4.38 ラキシス様からの加護
頭の中が、少し容量オーバーですが、そろそろ、当初の目的をたっせいしなければ。
『なんとなく理解しました。
が、今日の本題は、スザンヌへの加護についてです。
スザンヌは、メリーナ様からは加護が与えられないと言われました。
今回、ラキシス様がスザンヌの転生をさせたのなら、ラキシス様から加護をもらえるのでしょうか?』
「ああ、忘れていたわ。もちろんそのつもりよ。
私のスザンヌ。
大きくなりましたね。
ジルベールにも会えたし、ちゃんと婚約もできたのですね。
おめでとう。
心から祝福するわ。
与えた魔力の可視化も、未来視も含めて使えているようで良かったわ。
計画以上にうまく行ってまね、ジルベールがいてくれたおかげね。
本当は、この場の集まりは後2年後の予定だったのです。
未来が少し変わっていますが、転生者のジルベールが関わっていますからでしょう。
異界からの転生者は、未来を変える力がありますから、若干の変更は想定内です。
恐らくは、ジルベールが神格化までできるほど成長している影響なのでしょう。
今のところ良い方向に変わっているので、このまま見守りましょう。
さて、スザンヌへの加護ですが、もう与えましたので、安心してください。
ただ、メリーナの与える加護とは質が違うので、心配でしたが、メリーナから神具を貰ったのですね。
安心しました」
『ありがとうございます』 3人でお礼を言う。
「ラキ姉さんの未来視の計画が、壮大すぎて。
私何も言えないのですが、とりあえずOK?」
「メリーナ、あなたは今回ジルベールに神格化の力も授けたの?
それは私の未来視では見えなかったけど。
それに、前回と違って空間魔法に、回復魔法まで使える」
「私が与えたのは神の目と術よ。
全属性の魔法の許可に、時間・空間、回復とかとにかくジルベールの魂の容量がたくさん空いていたから、
付けれる物は全部つけました。
神格化は良く解らないし、勝手に特殊召喚もできるのも、どうしてかは知らないわ」とメリーナ様。
注意。会話の一部、都合の悪い部分は、スーとマリアには聞こえていません。
アロノニア様が補足してくれた。
「神格化は、神の力を持つ者ならば、総魔力量が多ければ使えます。
私たち、神と人間は、総魔力量が大きく違います。
普通の人間は、多少の加護やスキルを与えても総魔力量が少なくて使えないはずです。
竜王ハバムートが神格化を使えるから間違い無いでしょう。
はあ、ジルベール、私のことをそんなに見つめてもプレゼントはありませんよ」
ガク。
え、また見ちゃいましたか。
もう、無意識になったな。
「そうなの、うーん、ジルベールは、確かに人間とは思えない総魔力量ね。
アロノニア姉さま、どうして、総魔力量がそこまで多いか解る?」とラキシス様がアロノニア様に聞くと、
「そうね、ジルベールが精霊の化身ならそのぐらいの総魔力量になるけれど、
見た感じ、ジルベールは人間ね。
確かに元の容量はとても大きいけれど人の枠の範囲よ。
恐らく、努力と根性だけで増やしているように思えるわ」
『なにかすごい言われようですが、魔力の可視化を上手に使って、
魔力操作の繰り返しと、大量消費を繰り返せば総魔力量が増えます。
私は特に小さい頃から魔力操作を繰り返し、
特殊召還や神格化で魔力を大量消費しているから、総魔力量が多いのだと思います』
「そうなの? よく解らないけど、努力で増やしたのね。
ジルベールは、努力家なのね。偉わ」とラキシス様が褒めてくれた。
『私の考えでは、資質の100倍までなら増やせるのだと思っています。
普通の宮廷魔道士が300ぐらい、聖女が3000と言われています。
おそらく宮廷魔道士は、3万が上限。聖女が30万上限だと思ってます』
「資質の100倍ね。ジルベールとマリアは成人したときに3000~4000になるように調整したから、
最高で30万~40万の間ね。
あら、ジルベール、私がそんなにかわいすぎるって、もう」とメリーナ様。
あっ、爆弾発言入れられた。
「スザンヌは、先ほど加護として総法力量の資質を1000底上げしたから、
ジルベールが言う様に鍛えれば、10万まで増えるの?
