5.26 空間魔法の使い手集まる
閑話です。
たままた王都の店に顔を出している時に、アイテムボックスを作った人に会いたいと言う男がやって来た。
アルフォンス王国からわざわざ来たらしく、自分も空間魔法が使えるから弟子にして欲しいと言って訊ねてきた。
店の奥からその男性を鑑定で見ると空間魔法に、鑑定の能力まで持っていた。
そしてやはり、メリーナの加護中がある。
転生者だ。
相手も私の事を鑑定で確認したらしく声をかけて来た。
店の奥に入り話を聞いてみる。
オメガ・パテックス子爵位を持つ28歳の男。
オメガ・パテックス
総魔力量 415
基本魔法
魔力操作 レベル3
応用スキル (攻撃・防御系)
魔素の高温化 レベル0
魔素の低温化 レベル0
流体操作 レベル3
個体操作 レベル3
気体操作 レベル3
音波操作 レベル2
光子操作 0
身体強化 1倍
特殊
空間魔法 レベル2
鑑定 レベル4
メリーナの加護中
さすがに転生者、総魔力量が多く魔法の能力は高い。
火、氷は使えない。
間接型に特化している感じだ。
そして、アイテムボックスを作れるほどの総魔力量は無い。
話を聞くと、これまでアルフォンス王国で宮廷魔術師となり遠征時の荷物持ちなどでマイボックスの能力で重宝されていたそうですが、アイテムボックスの出現で自分の優位さが無くなった。
そして、そのアイテムボックスの有益さに愕然とし、宮廷魔術師を辞めて弟子になりに来たそうです。
雇わないと言ったらどうするの?と聞くと、アイテムボックスを作った人は絶対に転生者だと思っていた。
同郷のよしみでぜひお願いします。と見事な土下座をされた。
いきなり土下座でした。
弟子の件を了承し領地へ連れ帰る。
空間魔法の使い手の育成は前から王宮からも言われていたので、王様に相談してラルクバッハの宮廷魔術師からも派遣してもらう。
そして、もう1人。
こういのは時期が重なるのでしょうか。
偶然とは恐ろしい。
ラスク王国の宮廷魔道士を辞めて来た女の人。
空間魔法の使い手
オメガ・パテックス(28)男 アルフォンス王国出身 空間魔法 レベル2
ロレックス・ロドリゲス(32)男 ラルクバッハ王国出身 空間魔法 レベル2
カルティエ・シファーナ(22)女 ラスク王国出身 空間魔法 レベル1
3人とも、転生者です。
転生者が一気に3人も集まりました。
領地でゴルゴさんが大歓迎。
ロジクールさんも含めて、日本食の大盤振る舞い。
領地で作った日本酒に、焼酎も出し、夜の大宴会。
そして、追加情報。
オメガさんの両親が揃って転生者。
現存は、47歳のお母様=ウッィカ・パテックスさん。
父親は、魔物との戦いでなくなってました。
それでも現存する転生者で最高齢。
いや、47歳で最高齢は失礼ですけどね。
とりあえず気候も良いし日本食も食べれるので、ここに呼ぶそうです。
そして、修行スタート。
基本は魔力操作から。
そして魔力の可視化で確認しながら、空間の与え方を指導。
それを1ヶ月繰り返すと、全員の空間魔法のレベルが3に。
そして総魔力量も1000を超えました。
なんとか3月末までに、アイテムボックスを1日1個作れるようになりました。
転移については3人とも、瞬転での移動が出来るようです。
もちろん、呪文を詠唱が必要です。
瞬転の呪文は各宮廷で秘伝として伝わっていたそうです。
ちなみに、私は詠唱しないので呪文は知りません。
ロレックスさんが、魔法辞典と言う能力を持っていました。
1回200の魔力消費で目的の魔法の呪文を調べる事が出来るそうです。
すごい魔法がありますね。
さすが転生者。
魔法辞典は、一度魔法を見ないと調べることはできないそうです。
未知の魔法を調べることはできないと言うことです。
その他、通常空間拡張付与、虚無空間付与、転移を見せて呪文を調べてもらいました。
魔法書に書き書き。
ついでに、私の複合魔法も見せて、詠唱を調べてもらいました。
書き書き。
でも、見せても半分ぐらいは不明だった。
火鳥、水龍は、聖獣のせいだと断定されてしまいました。
自分で作ったのになー。
でも便利な技なので、水龍に見えない程度に精度を落として泥と石、水でそれポイ物をゆっくりと作り、攻撃をしてそれを解析してもらう。
