5.19 フィリップの悩み
もう、夜。
寝るだけの時間になって、ようやく家に帰ってきた。
お母様やアメリとは昼間に会っているが、リビングできちんと挨拶をしてからすぐに寝た。
朝になってから、家を空けていた間の事を説明する。
なぜか白虎王の捜索途中でシドニアに転移したこと。
シドニアでルカ王子、サフィーナ様がさらわれたこと。
そして、なぜかグランスラム帝国軍を倒した話。
大半が予定に無かった話で大変驚いていた。
その後、なぜかシドニアの王妃達をこちらに運ぶことになったこと。
それと最後に、エリンを専属侍女で迎え入れたいと伝えた。
結局一番驚いたところが 全員がそこだった。
どんな子だと、しつこく聞かれる。
ちょっと小柄で、服のセンスが良い事を説明した。
専属侍女の向かい入れについては、問題ない逆に大歓迎とのことでした。
今日は、いつもどおりの格好だが、昨日はいつもと違ったから良い子だと期待してるそうです。
反対されず良かった。
専属侍女って事を考えてなかった事は内緒です。
そして、白虎王コテツを探しに行った部隊の情報を聞くが、まだ戻ってきていないそうだ。
あと数日かかるよな多分。
さて、今日は久しぶりにお仕事をしないと。
とりあえず、たまりにたまったアイテムボックス作成をやって欲しいということで、一日中アイテムボックスや、アイテムバックの作成をやっていた。
手持ちも使い切っていたし、およそ20日分をまとめて作る。
疲れた。
久しぶりに、召還や、神格化無しで魔法力が空になった。
20日分以上あった気がする。最後は数を数えていない。
魔法陣を作る人が頑張ってくれているのでしょう。
慣れたので、作るのも早くなってきているようだ。
さすがに疲れて、早めに夕食を取り、さっさと寝た。
次の日、お昼すぎにエイミーが家に戻ってきた。
霧の山を抜けたので、先に連絡をするため太郎と一緒に駆け抜けてきたらしい。
馬で数日かかるのに1日で着くんだ。
太郎、速いし長距離も移動できるのか。
一旦、休憩して一泊したら迎えに行くと言ってました。
ご苦労様です。
エリンの件を、エイミーにも説明すると「結婚もしてないのにもう妾を取るのジルちゃんダメだよー」と
いつもの口調で冗談を言ってました。
そして、その口でじゃあ専属侍女ちゃんが来る前に最後に私と一緒にお風呂入ろー。
洗ってあげるよーと。
え?
いや、婚約者もいるし、そんな事は。
と遠慮したら
「ジルちゃんは10歳だから、まだまだ大丈夫だよー」と、強引に捕まってしまった。
女性に強く出れない私の性格を良く知ってます。
さらになぜか家の侍女が協力して私は素っ裸にされた。
なんて手馴れてるんだ。
いつもやらないくせに。
そして、家の温泉に、エイミーと一緒に入り洗われました。
ゴシゴシと。
昼間から、巨乳ちゃんゴチです。
お風呂から出ると、本日もお仕事。
新しい新規店や、領地内の工房の新製品などの打ち合わせ。
領地内の一般的な業務は役場でお母様やアメリが処理してくれてます。
いつのまにか新規事業は私の担当になってます。
魔道具や魔法陣の研究チームも要るので、そこからも3週間分の報告を聞きます。
そんな事をしていると、数日があっというまに過ぎます。
あと、2日でシドニアのお客様が帰るので、今日からまた王城に行きます。
夕食から合流し明日1日は、スザンヌ、マリアも一緒に王都の町を見学に行きます。
もちろん、フィリップ王子も一緒に。
夕食前に、フィリップ王子から相談があるといわれました。
まあ、内容は予想はできます。
そして夜、寝る前にフィリップ王子が部屋にやってきました。
シドニアに行くかも知れないこと。
そして、行くには、王女を選ぶ必要がある事を悩んでいるようでした。
で、まずこの国に残った場合どうするか?
もともと、ルカ王子の手伝いをして、国を助けるつもりだったと。
では、シドニアに行ったら?
シドニアの国王になる場合。
生まれてからずっと、この国の民の為にと思っていたが、一番がシドニア国民になるのか。
グランスラム帝国との壁になっているシドニア。
そこの王をすると言う事は、このラルクバッハのためにもなる。
まだ、時間はあるから、良く調べて考えれば良い。
機会があれば、シドニアに連れて行けるからまず自分の目で見ることですね。
と言うことで、そのうちシドニアに行こうって事になりました。
そして、それはそれとして、もし選ぶとしたらどの王女を選んだら良いか同い年の意見を聞かれました....
どの王女も綺麗だし、自分の性格に合いそうな人を選べは良いのでは。
と言いましたが、話は別もあるらしい。
王様からは、この国からも1人選ぶように言われたそうです。
どうしよと。
私は、あまりこの国の高位の女性と会った事がありません。
良く知っていると言えば、エレノアとニーナ。
それに、王都でマリアの会に参加していたメンバーぐらい。
その中なら、唯一のお勧めは、ハイルデン公爵家クリシュナ様かな。
頭が良さそうだし、スザンヌ、サフィーナ様に似て、
美人さんになるのは間違いない。
などと、独り言の部分も全て喋っていたらしい。
すると「エレノアは、うん良いかもな性格も良いし、私との話は面白かった」
「え、そこ、エレノアは、ちょっと身分が離れてるでしょ。
殿下がこの国に残ってただの貴族になるならエレノアもありだろうけど、国母の話ならそっちじゃなくて」
「ああ、いや。ダメか。うん、えっと他は、クリシュナか」
「シドニアの王女からのお勧めは、リアン様だね。
1人だけ、シドニアの2妃様の子供。
母親の2妃様は温和な感じがしますし、リアン様は長女というのもありますが、
他の妹達の面倒見が非常に良い。
可愛い感じの母親になると思います。国母と呼ばれる風格がありますね」
「リアンか、そうか、一番見てなかったな。
そういえば、話をした時もおっとりした雰囲気で、落ち着いた感じがあったな。
そうかありがとう、明日はリアンも良く見てみる」
と言って、元気に部屋に帰っていった。
リアン様、スザンヌと同じ年なんだけど、スーよりも大人に見える。
っていうか、すでに母?。
比べたのが間違いだった。
とても落ち着いた雰囲気の人なんだよなー。
明日のフィリップ王子の行動が楽しみだな。
しかし、フィリップ王子からエレノアの名前が出るとは思わなかったな。
私の妹的存在のエレノア、確かに結構可愛いけど、まさかそこを見ているとは思わなかった。
と、いろいろ思うところはあれど、私はとりあえず寝よう。
侍女に案内され、用意された部屋に向かった。