6.8 誘拐された子供達
シドニアやラルクバッハに問い合わせた誘拐情報の返事があった。
13年前にラルクバッハの北東側数領地でほぼ同時期に誘拐事件があった。全部で10名の子供が誘拐されたらしい。
似顔絵からサーラの名前はリーアクリネで、伯爵家の娘ではないかと推定された。
誘拐されたのは1歳前。そして当時3歳と2歳の男の兄弟がいるはずらしい。
他の7名の子供もほぼ同じ年で最年長でも4歳だったらしい。
誘拐された子供がすべてこの地に揃っているか解らない。とりあえずサーラ以外にもいる可能性を考えて子供を調査する必要がる。
ラルクバッハからは参考にして欲しいと親の若い頃の姿絵や現在の絵が送られてきた。
サーラの友人を中心に、孤児院を探した。
この間にも民の能力を見るために鑑定を行い続けていたらなんと上位鑑定のレベルがカンストした。同時にスキル隠蔽魔法も習得した。
上位鑑定のレベルが上がったことで追加の魔力を費やすことで本人が意識していない情報も読み取れるようになった。
まずはサーラがいた孤児院を改めて全員鑑定する。それで貴族名がついた子供が4名、 今年16歳で孤児院を卒業し入隊した兵士を鑑定しさらに2名を発見した。
いろいろ探して、該当すると思われる子供を8名見つけられた。幼少期に二人ほど死んでいるらしい。一般の子供たちの死亡率と比べるとかなりの割合で助かっているのだから運が良いのだろう。
しかし見つかった貴族名のある子供は8名だけではない。おそらくシドニアの貴族名と思われる子供も7名いる。
とりあえず似顔絵を描かせて、僕の調べた名前を付けてラルクバッハとシドニアに送付した。
手紙の返事を含め、予定を少し変更することにした。元々14日にセブルクに移動する予定だったが、1日早め、13日にシドニアラルクバッハに転移で移動し子供たちを引渡す。14日にラルクバッハから移動することにした。
子供達は、13日の移動に備えて準備してもらう。現状の友達や孤児院の先生への挨拶を済ませ、服の準備や簡単な礼儀作法を教える。挨拶や食事のマナーだけでも覚えてもらう必要があったからだ。
この地の貴族の奥様が方に協力してもらいマナーの集中講座をしてもらった。
僕はその間に近隣の町への食料配布、警備体制の見直しをした。