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旧・転生者はめぐりあう  作者: 佐藤醤油
第6章 グランスラム帝国編
181/186

6.16 三人の少女達

 スザンヌが目覚めると共にエリンを呼んだ。

エリンは精霊からの知らせを受けスザンヌの侍女が呼びに行く前に部屋の前に来ていた。

 スザンヌは急いでエリンに伝える。

「ジルベール様とすぐに連絡が取れる?」

「はい。手紙でのやり取りができます」

「解ったわ。ジルベール様に危険が迫っているので、すぐに書くから待っていて」

 スザンヌは慌てて手紙を書いた。

 スザンヌが寝ているときにジルベールが暗殺される夢を見たのだ。あまりに現実感のある映像で未来視だと確信しているようだ。

 エリンは受け取った手紙をすぐに送った。

 少しすると手紙を受け取った印が光った。

「スザンヌ様、ジルベール様が手紙を受け取ったみたいです」

スザンヌに手紙が着いたことを教えると安心した顔つきになった。

 暫くすると返事が来たのでスザンヌに渡す。

「新しい魔法で防御できるそうよ。なんでも事前に魔法をかけておくと、別の世界に予備の体があって死なないそうなの。あなたその魔法知ってる?」

「はい。先日連れされれた子供達を連れて帰って来た時に練習されてました。急いで最高レベル上げないといけないと言ってました。その時におおよその効果は聞きましたけど」

「そうなの。それでどんな魔法なの?」

「ダブルと呼んでいました。レベルが上がると色々な事を2重に出来ると言われていました。私が見た時はジルベール様が2人になってました」

「ええ2人。それはすごいわ。じゃあマリアと私で半分じゃなくて、同時にデートができるのね」

「あ、すいません。その時は姿だけで片方の実態はない状態でした」

「残念。1人丸ごとデートが出来ると思ったのに」

「ジルベール様がお戻りになりましたら、マリア様と日を別けてお時間を決めますよ」

「え、そうなの」

「はい。私がスケジュールを管理していますのでジルベール様から特に指示がなければ私が調整しています」

「じゃあ帰ってきてからになるけど、デートの時間を入れてね。お願い」

「はい。承りました」


「ところで、スザンヌ様が予知した時間はおわかりですか?」

「ああ手紙には書いたけど、長い廊下を通るということしかわからないの。廊下に窓がなくて時間がわからなかったわ」

「そうですか、長い廊下なら謁見の間に行く時でしょうか。調印式の日ぐらいですね」

「時間を聞いてどうするの」

「調印式の頃に王城の教会でお祈りをしようかと」

「そうね。私も不安だから一緒に行きましょう」

「はい。では時間になりましたらお迎えに来ます」


 翌日、時間になりマリアとスザンヌにエリンが教会に入り祈りをささげる。

 するとアロノニア様が現れた。

「祈っていたのはお主らか。ではやはりジルベールの死は未来視で伝えていたのだな。先ほどジルベールが死んだ」

「えそんな」とマリアが。

「生き返ると手紙で書いてありましたがどうなったのですか」

スザンヌが質問をする。

「やはりそなたは知っておったのか。たまには下界を見るべきであったか。そなたの言う通り、生き返ったぞ。しかしあれは良くない」

「良くないとは?」

エリンが質問をした。

「まず殺された時の痛みは記憶に残る。その痛みでしばらく生き返らぬ。だからよけい周りに心配をかける。護衛騎士のエイミーなど戦いを止め死のうとしたのだから。コハクにエイミーと強い物を近くに置いておけば大丈夫じゃと思っておったが、強者ゆえに自分が倒れても大丈夫だと思っておるようだ」

「はあ。そうかもしれないですね。あの二人は別格ですから」

「そうじゃ、足かせが必要な気がする。エリン、そなたらには近くにいて貰わねばならぬ。」

「お姉さま、余計な干渉はいけませんよ。今、転移で三人を飛ばそうとしましたよね」

「う、ラキシス。お主か」

「今日はお姉さまの力を使いすぎです。空間に余計なひずみが出ています。先ほど危うくコハクを失いかけたばかりなのですからお姉さまの力は自重してください」

 突然、女神が二人になった。3人にははっきりと女神を姿を見ることができないが、感覚から目の前にいる女神がアロノニア様とラキシス様だとわかる。その2神、特にラキシス様が少し怒り気味の感覚は3人にとても強大な威圧感を感じさせた。結果、3人は座っていることもできず、崩れた。

「ああ、ごめんなさい。つい神力が漏れてしまったようね。さあお姉さま、私たちの力が及ぼす影響を改めて認識しましたよね。戻りますよ」

「ああ、わかった。ジルベールに自分を大切にするようにワシが言っておったと伝えるのだぞ」

「はい。ジルさまの事を心配していただきまた」

「お祈りをしていた貴方達に迷惑をかけたわね。これは今の段階でできる最小限の干渉よ」

 そういってラキシス様の手元と思われる部分が光ると、3人の髪に同じ髪飾りが付いていた。

「私達にも気を配っていただきありがとうございます」

侍女として鍛えていたからか、エリンが一番最初に立ち上がりお礼をする。

「本来はジルベールにおしおきの一つでもしたかったところだが、お主たちの祈りに答えて勘弁してやろう。それも伝えておくようにな」

最後の一言を伝えて女神様の姿が消えた。

 エリンがスザンヌとマリアを気遣い体の無事を確認した。そして3人でジルベールの無事と共に、今の女神との話を通して3人が無事に生きている事を喜んだ。


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新作 始めました。異世界恋愛?物語です。
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