5.41 リリア実家へ
リリアを王城に保護し、リリアの家には手紙を送る。
そして、無事朝を迎える。
リリアは少し落ちついたようだ。
昼前には親が心配して迎えに来た。
メリーナ様からのお守りができていないので、暫くこのまま王城で待ってもらう。
母親と一緒に王城の庭に出てゆっくり過ごしてもらうことにした。
サフィーナ様も一緒に付き添っている。
昼過ぎに、リリアを心配した学園の男子が2名王城に来た。
手配どおり、王城の魔法禁止エリアに入る手前で待ってもらう。
私と、魔法陣を使う宮廷魔道士のセットで迎えに行く。
そして、私が鑑定で確認する。
魔法陣の治療前は、二人とも確かに魅了にかかっていた。
宮廷魔道士が、そのうちに1人に魔法陣を使って精神状態異状を回復する魔法を使う。
私の鑑定でも表示されなくなった。
もう1人は、王城の魔法禁止エリアに入って貰う。
鑑定を行うと魅了のまま、やはり即効性が無い。
もう1人も魔法陣で治療する。
治せる事がわかったので、後は学園に行って対象者を治せば良い。
対象者は多く見積もって50人、全員に治療を実施すれば良い。
状態異常が回復した二人に、見舞いをどうするか再度聞く。
今は落ち着いているなら、またにするとあっさり帰ってくれた。
その後に、メリーナ様からお守りが贈られてきた。それをリリアに渡す。
母親には、娘が特殊な能力を持っており、何者かに操られ悪用された事。
それに対してお守りが有効なので、暫く身につけ静養して欲しいと伝える。
この件は王から私に対応が一任されている。
今後の対応については、元気になってから話をすることにした。
それと今回の行動については、学院内の事なので公には罰を与えないことを王と合意していることも合わせて説明した。
お礼を言われ、学園が春休みに入るので、このまま休み領地で静養するという事になった。
とりあえず一件落着。
良かった良かった。
サフィーナ様は、もっと早く気がつけば何か手がうてたのではないかと気にされていました。
リリアにも謝ってました。
ルカ王子がだまされたふりをして、王城に呼べば早く治ったのではないかと。
精神支配が弱くなっていたから結界や魔法禁止で阻害できましたが、最初の頃に王城の魔法禁止で元に戻れたかは解りません。
私も少し前なら魅了の解除はできなかった
と言う話をし、誰も死んでいないし直接的な被害は出ていないから、タイミング的には丁度良かったのだと。
今回のお茶会のおかけで見つかったのだから、サフィーナ様のおかげですよと。
とりあえずサフィーナ様も落ち着いた様なので、この話は何とか解決しました。
あとで、リリアの扱いについて宮廷魔道士の裏調査隊の組織に入れる話を進めないといけないのですが、トップのアレクサンドロ公爵は遠征に行っていないので、後日副司令官に相談に行きました。
学園に復帰後、学園卒業後に裏調査隊に入れるように準備をします。
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さて、私は今日から面接で合格した人を領地に転移させることになっていました。
そちらのお仕事もおろそかに出来ません。
採用後に、本当に領地に行く人は、先週末の金曜日に集まってもらっていました。
500人の採用に対して、狙いは300人でしたが結局400人が集まりました。
今までも王都の店で従業員を募集してたのに、なぜ急に領地の募集案件に来たのか。
就職情報は個々のお店での募集よりも、領主からの募集の方が人気が高いそうです。
店は、つぶれたら終り。
領主雇いは、店がなくなっても他の事に移動すれば良く、永久就職先として人気が高い。
特に、今回我が家の領地は現在国内で最も成長率が高く、息子が王女と婚約となれば、高い人気は当たり前と言うことでした。
王都勤めは100名です。
教育担当も用意されているのでこちらは順当。
王都で就労する人を、王都側の担当者が全て仕切るのでお任せです。
問題は、残り300名の領地へ移動です。
大半の人は、先週集まった後に、領地へ向けて集団で移動を開始してもらいました。
乗り合い馬車に15人ほど乗り、2週間で、移動してもらいます。
馬車10台。150人の男性の元気な若人は頑張って自力移動してもらいます。
それ以上の馬車が予約できませんでした。
軍隊の移動ならまだしも、一般用途でたくさんの馬車を使った移動はあまりなく、300名の移動は大変でした。
そこで、残りの女性100名と50名男性、高位者あるいは少し年配の人を、私が転移で徐々に連れて行くことになりました。
今日は20名。
明日からも名簿にしたがって、10名から20名を移動させます。
本日の午後から、タクシーとして頑張ります。
がんばろ。




