鳴った。王子は渋々、前の席に座ったが最後まで私は睨まれた。解せない。
授業も無事終わり、ヴィヴィちゃんと筋肉痛に耐えながら教室を出る。何故か王子まで付いて来て、談笑している私達を見て、後ろでキーッて顔をしているがスルーしておく。私は次の授業があり、ヴィヴィちゃんは無いので帰るらしく、お別れしなければならない。
「テンキちゃん休みの日、空いてる? 遊びに行かない?」
「勿論!」
「ヴィヴィアンヌ、私も……」
「ロドはいいの!」
ヴィヴィちゃん…… 王子が傷ついてるよ? (3回目)そして王子 、私を睨むな (2回目)
そんな感じで2人と別れた。最後まで王子は私を睨んでいた (2回目) 後でサルヴァトーレにチクっておこう。
ヴィヴィちゃんと遊ぶ約束ができたので、幸せな気分のまま次の教室に入るが一気に気分は急降下した。そこには私の天敵、ニキートビィチがいた。此方に気がつくと、手を振って来た。終わった……
〜〜〜〜〜〜
地獄の授業も終わり、筋肉痛を無視して全力疾走で門まで走る
凄いよ私。筋肉痛が嘘の様だ! 嘘です。ごめんなさい。凄く痛いよ。
運良く、船があったので乗り込み家まで帰った。明日は、とうとう剣の授業が……憂鬱になりながら私は、ゲームの、電源を付け
ギャルゲーをした。