未来視の力は与える魔力量で未来視の時間も質も変わるから、片目でも、昔よりも未来を見える様になるのかしら」
『え、片目でも ってどういうことですか』
「さきほど、加護を与えたでしょ。スザンヌの左目は、未来視の目よ」
私のほうを見るスザンヌ。
顔を見て、更に鑑定を使う。
元は、銀髪に右:金眼、左:青眼。
それが、左目が虹眼になっていた。
「スー、左目が虹色の目になってる」
「え、ほんと」と言って、かばんから手鏡をだして見る。
さすが女子。ちゃんと鏡を持っている。私のマイボックスにも念のため入れておこう。
「ほんとだ、なにこれ?目が虹?」
私が、スキルを鑑定の結果も告げる。
「未来視微小が未来視中になってる。微小が戦闘中0.5秒先、小が1秒先。
中は、戦闘中に数秒先の出来事まで見通せる。
当然魔力は先の時間を見るほど増える。
通常時で現在は最長1日先に起きる周りに影響を及ぼす事がおぼろげに見えるらしいよ」と教えてあげた。
それを告げると、
「うーん。未来視は、実感無いなー。あとで、確認するわ。
それより、帰ったらお父様にどう説明したら良いのかな」
『ところで我々が建国の3人だというのはなんとなく分かりましたが、
それではスーレリアの兄はどうなっているのでしょうか?』
ラキシスが答える。
「彼は、この世界で生まれ、この世界で寿命を迎えて死にました。
残念ながら寿命で死ぬとその魂は浄化され、再び同じ魂となり転生する事はありません。
彼は、あなた方と異なり、ちゃんと人生を生きれたのですよ。
つまり、残念ですが、今世ではいません」
『そうですか、ちゃんと寿命で。メリーナ様の目指している死に方ですね』
「スーレリアには、私が未来視を、兄のヨハンには何も与えていません。
元々商人の才があり、頭も良かったのですが、そういった意味では、私もメリーナ同様、力を与えた人が寿命で死ぬケースは無いのですよ」
『へー、力を与えると、人生は優位に進めるはずだけど、その人生は短命になるのは異世界転生だけではないのか』
そして、私は自分のステータスを確認すると、
朱雀王ガルダ、水龍王イシスの召還が可能になっているのを確認した。
ここで、召還しても大丈夫なのか聞いたら、ダメと。
もっと広いところで実施するように厳重注意されました。
そして今の魔法の何倍の強いはずなので、試し撃ちは安全を確保してからにするよう注意を受けました。
最後にメリーナ様が。盛大に手を振って、
ラキシス様は、ちょっと軽く手を振る。
アロノニア様は、軽く笑ってくれた。
そして、3神が消え、時が動き出します。
大神官様が、近づいて来て、スーの目を見て驚いていますが、
内緒にしましょうねと警告だけ行い、王城に戻りました。
「王様には、ラキシス様から加護を貰ったと説明し、
私と一緒で、目の色を変えるイヤリングをした方が良いと思いますよ。
虹眼は、紫眼と同様に希少ですよね。
文献によれば、一流の占い師が片目虹色と聞くので聖女と同クラスでしょうか」
では、明日は学校を休まないと。
明日も、王城で一緒に過ごしたいから、できれば泊まってくださいと、
スーから頼まれたので、約束をしました。
今日は、いろいろなことがわかった。
全てを消化しきるのには、少し時間がかかりそうだな。
知らない別人の魂まであると言われても、急には納得できない。
徐々にだな。
その日の夜、スーと一緒に王様王妃様に目のことを説明に行った。
加護を貰った理由は、女神から話すなと言われているとして、内緒にした。
女神様からならと、それ以上のツッコミは無かった。