6.10 サンポールさんおめでとう
この地の貴族の悪事は小さな物ばかりだが申告が多すぎて確認しきれなかった。
出世競争による殺人があったが、過去の問題を不問にすると言ったので罪には問わない。
心機一転し、工業の改善に必要な資金提供、廃工場の改良など積極的に協力してくれるので良しとしよう。
現状は、問題行動の報告もなく領民との関係も問題ないようだ。
そして問題児3人の事も決まった。親戚含め全員で話し合った結果、心を入れ替え部下として使えるようだ。
次になにかれば管理者となった親元の3家族だが断絶となるので家の中で厳しい管理下に置かれる。
3家が監視しあって不正が無いようにするそうだ。
そして僅かに空いた時間でサンポールさんと村へ転移しエリーゼをこちらに連れてきた。
現地で簡単な結婚式をやったが、こちらでどうするのかは知らない。 頑張ってね。
ご祝儀にエリーゼの方にアイテムボックスを渡した。売るなり、自分で使うなり自由にすれば良い。もちろんとても喜んでいた。
行商人が取引しているアイテムボックスは昔作られた謎アイテムなのでそもそもの量が少ない。
僕が持ってきたアイテムボックスは最初に食料配布に使った分だけだ。食料を取り出した後で領主管理下の組織が物資の移動に使われている。市場に出回っているアイテムボックスは非常に少ないままなので、そもそも現金での売買すら難しい。
領主管理のアイテムボックスが商業者に貸し出した借り賃が比較対象になるのだろう。
その結果、彼女は親戚筋のやっている商業に貸すことにしたらしい。
まあお好きにどうぞ。
後で領主のアイテムボックスを盗んだとか言われないようにするため、僕のサインが入っている。”ジルベールからサンポールとエリーゼに二人の愛の記念として贈与”と書いておいた。
貴族達のくだらない過去の問題を読み飛ばしながら心が荒みそうになったが、合間でのちょっと良いことで心が和やかになった。