3.17 メルミーナの急な来訪
「ジル、ジルベールはいるか」
ジルたちが王都に出かけた3日目の朝に、ジルベールの家の玄関で響く声。
リリアーナ様があわてて駆けつけ訪問者であるメルミーナ様と話を始める。
ジルベールが王都に行っていることを知り
「すれ違いか」
とすぐに戻ろうとするが転移魔法は魔力充電中で後4時間はつかえない。
家に居たクインさんが手紙で状況を伝えることができると説明する。
メルミーナ様がとても驚いて手紙を書きながら、装置の詳しい説明を受けた。
転送装置に手紙を入れ、蓋をすると黄色に変わる。
暫くすると青になったので、王都側で手紙を受け取ったと説明する。
すると少ししたらこちらの家に設置してあるジルベール専用の転移版が光だし、ジルベールが転移で戻ってきた。
単独で転移魔法が使える事に驚くメルミーナ様。
そして物を簡単に転送できる魔道具に革命的だとジルベールを誉める。
続いて、リリアーナを含め来た理由を説明してくれた。
まず第2王女の誕生日でジルベール同様メリーナ様が降臨され、第2王女が聖女になられた事を説明してくれた。
そして、このことが国外に流れると、必ず婚姻関係を迫る国が出てくる。
聖魔法を使える能力者は、各国に数名いるかいないか。
さらに聖女と呼ばれる聖魔法能力の高い能力者は近年現れていない。
とても、貴重な人材らしい。
それも王女となれば、国をあげた争奪戦がはじめる。
そうなる前に国内で婚約者を決めてしまい、国外からの干渉を避ける必要があると。
そこで2週間後に、第1王女スザンヌ第2王女マリアの2人に対して、王家国内の有力な候補者を集め、お見合い大会をする事になったと。
マリアは、メルミーナ様の孫にあたるそうです。
メルミーナ様の後継に選ぶにあたって元々3歳違いのマリアと私を結婚させるつもりだったそうです。
とにかく、そのお見合い大会に出ろと。
すぐに王都に行くぞと。
まずすぐさま王様に挨拶に行き候補に入れてもらわなければならないらしく、4時間後に転移装置が使えるから出かける準備をしろと。
私が3人で良いなら、一緒に王都まで転移できると伝えると、驚いていた。
着替えが必要か訊ねるとメルミーナ様の家で用意するから必要ないのと。
早速リリアーナ、メルミーナの手の握り3人は揃って王都に向けて転移した。
そして、あっと言う間に王都についた。
メルミーナ様が「ここは何処?」と聞いてきた。、
「王都の、転移装置のある教会から少し離れた、我が家が買い取った建物です」と説明しました。
私が転移ができ、転移ボックスもあるので、商業の物流拠点とするにしても教会の転移装置の近くの方がごまかしやすいと、売りに出ている中で、教会にもっと近い場所を購入したとメルミーナ様に伝えました。
教会前にメルミーナ様の馬車が止めているから、それを使って家にメルミーナ家に移動する。
元々一緒に来ていた料理長のゴルゴさんがこの場にいたので、残りの残務をやってもらい、終わったらメルミーナ公爵家に行くように伝え3人で移動を開始しました。
メルミーナ様が、夕方の転移装置の稼動を頼んでいたのでキャンセルを伝えると、どうしてこっちにすでに居るのか疑問に思っているようでした。
急いでいたから、別の場所を経由して移動してきたと言い訳をしていました。
納得した感はありませんでしたが、料金だけは支払ってさっさとメルミーナ様の家に移動を開始しました。
メルミーナ公爵家に着くと、その屋敷を含め全てのスケールにびっくりしていました。
いやでかい。
これ城じゃね? ぐらいの大きさです。
100部屋ぐらいあるんじゃないだろうか?
家の中に入るとメルミーナ様は、専属の業者を呼び出した。
リリアーナお母様用のドレスや、私の服を合わせ始めました。
専属の針子がその場で修正し、明日の朝までに仕上げるそうです。
いや、すごい。
次の日の朝すぐに王城へ移動。
メルミーナ様が、リリアーナお母様と私を連れて、謁見の間へ。
しかし、正式な謁見ではないのでその裏の部屋で王様と会いました。
王様からは普段どんなことをしているか、と質問してきたので
「午前中は、魔法や剣の訓練を行い、午後は領地を回って道路を作ったり、工房で魔道具を作ってますと」
と答えると、10歳でそんな事をとつぶやき
「剣はだれに習っている」
と質問されたので
「基礎はレイブリングさんに、実践はエイミーさんに習っています」
と伝えると、
「元将軍のレイブリングに、剣王の称号を持つエイミーか。
それはすごいな。
レイブリングが田舎にこもっているとは聞いていたが、お主のところに居たのか」
うんうんと、満足したのか1週間後の10時に王城に来るように言われて、下がってよいと言われました。
メルミーナ様はそのまま公務があるそうなので、その場で別れ、私たちは1週間後に向けて必要な服を数枚作るために馬車で店に連れて行かれました。
服のセンスは解らないので、お店の人にお任せです。
お見合いが1日で終わらないそうで、実際には予備も含め5着ほど作るそうです。
完成したらメルミーナ公爵家に届けてくれるそうです。
前日に訪問時間を連絡するので、そこで最後の調整をするそうです。
この世界の貴族向けの商売の仕組みが分かり、参考になりました。
私たちは家に着くと、リリアーナお母様は折角なので王都の友人に連絡をし、私は合流したゴルゴさんと商売の為に活動を再開。
夜には戻ると伝え、王都の市を探索に出かけました。
それから1週間は、王都で過ごす。
午前中はいつもどおり魔力の訓練に剣の訓練。
魔法の訓練は訓練場を壊しそうだったので、魔力操作をしたり、光の剣を出すだけなど、シャドー魔法で済ませる。
剣は、メルミーナ様の家の護衛兵士に相手をしてもらいましたが、1対1だとレベルが合わず結局1人でやることに。
護衛兵士は、申し訳ないと平謝りしてました。
よく考えたら、朝か夜のうちに転移で領地に戻り、訓練をしてから昼に帰ってくれば良かったのに。
転移魔法が使えるようになったばかりなので機転が利かなかった。
午後は、王都内の探索もチョコチョコと。
王都は広いので、数日では回りきれなかった。
それとメルミーナ様の家の巨大な図書館も使わせてもらった。
ここは、知識の宝庫ですね。すごかった。
興味深い本が沢山あり、読みきれないので後で読む本のめぼしをつけるぐらいしかできませんでした。
料理長ゴルゴさんはメルミーナ様の家の料理長に日本食を教え、夕食も日本食を出してくれました。
リリアーナお母様は、2回ほど友人宅に出かけていました。
お出かけが無い日はメルミーナ家の侍女に案内され、護衛付きで貴族ご用達のお店に買い物に行ってました。
化粧品や下着が中心だそうで、私たちは遠慮させてもらいました。