泥、石、水魔法の組み合わせで出来る連成魔法詠唱が判明しました。
劣化版ならなんとかできました。
良かった良かった。
書き書き。
そして、魔道具用の魔法陣も調べられるか調査。
石を暖める魔法陣は調べることができましたが、空間魔法をそのまま添加させる魔法陣はありませんでした。
空間魔法を魔法陣で発動させるのは難しいようです。
やはり、魔法効果の維持が一番使いやすそうです。
2人とも空間魔法の付与を1回やると魔力が枯渇するので、残りの時間は別の事をやってくれます。
ロレックスさんは、ロジクールさんと一緒に魔法陣や新しい魔法の研究を行っています。
そして、出来上がりをオメガさんが鑑定でチェック。
オメガさんは、他の魔道具の最終検査をやってくれます。
この3人のセットはなかなか強力です。
1人残されたカルティエさんですが、空間魔法の他に香水作製のスキルと持っています。
本人の特徴から、相性の良い香水を作れるそうです。
私の上位鑑定でもあまり説明が出ないのでかなり特殊なスキルです。
しかも魔法で香水を作るのではなく、レシピが解るのだとか。
レシピどおりに作れば良いから検索系のスキルでしょうか。
ただし、相手が16歳以上の成人した人にしか使えないそうです。
とりあえずエイミー相手に試してもらいました。
私は気になったことは無いのですが、本人が訓練後に汗の匂いがすると気にしていたので。
レシピにあわせて作ってみました。
今回は香水ではなく香油でした。
匂いも薄め。
でも、確かに良い匂いになったかも。
なんとなく安心する匂い。
ところが、オメガさんとロレックスさん曰く、別に普通。
と言う。
カルティエさんも、ほらあんまり使えないでしょと。
そこで、もう一度鑑定でスキルを確認。
使ったところを見た上で鑑定を行うとたまに説明が詳細になる事がある。
そこで、見た結果。
思う相手に対して最大の効果を発揮する匂い成分を持つ香水・香油を作るレシピの作製。
レベルが上がると、相手が好む匂いを放つ石鹸や、シャンプーのレシピも作れる。
なんと、思う相手に対してって
一応、エイミーに確認。
作るとき誰に対して良いにおいにしたいと思ったのか?
「そりゃー、雇い主のジルちゃんだよー。臭いと追い出されちゃうかなーって」
そういうことですか。
一応注意で、それ私に効果はあるけど他への効果は少ないから、舞踏会とかでは使わない方が良いよと。
「りょうかーい」だって。
で後日、王妃様の所に連れて行って3人分のレシピを作り、王城の薬を作る部門に頼んでおきました。
作るときに王様の事を考えてもらう。
そして、注意事項として王様と2人で会うときに使う。
王様以外と会うパーティーや舞踏会ではあまり効果が無い。
後日、王妃様からカルティエにお礼と言って宝石が送られてきました。
その結果に、カルティエが一番驚いてました。
ちなみに、1妃様は、来年の2月に待望の王女を。
2妃様もその後5月に王女を出産します。
3妃様は、この時点で妊娠済み。10月に王子が生まれます。
つまり、特別な思い人が居る男女に効果を発揮するわけね。
最初は、休みの日に王都のお店に連れて行って訪れる子達のレシピを検索、そのレシピを店に渡して希望者だけ後日店頭で渡すことをやってみました。
たまに、作れない製法もあるのでその場合はすぐにやり直す、すると代案が出てくるそうです。
匂いなんて、正解は無いですからね。
数種類はOKでしょ。
空間魔法付与の業務はアイテムボックスの魔法付加無しを王都に送りそこで作業をすれば良いので、カルティエには王都で働いてもらうことにしました。
3月末の時点で、3人ともに1日1個アイテムボックスを作れるようになったので、暫く領地を離れてもノルマ分を作ってくれるようなので助かります。
本人達の給金は、かなり高額で契約しました。
こんなに貰っても良いのかと、給金に驚いてました。
ロレックスさんは、王宮魔道士を辞めてしまいました。
王宮から怒られるかと思いましたが、王城に優先的にアイテムボックスの配分を回すことで了承してもらえました。
こちらに来る直前の状態と一緒では、アイテムボックスの方が黙って仕事をしてくれる分良かったらしい。
役に立つなら使ってくれと言われたのは、本人に言いにくいので、黙っておきましょう。




