5.40 リリアの保護
王城に戻り、とりあえず、王城の部屋も使うので、王妃様を呼んでもらう。
すぐに、3妃様が、来てくれた。
簡単な内容を聞いて、リリアを医者が診察してくれた。
王への報告も必要だろう、それも手配してくれた。
王は、転生者の事を知っているわけだし、魅了の精神魔法の使い手だ。
きちんとした保護をしても良いだろう。
リリアの実家には、具合が悪くなったが、緊急性は低く、王城の医者が見るので安心して欲しい。
明日の昼に、迎えに来るようにと言う内容で手紙を出してもらった。
体調的には、それほど問題が無いが、1年間も、操られていたという精神的なショックが大きいだろう。
医者の見立てでも、精神的な負荷が高く、睡眠薬で寝させたほうが良いとの事でした。
王様に直接話せる状況でもないので、薬を渡して、眠ってもらうことにしました。
サフィーナ様が、事情を聞いて、隣にいてくれるそうです。
サフィーナ様から、
「嫌な人と思っていただけど、操られていたなんて、1年生の前半と態度が違うことをもっと重要視すべきだったわ」
と、自分のせいのように話されます。
私が「今回の術は、非常に巧妙で、偶然解っただけです。女神様も防げなかったのだろから、サフィーナ様が気にされることでありません。後悔しても改善しませんよ。それよりも、これからを一緒に支えてあげてください」とお願いしたら、
「そうね。あなたの言うとおりだわ。問題はこの先よね。リリアをちゃんと回復させて元に戻さないと」
「そうです。1年の前半で中の良かった友達とか解りますか?ぜひ呼んで、一緒に回復させてあげてください」
と言うやり取りがあった。
サフィーナ様、優しいな。
夜になって、王様と話ができました。
彼女も転生者と言う話はしました。
そうでないとつじつまが合わなくて、説明ができないので。
そして今回の事件、国に精神系の魔法である魅了が使えるが届けていなかった件。
学園で、魅了を使って男性をとりこにしていた件については、操られていたためであり、不問としてもらった。
そして、今後については、国の暗部系諜報課に所属してもらうこと。
危険な仕事には就けず、尋問等を専門とする事など、安全な環境を約束してもらった。
今回の魅了は、特殊スキルのレベルがもっと上がれば、解りませんが、ルカ王子も王城にいるだけで徐々に効果が薄くなり、すぐに私の鑑定にも引っかからないぐらいになっていたので、魅了からの回復は以外に簡単なようだというのが解りました。
王城の魔法禁止程度で回復するなら、すでに魅了にかかっている人については、魔法陣を使った回復が可能だろうという話になりました。