4.22 ルカ・ラルクバッハ2
そして、次の日の朝、朝食に集まると、少年を見ていた侍女長が慌てて王に報告に来た。
王は報告を聞き、信じられないという顔してから、
「昨日の少年が目を覚ましたので、朝食に来る」といわれて、少し待つことに。
5分ほど待つと、少年が現れた。
そしてその姿に私は驚いた。
両目が金眼だった。
王が「両目が金眼か」とつぶやき、
メルミーナ公爵に問い合わせると言っていたが、私はそれどころではなかった。
両目が金眼
しかも、呪いの解除ができるほどの能力があり、聞いた感じでは、そのほかの魔法能力も非常に高い。
これは、どう考えても私を飛ばして王の後継者候補1位ではないか?
見合いの話どころではない。
暫くは、動向の調査が必要だ。
その後の報告を聞くと、王宮騎士よりも剣が優れ、そのレベルは剣王を超える。
魔法に至っては、王宮魔道士が足元にも及ばぬほどの実力の差があると解った。
まだ10歳なのに、規格外も規格外。
ちょっと頑張れば手が届くというものではない。
建国の王がそうであったように、両金眼とは、これほどなのか、
これで10歳とはどういうことなのか、その才能に嫉妬した。
見合いが終わった後に、私は、妹2人からの意見を聞いた。
当然のように2人ともジルベール選んだ。
他は眼中に無い。
まあ、そうだろ。
顔も良いし、強くて頭が良い。
選ばぬ道理が無い。
私でもそう思う。
その日に結論は出なかった。
次の日、学校に行くと、久しぶりに出てきたアレクサンドロ公爵家の次男オレリアンが話しかけてきた。
これは、珍しい現象だ。
オレリアンは、金眼であるにも関わらず、兄と比較して自分が優れていないと、何をやる時でも退いてしまいがちな性格。
私の従者として付き従いはするが、あちらから必要以上の事を話しかけてくることは稀だった。
オレリアンは「王女との見合いに出ていた、ジルベールと言う少年を知っているか?」と。
彼が、他人に興味を持つのも珍しい。
やはり、彼にとってもジルベールはそれほど衝撃的だったのだろう。
「2妃の呪いの解除については知っている、剣も、魔法もすごいのだろ」
「ああ、すごい、それよりも聞いてくれ。
彼が、私に光魔法が使えると教えてくれたんだ。
宮廷魔道士の中にいた光魔法を使える人に教わったら、本当に使えるんだ。
すごいぞ、光魔法だぞ!」
と、興奮気味に。
そういえばそんな報告もあったような気がする。
あまりにこの数日におきたことが多すぎて、忘れていた。
そうか、光魔法の使い手は、この国では数名しかいない希少な存在。
希少すぎて学校での魔法訓練に組み込まれていないから、余計使える人がいない悪循環だったのか知れない。
オレリアンが続けて、
「宮廷魔道士に見てもらったら、火や風よりも光に対する特性が上らしくて、
これから頑張ればかなりの光魔法が使えて、
剣とあわせれば魔物も簡単に切れるんじゃないかって、言われたんだ。
お父様も、お兄様もすごく喜んでくれて、俺、頑張るわ」と息巻いている。
ふーん、あのあと、宮廷魔道士数名が、ショックで倒れたとも聞いたが、
良い方向にジルベールの効果が出た人もいるようだ。
まったく、この数日、悩ませてくれる。
「良かったな」と一言言うと、
「いままで何をやってもどうせ兄さまに勝てず、
このまま爵位すらも無くなるのだとやる気が出なかったが、おれはやるぞ。
伝説のレイブリング将軍を目指す」
と言って、訓練場に行ってしまった。
大丈夫かあれ?
頑張りすぎて、倒れるなよ。
それにしても、目下の悩みは第1王女の相手だ。
かぶってるのに、どうするんだ。
そして、私の事も。
シドニアに行くしかないのか?




